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【2020年】NISA・iDeCo今始めるべき?今後の改正ポイントを徹底解説

【2020年】NISA・iDeCo今始めるべき?今後の改正ポイントを徹底解説

 「2020年こそNISAやiDeCoを始めたいけど、制度改正があると聞いた。今始めても大丈夫?」
「NISAやiDeCoの制度改正の内容はどうなっているの?」 

 などと思い、情報収集をしている方もいらっしゃるでしょう。 
 結論から言うと、NISAもiDeCoもいずれ制度改正され、より使いやすくなります。 

 今始めても、何の問題もありません。 
 むしろNISAやiDeCoで資産形成を考えているのであれば、できる限り早いほうが良いでしょう。

当記事では、 

  • NISAとiDeCoの改正内容
  • 2020年にNISAやiDeCoを始める際のポイント
をわかりやすく解説していきます。
「改正のニュースを聞き、NISAやiDeCoを始めるタイミングで悩んでいる」という方はぜひ、参考になさってください。

■【2020年度税制改正】NISAとiDeCo改正内容まとめ


 2020年度の税制改正大綱(2019年12月発表)では、NISAの各種制度とiDeCoを含む確定拠出年金制度の改正案が発表されました。 
 改正法案が国会で可決され、2020年4月に改正法案が施行されました

ここではNISAとiDeCoの改正内容について、それぞれわかりやすく解説していきます。

【NISA】一般NISAは2024年に大きく見直し、つみたてNISAは期間延長



 2020年現在、NISA(少額投資非課税制度)には3つの制度があり、それぞれ改正ポイントは異なります。 
 各制度の改正ポイントを下記表にまとめましたので、ご覧ください。 

2020年度税制改正 NISA各種制度の改正ポイント 

現行制度の概要2020年度税制改正のポイント
一般NISA【20歳以上】・年間120万円までの投資に対する運用益が5年間非課税・口座開設可能期間は2023年まで・2024年に2階建ての制度へ大きく見直しされ、口座開設可能期間が2028年まで延長される【2階建ての概要】1階と2階で投資対象商品や非課税投資額が分かれており、原則、2階の非課税枠を利用するためには1階での積立投資を行う必要がある※NISA口座を開設していた者や投資経験者が2階で上場株式のみに投資する場合は、1階での積立投資は不要になる・2階:年間102万円までの運用益が5年間非課税・1階:年間20万円までの運用益が5年間→終了後は「つみたてNISA」への移行が可能
つみたてNISA【20歳以上】・年間40万円までの投資に対する運用益が20年間非課税・口座開設可能期間は2037年まで・口座開設可能期間が2042年まで延長される
ジュニアNISA【0歳~19歳まで】・年間80万円までの投資に対する運用益が5年間非課税になる・口座開設可能期間は2023年まで・口座開設可能期間の延長はなく、予定どおり2023年で終了
出典:「令和2年度税制改正について-税制改正大綱における主要項目-」(金融庁)

2020年度の税制改正で大きく変わるのは、上場株式などにも投資できる一般NISAです。 
 つみたてNISAは現行口座開設可能期間が5年延長になっただけ、ジュニアNISAについては延長もなく2023年に終了という形になりました。 
 なぜこのような内容になったかと言うと、「少額からの積立・分散投資をさらに促進させたい」という国の狙いがあるからです。 

 現行のNISA制度は短期的な株式取引に使われることもあり、若年層の資産形成には向かないと指摘されることもありました。 
 そこで今回の税制改正では、一般NISAでもつみたてNISAでも、少額からの積立・分散投資がより多くの世代に浸透するような改正がなされたのです。

2024年からの新・一般NISAでは、原則として 

  • 1階部分の積立投資(現行のつみたてNISAと同様の金融商品が対象)をしなければ、2階部分の投資枠(上場株式など)を利用できなくなる

 とされています。
株式取引メインで投資したい方にとっては、非課税投資枠が減額になる点をマイナスに感じるかもしれません。 
 しかし従来は2023年で終了するはずだった一般NISAも、新NISAの誕生により2024年以降もロールオーバーできるようになるのはうれしいポイントです。 

 NISAのロールオーバーとは5年間の非課税期間満了後に、非課税投資枠で保有している金融商品を翌年のNISA非課税投資枠へ移すことで、再度5年間非課税で運用できるようにする移管手続きです。 
 つまり非課税期間を延長できるようになるので、より長期の投資が可能になります。

株式取引メインでNISAの利用を考えている方も、これからNISAを始めたいと思っている方も、長期投資でより資産を成長させやすくなったという点は、大きなメリットではないでしょうか。

【iDeCo】加入要件が緩和。すべての会社員が加入できるようになる


 2020年3月現在のiDeCo(個人型確定拠出年金)は、加入できる方の要件に制限があります。 
 そこで2020年度の税制改正では、確定拠出年金制度を見直し、すべての会社員が加入できるように見直しされることになりました。
その他、iDeCo改正のおもなポイントを3つに分け、下記表にまとめましたのでご覧ください。 

 <2020年度税制改正 iDeCo・確定拠出年金制度の改正ポイント> 

現行制度の概要2020年税制改正のポイント
①iDeCo加入要件の緩和企業型DC(401k)加入者については、企業の規約で定めがなければiDeCoに加入できない企業型DC加入者も、企業の規約の定めなしでiDeCoに加入できるようになる→すべての会社員がiDeCoに入りやすくなる
②iDeCo加入年齢の拡大60 歳までしかiDeCoに加入できない国民年金被保険者であれば最大65歳まで加入できるようになる→再雇用制度を利用して65歳まで働いている厚生年金の加入者は、65歳までiDeCoに加入できるようになる
③iDeCoの受給開始可能期間の延長iDeCoの受給開始時期は、60歳~70歳の間で選択する→受給開始時期を75歳まで延長して選択できるようになる


