保険診断・見直し

自分でできる証券診断 ~保険証券の見方

高橋 浩史

「生命保険には入ったけど、どうもわかりにくい……」。そう感じている人は少なくないようです。自分の保険を理解するには「保険証券」を見るのが早道です。ポイントさえわかれば、保険証券の見方は決してむずかしくありません。

●基本的な保険用語を押さえよう

保険証券にはさまざまな保険用語が記載されていますので、証券を見る前に、基本的な用語の意味を押さえておきましょう。

【契約者】
保険会社と保険契約を結ぶ人です。保険料を払い込むのは基本的に契約者になり、契約内容を変更するなど、契約上のさまざまな権利があります。

【被保険者】
保険をかけられている人です。死亡、入院などが起きたときに、保険金の支払い対象になる人のことをいいます。

【主契約】
保障の基本になる契約のことです。単独または特約とセットで契約します。

【特約】
主契約では足りない保障を得るためのオプション契約です。特約だけの契約はできず、主契約とセットで入ります。

【保険期間】
保障が続く期間です。この期間内に発生した死亡、入院などに保険金が支払われます。一定期間の「定期」と、生きている間続く「終身」があります。

【保険金額】
契約で保険会社が約束した、死亡や入院などの際に支払われる保険金の額です。

【受取人】
保険会社から保険金などを受け取る人です。通常、死亡保険では契約者が、医療保険などでは被保険者が受取人になります。

【払込期間】
保険料を払い込む期間のことです。契約により、一定年齢で払い込みが終わる場合と、保険を続ける間はずっと払い続ける場合があります。

●保険証券には何が記載されている?

保険証券の体裁は保険会社によって違いますが、記載されている内容はおおむね同じです。下記の保険証券の例で、どのような内容が記載されているのかを見てみましょう。

保険証券を見るとき特に大切なのは、「保険種類(終身、定期、医療など)」「保障内容(保険金額や保険金が支払われる場合)」「保険期間(保障はいつまであるか)」の3点です。

<表1>生命保険証券の一例

【Aのエリア】
保険種類や契約者などに関する基本的な情報です。例では「終身保険」という種類の保険になっていますが、これは主契約のみの名称です。定期保険が特約で付いていますので、実際には「定期保険特約付終身保険」になります。

【Bのエリア】
毎回の保険料や、払込方法(月払・年払、口座振替・クレカ払など)が記載されています。主契約と特約、それぞれどれくらい保険料を払っているのかはここを見ます。

【Cのエリア】
主契約である終身保険についての情報です。死亡したときに支払われる保険金は500万円、保険料の払込期間は65歳までであることがわかります。保険期間は終身となっていますので、保険料の払い込みが終わったあとも保険をやめない限り保障は続きます。

【Dのエリア】
死亡保障や医療保障など、特約についての情報です。どれくらい保険金が受け取れるのかは保険金額の欄を見ます。例えば、一番上に記載されている定期保険特約の保険金額は3,000万円です。つまり、死亡した場合は主契約の終身保険500万円と合わせて、合計3,500万円の保険金が受け取れます。

気をつけたいのは、特約の保険期間です。主契約は終身でも、特約は一定期間で更新する場合もあります。例では、10年と記載されていますので保障は10年間で満了になり、その後も続けるには更新が必要です。保険料は更新時点の年齢で計算され、同額の保障で更新すると保険料はアップします。

なお、保険証券にはすべての情報が記載されていない場合もあります。保障の詳細は、保険契約前に提案された保険設計書などにも記載されています。証券を見るときには、あわせて参考にするとよいでしょう。

●保障が思っていたのと違っていたら?

保険証券をひと通り確認したら、自分が考えていた保障内容と合っているか考えましょう。「こんなにたくさん保障がついているとは!」と感じる一方で、「こんなときの保障もあると思っていたのに……」と感じることがあるかもしれません。

とはいえ、保障は多すぎても、少なすぎてもいけません。少ないといざというときに家計が守れなくなりますし、たくさんの保障をつけても、何も起きなければ多すぎる保障の分だけ保険料がむだになります。

保険に入ったときは独身でも、その後結婚や子どもの誕生などがあれば、必要な死亡保障は不足している可能性があります。保障内容が適正かどうかは、家族構成や家計、加入している社会保障制度(健康保険・年金など)によって異なります。

まずは保険証券を読み解き、内容を点検して保障に不安を感じるところがあれば、保険の専門家でもあるファイナンシャル・プランナーに相談しながら早めに保険の見直しを進めましょう。

※このコラムは執筆者個人の見解であり、弊社の公式見解ではありません。 また、2018年4月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。