知っておきたい! がん保険の最新事情

がんは日本人の死因のトップですが、治療技術の進歩で「治せる病気」になりつつあります。

 

今や、がんは入院して治療する時代から通院で治療する時代に入っています。それに伴って、がん保険の保障内容も変化しています。最新の事情を知っておきましょう。

■がんは新たな罹患者も死亡者も増え続けている

2017年に、新たにがんに罹患する人は101万4,000人、死亡する人は37万8,000人と予測されています(出典:国立がん研究センター がん情報サービス「2017年のがん統計予測」より
)。

新たな罹患者と死亡者は、年々、増え続けています。

 

がんが日本人の死因のトップになったのは1981年のことで、それ以来、トップとなっています。(出典:厚生労働省 「平成29年我が国の人口動態」
以前は、がんは死に直結する「治らない・治せない病気」でしたが、診断・治療技術の進歩で「治る病気」になりつつあります。

 

がんの治療技術の進歩には目覚ましいものがあり、現在は、手術・放射線治療・抗がん剤治療の3大治療に、ホルモン剤治療を加えた4つの治療法を効果的に組み合わせて行う「集学的治療」が主流です。

 

これら治療は、日帰り入院や通院(外来)で行われることが増えているのが、最近の傾向です。すると、従来の入院・手術を前提として設計されているがん保険では、治療実態と保障内容がかけ離れすぎていて、いざというとき助けにならない可能性が。例えば、治療はすべて通院で行ったので受け取れたのは診断一時金だけだった、また、診断一時金の給付条件は診断確定+入院だったため1円も受取れなかったなどです。

■入・通院に関係なくがんで治療を受ければ支払われるのが特徴!

がんにかかったときの医療費に備えるために入っているがん保険がほとんど助けにならないのは困ります。特に、今後も、治療技術の進歩で医療費が高額化していくでしょうし、全額が自己負担になる先進医療を受ける可能性が高くなるでしょうから、がん保険での医療費の備えは欠かせない時代になったといえます。

 

そこで、ここ数年、多くの生命保険会社は、がん保険の保障を、治療実態に合った内容にモデルチェンジしています。

 

がん保険の設計は各社で異なりますが、主契約と特約でカバーできる保障は、診断一時金、3大治療+ホルモン剤治療、入院、通院、先進医療などです。特徴的なのは、診断一時金と3大治療+ホルモン剤治療です。

 

前者は、診断確定が給付条件で、複数回払い(2年に1回限度が多い)、回数無制限がスタンダードです。後者は、入院・通院に関係なく、治療を受けると支払われます。手術と放射線治療は回数無制限の商品が多いようです。抗がん剤治療とホルモン剤治療は回数無制限の商品もあれば、10回までに制限している商品があります。

 

従来のがん保険に加入している人は、早めに新しいがん保険に切り替えた方がいいでしょう。また、医療保険で備えているから大丈夫と考えている人は、がんで通院治療では機能しません。別に、がん保険に入った方がいいかもしれません。

 

なお、先進医療の保障は、医療保険につけてあれば、がんで先進医療を受けた場合も保障されます。

 

 

※この記事は2018年7月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。(2018年7月31日)