 ※上記の表では、2020年度の税制改正でとくに主要なポイントになるものだけを抜粋しています 
 出典:「社会保障審議会企業年金・個人年金部会における議論の整理に関する参考資料」(厚生労働省) 
 「社会保障審議会企業年金・個人年金部会における議論の整理」

2020年度の税制改正のおもなポイントは、 
  • ①の改正により、すべての会社員がiDeCoに加入できるようになる
  • ②③の改正により、高齢者が長く働く社会の変化にあわせて、iDeCoの加入年齢や受取開始時期も延長になる

 というものです。
とくにすべての会社員がiDeCoへ加入できるのは、大きな変更点ではないでしょうか。

日本国内の多くの企業では、退職金制度として企業型DC(企業型確定拠出年金、401kとも言う)を導入しています。
しかし従業員のiDeCo加入を認めている事業主はごくわずかで、2019年3月末現在、事業主の約4%しか加入を認めていません※1。 

 そのため勤務先に企業型DC制度がある会社員の多くは、iDeCoと企業型DCを併用することができなかったのです。 
 今回の改正によってiDeCoと企業型DCの併用が認められれば、より多くの会社員がiDeCoを活用できます

またiDeCoの加入年齢や受取開始時期の延長では、「できる限り長く働いて年金受給額を増やしたい」という方も活用しやすくなるのではないでしょうか。 
 いずれにしても、幅広い世代の方がiDeCoをより活用しやすくなるのは、大きなメリットと言えます。 
 ※1 出典:「社会保障審議会企業年金・個人年金部会における議論の整理に関する参考資料」の「企業型DC加入者の個人型DC(iDeCo)加入の要件緩和」を参照

■2020年にNISAやiDeCoを始めるときのポイント


 2020年の税制改正ではNISAとiDeCoがより拡充され、人生100年時代に向けた資産形成を促進するものになっています。そのため資産形成を考えている方は、少しでも早く始めることをおすすめします。

しかしiDeCoとNISA、どちらを利用すべきなのか悩む方も多いですよね。 
 iDeCoもNISAも、それぞれの口座内での運用にかかる運用益が非課税になるという点は共通しています。 
 しかし元々の制度内容は異なるため、資産形成の目的にあわせて適切な制度を選ぶことが大切ですよ。

NISA活用のポイント


 ここでは、NISAのうち2023年以降も利用できる一般NISAとつみたてNISA活用のポイントを解説します。 
 一般NISAとつみたてNISAは、運用期間中いつでも資金が引き出せるのが特徴です。 
 非課税期間が5年の一般NISAでも、上述したとおりロールオーバーを活用すれば5年以上非課税投資が可能です。

そのため一般NISAやつみたてNISAは、 

「住宅ローンの繰り上げ返済資金を貯めたい」「子どもの教育資金を貯めたい」「とくに使い道は決まっていないけど、投資を始めたい」


 という方におすすめです。
ただし一般NISAもつみたてNISAも、運用対象になるのは投資信託や上場株式などの投資性商品です。 

 元々若年層の投資による資産形成を促進するための制度なので、元本確保型商品はなく、運用にはリスクが伴います。 
 投資のリスクに不安がある場合は、投資にくわしいファイナンシャル・プランナーなど専門家に相談し、不安を解消してから始めるようにしてください。

iDeCo活用のポイント



 iDeCoは老後資金の形成を目的としている私的年金制度で、掛金が全額所得控除の対象になる、節税効果の高さが大きな特徴です。 

 節税効果が高いのは非常に魅力的ですが、運用した資金は原則、60歳になるまで引き出すことができません
そのためiDeCoは原則 

「老後資金を貯める」という目的のもとで、無理のない範囲で長く続けること

 をおすすめします。
節税効果を意識して運用する場合は、住宅ローン減税やふるさと納税など、各種所得控除との兼ね合いも確認したうえで活用することが大切です。 
 とくに住宅ローン減税を受けていて所得税・住民税のほとんどが還付・軽減されている方の場合、iDeCoを活用しても節税効果には限りがあります。

(※ただし、課税所得を引き下げて保育料を引き下げるなどの目的で活用する場合には、効果がある可能性も) 
 節税目的で活用する場合は税制に詳しいファイナンシャル・プランナーに相談するなどして、慎重に掛金額を決めるようにしてくださいね。

■まとめ


 2020年度の税制改正では、より多くの世代がNISAやiDeCoを活用し、長期的な資産形成をしやすくするための制度拡充が行われます。 
 この制度拡充は、「人生100年時代を生き抜くためには、個人の自助努力がより重要になってくる」という国のメッセージです。 
 公的年金だけに頼れなくなっている今、NISAやiDeCoなどの各制度を活用してどのように資産を形成していくのか、個人個人でしっかり考え、実行していくことが大切です。

ただ制度の内容は理解しても、いざ投資性商品などを活用して資産形成を始めるとなると、いろんな不安が出てきますよね。 
 不安があるときは、投資や資産形成、各種税制にくわしいファイナンシャル・プランナーなど、専門家に相談するのも一つの方法ですよ。 

 最近は、無料相談を受け付けているファイナンシャル・プランナーも多くいます。 
 この機会に今後の資産形成について、相談してみてはいかがでしょうか。

※この記事は2020年4月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。 

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