経済

【個人でできるESG投資3選】長期投資するならESGについて知っておこう

【個人でできるESG投資3選】長期投資するならESGについて知っておこう

投資の世界で見聞きする機会がふえたESG 投資。

たとえば、再生可能エネルギーの利用に力を入れているなど、環境や社会貢献などの意識が高い企業を評価して投資する手法が ESG 投資です。

ただこれだけ聞いても、漠然としていてわかりにくいかもしれません。

「環境問題や社会貢献は大切だけど、それがどう投資の利益に直結するのか」
と思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし、ESG 投資とはもともと、長期の視点で企業の将来性を評価し、リスクを抑えて安定した利益を求めるものです。
そのため「リスクを抑えて長期投資をしたい」方には、ESG 投資の考え方が役立つはずですよ。

当記事では ESG 投資とは何かを解説しながら、個人でできる ESG 投資の方法をご紹介します。

「つみたて NISA や iDeCo で長期投資に関心を持っている」
「できる限りリスクを抑えて、安定した投資をしたい」
という方は、参考になさってください。

■ 今さら聞けない ESG 投資とは


ESG 投資とは、「環境(Environment)」「社会(Social)」「企業統治/ガバナンス(Governance)」を重視した経営の企業や銘柄を評価する投資手法です。

従来、投資家が企業の成長性を評価する指標は、企業の売上や収益性といった財務情報がメインでした。

しかし近年では、
「単純に収益性がよいというだけでは、企業の将来価値ははかれない」
と考えられるようになってきました。

そこで出てきた新しい指標が、ESG なのです。

ESG 投資では、

「環境問題や社会貢献への取り組み意識が高く、企業の不祥事を防ぐ健全な経営をしている企業こそ成長性があり、長期的に事業を継続していける」

という考え方が根底にあります。

地球温暖化やオゾン層の破壊、海洋汚染など、世界的な環境問題は枚挙にいとまがありません。
そのためどんな企業でも、事業を展開していくうえで環境問題や社会的な課題を避けつづけるのは困難です。

今は利益が出ていても、将来的に環境規制によって事業が停止したり、不祥事を起こしたりする企業への投資は避けたいもの。
事業の継続に黄色信号が出ている企業を避けてリスクを抑え、長期の視点で投資効率を上げるための指標が、ESGなのです。

実際、私たちの公的年金積立金を長期運用している GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も、ESG 要素を重視した投資をしています※。

個人投資においても ESG 投資の考え方を取り入れれば、長期でリスクを抑え、安定した利益を目指せるでしょう。

※出典:「ESG 投資」(年金積立金管理運用独立行政法人ホームページより

■ 個人で手軽に ESG 投資をする 3 つの方法




個人でも ESG 投資の考え方を取り入れれば、長期の視点でリスクを抑えた運用を目指せます。

ただ個人で各企業の情報をあつめて ESG 要素の分析をするのは、大変な作業です。
そこでここでは、個人でも手軽に ESG 投資をはじめられる方法を 3 つご紹介します。

<手軽にESG投資する方法>

  • 1. ESG要素を重視した企業へ投資する投資信託を購入する
  • 2. ESG指数に連動したETF(上場投資信託)を購入する
  • 3. ESG要素を重視した企業が発行する株式や債券を購入する

それぞれ、わかりやすく解説していきましょう。

1.投資信託を購入する


ESG 投資をテーマにした投資信託を購入する方法です。

投資信託とは、ファンドマネージャーが ESG 評価の高い株式や債券を複数選定し、日々運用する商品です。
そのため自分で投資先を分析したり、選んだりする必要はありません。
また、ひとつの投資信託に複数の銘柄が入っているので、手軽に分散投資できるのも魅力です。

ただし投資信託の商品によって、ESG 投資の手法や銘柄選定の基準はさまざまです。
「ESG 投資」と名前がついていても、商品によって内容やパフォーマンス・リスクは異なります。各商品の運用方針などをじっくり比較したうえで、購入する投資信託を選びましょう。

