<FP相談事例>教育費負担が重くなり始めた40代Aさんご夫婦の保険の見直し

教育費負担が重くなり始める一方で、そろそろ健康上の不安が出てきたり、成人病なども気になるのが40代。

 

定期付終身保険の更新も含め、若いころに入った保険もそろそろ見直しのタイミングです。

■家族構成や現在入っている保険

まずは、相談者Aさん一家のご家族構成や家計・住まいの状況などと、加入している保険について整理しておきましょう。

 

<Aさんの家族構成>
夫 42歳・会社員
妻 41歳・パート
長女 16歳・高校1年生
次女 14歳・中学2年生

 

<その他DATA>
年収 夫:560万円、妻:90万円
住宅 持ち家

 

現在加入中の生命保険(保険料 月4万1000円)

被保険者 保険商品 保険金額 保険期間 保険料
定期付き終身保険 ・死亡保障3000万円(終身保険300万円+定期特約2700万円)
・医療特約 日額1万円
終身(特約は80歳まで) 1万5200円
医療保険 ・日額5000円 10年更新 3,800円
がん保険 ・診断給付金100万円
・がん入院 日額1万円
終身 4,000円
長女 学資保険 ・満期200万円 18歳 9,000円
次女 学資保険 ・満期200万円 18歳 9,000円

*保険料は目安額です

 

■現在の保険のお悩みや問題点

40代前半のAさん宅では、高校生と中学生のお子さんがいて、本格的に教育費負担が重くなってきています。夫婦とも健康ではあるものの、健康で保険に入れるうちに保険の見直しを実行したいと考えていたそうです。

 

現在の保険料は月4万1000円と高いものの、お子さん2人の学資保険(児童手当分で支払っている)も含まれているのでやむをえないと考えています。

 

具体的なお悩みは、そろそろ更新を迎える夫の定期付き終身保険をどうすべきかと、妻の医療保険やがん保険も20年近く前の契約で見直すべきでは?という点。また、夫の生活習慣病も心配になってきたため、保険料を上げずに、3大疾病などに備える保障も付けたいと考えているそうです。

■見直し後の保険は?

見直し後の保険(保険料 月3万8000円)

被保険者 保険商品 保険金額 保険期間 保険料
定期付き終身保険→払済にする ・死亡保障約200万円 終身 0円
収入保障保険 ・年金20万円 60歳満了 6,500円
終身医療保険 ・日額1万円
・三大疾病一時金 100万円
・先進医療特約付き
終身 8,400円
終身医療保険 ・日額5000円
・三大疾病一時金 50万円
・先進医療特約付き
・健康祝い金 5年ごと5万円
終身 5,100円
長女 学資保険→継続 ・満期200万円 18歳 9,000円
次女 学資保険→継続 ・満期200万円 18歳 9,000円

*保険料は目安額です

 

 

まず、夫の保険は、20年ほど前に加入した定期付き終身保険を「払済保険」にして終身保険のみ残します。というのは、終身保険の予定利率が2.75%と非常に高い時期のものだったので、終身保険部分は解約すべきではないからです。払済保険とは、その時の解約返戻金で買える小型の保険に変えることをいいます。いくらくらいの保険になるのかは保険会社で試算してもらう必要があります。

 

定期付終身保険が終身保険のみになってしまったので、不足する分を補うため、収入保障保険に加入します。万一のときには、毎月20万円の年金が受け取れる内容です。一時金で受取る方法も選択できます。

 

夫の医療保障は、終身医療保険に三大疾病一時金100万円、先進医療特約を付けた形になっています。この例は終身払いですが、保険料アップでも問題がなければ65歳払済が理想です。

 

妻の保険は、だいぶ前に加入した定期型の医療保険と終身型のがん保険でしたが、1本化することで保険料を抑えました。日額は5000円、がんを含む三大疾病時には50万円、先進医療特約付きになりました。さらには、ご本人の希望で健康祝い金特約(健康だと5年ごとに5万円が支払われます)も付けました。終身払いの設計ですが、少し保険料が上がっても耐えられる場合は、65歳払済などにできれば老後はラクです。

 

子どもたちの学資保険はそのまま継続です。昔入ったままで気になっていた保険を見直すことができ、しかも、保険料を少し抑えることができました。

 

※この記事は2018年7月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。(2018年7月31日)