<FP相談事例> 老後の保障が気になり始めたBさんご夫婦の保険の見直し

夫婦2人で40代を迎え、これから子どもを持つこともないだろうと考えると、気になり出すのは老後のことでしょう。

 

20代で加入した2人の生命保険は見直しドキといえます。

■家族構成と現在、加入している保険

相談者Bさんの家族構成・収入・住まいの状況と、加入している保険について整理しておきます。

 

<Bさんの家族構成>
夫 42歳・会社員
妻 40歳・パート

 

<その他のDATA>
年収 夫:630万円、妻:120万円
住宅 持ち家

 

現在、加入中の生命保険(保険料 月1万6,500円)

被保険者 保険商品 保険金額 保険期間 保険料
定期付終身保険 ・死亡保険金2,000円(終身保険300万円+定期保険特約1700万円)
・医療特約 日額5,000円
終身(特約は80歳まで) 1万2,000円
定期保険 ・死亡保険金1,000万円 20年 3,000円
定期型医療保険 ・日額5,000円 10年更新 1,500円

■現在の保険のお悩みや問題点

Bさん夫婦は、それぞれ20代で生命保険に加入しました。夫は定期付終身保険で、加入当時はシングルだったため、死亡保障は2,000万円と抑えめにし、日額5,000円の医療特約をつけました。

 

妻もシングル時代に定期保険と定期型の医療保険に加入し、後者は、1回更新しています。2人とも、子どもができたら見直せばいいと考えていたそうですが、子どもに恵まれず、見直しの機会がないまま今日に至りました。

 

このまま夫婦2人で生きていくことになるだろうと思うと、老後のことが気になり出したとか。夫は、がんや要介護、先進医療の保障がないのが気になるとのこと。妻は、医療保障の保障内容が古いのが気になり、要介護や三大疾病にも備えたいと思っています。

 

■見直し後の保険は?

夫の保険は、20年ほど前に加入した保険で、終身部分の予定利率は2.75%と高いので、終身保険のみ継続します。これだけでは、老後資金の準備はできないので、他の積立商品を併用しましょう。

 

定期付終身保険の定期保険特約を解約すると死亡保障が300万円だけになり、子どもがなく、妻もパートで働いているとはいえ、少なすぎます。そこで、定期保険で1,000万円・20年間をカバーしました。Bさんはタバコを吸わないとのことなので、非喫煙者は保険料が安くなるリスク細分型を利用すれば保険料を抑えられます。

 

医療特約は、病気・ケガともに5日以上の入院で5日目から保障という古いタイプであること、ご希望の要介護と先進医療の保障はないこと、保障期間は終身ではないことから、医療保険に加入して解約します。新規加入する医療保険は、終身保障で日帰り入院から保障の最新タイプで、先進医療特約と介護一時金特約をつけました。

 

がんも不安とのことなので、最新の治療に対応できるがん保険をセレクトしました。先進医療特約は医療保険についているので、がん保険にはつけませんでした。

 

妻は、死亡保障は特に必要ないと思われるので、定期保険を解約します。定期型医療保険は、保障タイプが古いこともさることながら、更新し続けるたびに保険料が上がっていき、80歳で保障がなくなってしまうことも心配です。女性は長生きする傾向が強いので終身医療保険がおススメです。

 

日額は今と同じ5,000円ですが、夫と同じように、先進医療特約、介護一時金特約をつけました。さらに、三大疾病も心配とのことなので、これも一時金が受け取れる特約でカバーし。掛け捨てにならない方がいいとのことなので、健康祝金もつけました。

 

夫婦2人の保険を見直した結果、保障が充実し老後も安心なプランに変えられました。ただし、保険料負担は増えました。

 

被保険者 保険商品 保険金額 保険期間 保険料
定期付終身保険
→終身保険のみ継続
・死亡保険金300万円 終身 3,000円
定期保険 ・死亡保険金1,000万円 20年 2,900円
終身医療保険 ・日額1万円
・先進医療特約(通算2,000円)
・介護一時金特約(100万円)
終身 5,300円
終身がん保険 ・がん診断一時金(100万円)
・がん治療給付金(100万円×5回)
・ホルモン剤治療(1回10万円)
終身 5,400円
終身医療保険 ・日額5,000円
・先進医療特約(通算2,000万円)
・介護一時金特約(100万円)
・三大疾病一時金(50万円)
・健康祝金(5年ごと5万円)
終身 5,800円

 

※保険料は目安額です

 

※この記事は2018年7月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。(2018年7月31日)