2. ETF(上場投資信託)を購入する


ESG 指数に連動した ETF(上場投資信託)を購入する方法です。

ESG 指数とは、ESG の評価が高い複数の株式の価値をまとめて、数値化した指標を指します。そのため ESG 指数連動型の ETF を購入すれば、ESG 評価の高い企業が集まる株式市場全体に投資できるのです。

じつは公的年金の積立金を運用している GPIF も、ESG 指数を採用して投資しています。

<GPIFが採用しているESG指数>



  • FTSE Blossom Japan Index
  • MSCI ジャパン ESG セレクト・リーダーズ指数
  • S&P/JPX カーボン・エフィシェント指数シリーズ
  • MSCI 日本株 女性活躍指数(WIN)

画像・内容出典:「ESG投資」より「採用ESG指数一覧」(年金積立金管理運用独立行政法人ホームページより)


上記の ESG 指数に連動する ETF を購入すれば、GPIF と同じ指数に投資できます。
ETF 購入の際に、参考にしてみるのもよいでしょう。

ETF は証券取引所に上場している投資信託なので、基本的な仕組みは投資信託と同じです。ただ上場しているため取引価格はリアルタイムで変動しますし、株取引と同じ購入方法になる点に留意しましょう。

3.株式や債券を購入する


ESG 要素を重視した経営をする企業の発行株式や債券を購入する方法です。

ただ個人投資家が各企業の情報を集め、つぶさに分析していくのは大変な作業でしょう。
そこで参考にできる指標が、先ほど ETF の項でご紹介した ESG 指数です。

GPIF が採用している ESG 指数、「MSCI ジャパン ESG セレクト・リーダーズ指数 」のホームページでは、構成銘柄が公開されています。

上記の構成銘柄リストにある企業は、いずれも ESG の視点で評価が高くなっています。
リストを参考にして投資する企業を決め、その企業の株式や債券(社債)を購入するのもひとつの方法です。
ただ株式や債券を直接購入する場合は、ひとつの企業に集中投資しないように気をつけましょう。

投資信託や ETF であれば、ひとつの商品に複数銘柄が入っているため、自然と分散投資できるようになっています。
しかし株式や債券は、自分で複数銘柄を選定して購入しなければ、分散投資できません。
複数購入するためには、それなりに投資資金が必要になります。

株式や債券は、投資信託や ETF に比べて必要投資額が高くなる点に気をつけましょう。

■ まとめ




ESG 投資とは長期投資のリスクを引き下げるため、永続的に事業がつづけられる企業を見極める手法のひとつです。

この先地球温暖化などの世界的な環境課題が深刻になればなるほど、企業の社会的責任は厳しく問われるようになるでしょう。
もはやどんな企業でも、事業をながく継続・展開していくためには、環境や社会問題への取り組みは必然です。

とはいえ、ESG 評価が高い企業へ投資をしたからといって、短期で高いリターンを得られる保証はありません。

ESG 投資はあくまで投資先を選定する指標のひとつであり、安定したリターンを得るために、長期的な視点で取り組むものです。

どんな投資でも、リスクはゼロにできません。
しかし時間をかけ、できる限りリスクを引き下げることはできます。その方法のひとつが ESG 投資です。

つみたて NISA や iDeCo などで長期投資を実践している方は、この機会に ESG 投資の考えも取り入れ、長期の視点で投資に向き合うようにしてください。

※この記事は 2020 年 8 月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。

share
  • twitter
  • facebook
  • line

ファイナンシャル・プランナーが
あなたの家計を診断します

ファイナンシャル・プランナーは、現在の家計の状況・これからの予定(ライフプラン)をお聞きしたうえで、「お金のプロ」として、今後のライフプランを実現するための家計のやりくりや貯蓄方法を提案します。

相談相談