老後に備えたい
人生の三大資金といえば教育資金、住宅資金、老後資金といわれていますが、支出のタイミングがもっとも遅い老後資金は、これらの資金の中でも後回しになりやすい傾向があります。
教育資金や住宅資金など、先立つ費用を準備することも大切ですが、老後資金は必要になるまでの期間が長い分、時間をかけてコツコツ準備できる資金です。
時間をかけるからこそ、少額でも続けていくと大きな資金を準備することができます。保険をうまく活用すれば、保障に備えながら老後資金を準備することができます。
■老後の備えはいくら必要?
生命保険文化センターの調査(※)によると、老後に最低限の生活を送るための生活費は、夫婦2人で平均月額22万円。ゆとりある生活を送るための生活費は平均34.9万円となっており、いずれにしても公的年金だけでは賄うのが難しいといえます。
ただ、これはあくまで平均値です。実際の老後生活費は、夫婦2人の価値観や持ち家の状況、老後のライフスタイルによって大きく異なります。
「今は子育てやローン返済に必死で、老後の生活をどうするかまで考えられない」「年齢を重ねるにつれて価値観などが変わるかもしれない」など、まだ老後の生活についてじっくり考える余裕がない人は、老後は現役時代の生活費の6~8割はかかると想定し、準備を始めましょう。
老後資金が多すぎて困るということはありません。少しでも早く準備を始めれば、その分老後の生活を楽しむことができます。
※出典:生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成28年度
■老後の備えに適した保険商品
老後資金は準備期間が長い分、時間をかけて貯蓄機能を高められる保険が適しています。
<老後の備えに適した保険の種類>
生命保険 | 終身保険
|
一生涯保障が続き、一定期間継続すると払い込んだ保険料額より解約返戻金額が大きくなる保険です。
子どもが大きくなるまでの死亡保障と、老後の備えをバランスよく持つことができます。 |
外貨建て保険 | 保険料の支払いや受取を外貨でする保険で、円建て保険よりも高い利率を期待できる反面、為替変動リスクがあります。ただ、長期間継続することである程度リスクを軽減することができます。 | |
変額終身保険 | 保険会社の運用成果により保険金額や年金額が変動する投資型の保険ですが、死亡保険金額は最低保障金額が設定されています。
将来の受取額が運用成績によって変動するリスクがあるものの、毎月保険料を積み立てていくことでリスクを軽減することができます。 |
|
個人年金保険 | 老後資金の準備を目的としており、生命保険ではないため死亡保障よりも貯蓄を重視した保険です。
年金の受け取り方法などでさまざまな種類のものがありますが、一定の条件を満たすと通常の生命保険とは別枠で個人年金保険料控除が適用されます。 |
※この記事は2018年7月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。(2018年7月31日)
まとめ
世界的にも平均寿命が高い日本人の老後は、思っているより長いものです。
老後の人生を有意義なものにするためにも、老後資金はできるだけ早く準備を始めるようにしましょう。
ご紹介した保険は、時間をかければかけるほどリスクを軽減したり、受取額を大きくしたりできるという特徴がありますが、万一の死亡保障とバランスよく持つのであれば終身保険、利益を追求したいなら外貨建て保険や変額終身保険、確実に老後資金を備えたいという場合には個人年金保険がおすすめです。
老後資金形成を成功させるコツは、長期間続けることです。長く続けるに値する保険内容、保険料で、自分に適した保険を選ぶようにしましょう。