リタイアするときの保険の見直し方

リタイアの時期が近くなってくると、仕事人生の終りに達成感を感じたり感傷的になったりする反面、老後の生活に対する現実的な不安も出てきます。

 

老後を楽しむためには、潤沢な資金と健康な身体が必要不可欠ですが、一般的にがんなど生活習慣病の罹患率が跳ね上がるのは60代以降。また、老後生活資金に対する不安もぬぐえない人が多くなっています。

 

しかし、今まで家族のために働いてきたからこそ、リタイア後は自分のために人生を思う存分楽しみたいもの。リタイア後の生活を充実させるために、保険の見直しをしっかりしておきましょう。

リタイアして保険を見直す際にチェックしておくこと

リタイアする際に確認しておきたいのが、老後生活のシミュレーションです。
退職時にもらえる退職金額や年金の受給見込額など、「老後に入ってくるお金」と「老後に出ていくお金(生活費)」を予測しておけば、万一不足額が生じる場合も事前に対策を講じておくことができます。

 

<チェックポイント>
①各種借入状況の確認
∟晩婚の影響で、老後も住宅ローンの支払いや末子の教育ローンが残っている場合もあるでしょう。低金利でローンを組んでいても、長期にわたって借り入れしていると利息総額はかなりのものになります。退職金を資産運用に回して増やすよりも、繰り上げ返済をした方が利息分お得になる可能性も高いのです。
老後はできるだけ各種借入が残らないように、退職金で一括返済するなど具体的な返済プランを立てておきましょう。

 

②老後の収入確認
∟老後の年金見込額は、ねんきん定期便や日本年金機構が提供しているねんきんネット(利用申請が必要)で確認することができます。50代はねんきん定期便の様式が変わり、よりリアルな見込額がわかるようになっているので必ず確認するようにしましょう。また、老後も働くことを考えている場合は、ねんきんネットで細かい年金受給額シミュレーションをすることができます。働きながら受給額を増やす上手な方法を事前に確認しておきましょう。

リタイアしたら備えておきたい保険とは

リタイアに向けて必要なのは、死亡保障など家族のための保険ではなく、自分たち夫婦の老後のための保険です。

 

夫婦の老後のために必要な保険とは、「貯蓄」としてさまざまな支払いに対応できる保険といえるでしょう。

 

リタイア後には病気やケガ、介護などさまざまなリスクがあり、それらのリスクごとに対応できる保険があれば良いのですが、老後は収入に限りがある以上、保険にばかりお金を掛けるわけにはいきません。

 

老後はまず生活基盤を固めることが大切ですので、資産になる貯蓄型の保険を中心にそなえるようにしましょう。

 

 

<リタイアしたら備えておきたい保険>
・病気やケガの保障(医療保障):医療保険、がん保険
・老後の資産形成として:貯蓄性のある終身保険、個人年金保険、変額保険、外貨建て保険など

 

 

※この記事は2018年7月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。(2018年7月1日)

まとめ

【保険を見直すためのFPアドバイス】

老後にはさまざまなリスクがありますが、今からそのリスクに備えようとすると年齢が高い分保険料負担がかなり大きなものになってしまいます。
資産形成になる貯蓄型の保険を軸にしておけば、急な出費にも柔軟に対応できるようになるので、貯蓄型をメインに保険を備えるようにしましょう。
利率が高いときに加入した契約や、解約返戻金が高い“お宝保険”は継続してもっておく、退職金などまとまったお金があれば一時払で返戻率が大きく見込める保険に加入するなど、資産(貯蓄)を増やすことを前提に保険の見直しを進めましょう。