医療保険の選び方

医療保険とは、病気やケガで入院したり手術したりしたときに保障が得られる民間の医療保険です。

 

国民皆保険制度を取る日本では、公的医療保険制度の充実により、病気やケガの治療費にかかる負担はある程度保障されることになっています。

 

ではなぜ民間の医療保険が必要なのかというと、病気やケガで仕事や家事・育児に支障が出ることで生じる、さまざまな経済的負担を補填するためなのです。

 

民間の医療保険は、病気やけがの治療費に充てるためだけのものではありません。もしも今不自由な生活になったとき、治療費も含めて生活費の支払いに不安がある人は、医療保険で病気やケガに備えましょう。

■医療保険の種類

医療保険は、保険期間によって2つの種類に分けることができます。

 

<医療保険の種類>
定期型の医療保険……保険期間が一定期間と決まっているため、終身型に比べて保険料が割安な保険です。更新時には保険料が上がるため、長く続けていくと保険料負担が大きくなるものの、一定期間の保障だけ割安で持ちたい人に適した保険です。

 

終身型の医療保険……満期や更新がない終身型の保険で、加入時の年齢による保険料・保障内容が一生涯固定されます。保障内容が変わらないため医療技術の変化には対応しにくいという特性がありますが、保険料が変わらず生涯持てるという安心感を求める人に適した保険です。

■医療保険の必要性

上述したとおり、医療保険は病気やケガで自由に動けなくなったときの生活を経済的に支える保険です。

 

仮に3か月~6か月程度仕事や家事ができない状態でも十分に生活できるほどの蓄えがあるのなら、医療保険は不要かもしれません。

 

しかし、「預貯金に余裕がない」「子どものための教育資金に貯めているからできるだけ使いたくない」などの不安がある人は、医療保険でもしものときに備えておくと安心して普段の生活を送れるのではないでしょうか。

 

 

※この記事は2018年7月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。(2018年7月31日)

まとめ

■FPが教える!医療保険の賢い選び方

医療保険を選ぶときに欠かせないのが公的医療制度を始めとする手当や保障です。
公的医療制度の高額療養費制度は、医療費の自己負担額が一定額を超過すると、超えた額が払い戻しされます。また、会社員の人は病気やケガで一定期間仕事を休んだときに、加入中の健康保険から「傷病手当金」が給与の3分の2支給されます。

いずれも、仕事の状況や年収などで受けられる手当や金額が異なりますので、まずは自分が病気やケガで不自由な生活になったときに受けられる手当と、必要な生活費を確認し、医療保険の必要性や必要保障額を決めるようにしましょう。

また、一定期間の保障を割安な保険料で備えられる定期型医療保険は、就職したばかりの新社会人や、収入に不安がある若い世代におすすめですが、病気のリスクが高まる中年世代は、終身型がおすすめです。
病気になってしまった後では、保険に加入しにくくなります。健康な間にできる限りの備えをしておきましょう。