変額保険って、実際どうなの?

変額保険って耳慣れない言葉ですが、どんな保険なのでしょうか?

 

変額保険と呼ばれる理由や仕組み、メリット・デメリットなどを知っておきましょう。

■変額保険は保険金や解約返戻金などが変動する保険のこと

額保険の種類は、一生涯の死亡保障がある終身型(終身保険)と、一定期間の死亡保障がある有期型(養老保険)、年金保険の3種類で、保険料の払い方は、平準払い(月・半年・年払いなど)と一時払いがあります。平準払いは保険会社の営業職員や保険代理店で、一時払いは銀行などの金融機関の窓口で販売されることが多いようです。

 

さて、通常の生命保険は、保険料を「一般勘定」と呼ぶ勘定で保険会社が運用しています。そのため、契約時の保険金や解約返戻金などは確定している「定額保険」です。それに対して、変額保険は、「一般勘定」とは切り離した「特別勘定」で、契約者の指示によって保険料の大部分を運用します。つまり、保険料を運用するお財布が違うということです。

 

「特別勘定」には、投資対象やリスクが異なる投資信託(投信)が用意されており、その中から、契約者が投信の組み合わせや配分割合を決めて運用します。そのため、運用状況がよければ死亡保険金や満期保険金(有期型の場合)、解約返戻金、年金は増えますが、運用状況が悪ければこれらは減ります。つまり、保険金などが変動するから変額保険と呼ばれているのです。そして、運用の利益も損失も契約者に帰属する自己責任型の保険でもあります。

 

ただし、生命保険商品なので、終身型と有期型の死亡保険金は、どんなに運用状況が悪いときに死亡しても基本保険金(契約時の死亡保険金)が保証されています。年金保険は、一時払い相当額を年金原資として最低保証する商品があるようです。

■変額保険は各種費用がかかる

変額保険には、保険料から差し引かれる費用があります。主な費用は、保険関係費、資産運用関係費、解約控除です。

 

保険関係費は、保険契約の締結・維持・管理、死亡保障などに関わる費用です。資産運用関係費は、投信の信託報酬や信託事務の諸費用など「特別勘定」の運用に関わる費用です。この2つは、契約期間中はずっとかかり続けます。解約控除は、一定期間内に解約したときに差し引かれる費用です。

 

運用している投信を別の投信にスイッチングするときに手数料がかかりますが、年12回までは無料としている商品が多いので、頻繁にスイッチングしない人は気にしなくてもかまいません。

変額保険のメリット・デメリットは?

変額保険の最大のメリットは、運用状況がよければ保険金や解約返戻金、年金が増えることです。平準払いは、ドルコスト平均法を使うことになり、リスクを軽減できます。長期で運用すればインフレ対策になりそうです。また、終身型と有期型の死亡保障は基本保険金が保証されているので、死亡保障を確保しながら運用もできることになります。

 

一方、最大のデメリットは、運用状況が悪ければ、解約返戻金や満期保険金、年金が減ることです。元本を割ることも考えられます。また、保険関係費用がかかり、その分、運用に回す保険料が少なくなることもデメリットといえるかもしれません。

 

これらのことを考慮すると、ぶっちゃけ、運用だけしたいなら、保険関係費用がかからない分、投信の方がよさそうです。死亡保障も必要だとしても、有期型は満期と運用状況が悪いときが重なると元本割れするかもしれないので、あまりおすすめできません。死亡保障も必要で運用もしたいなら終身型が、年金が欲しいなら年金保険がいいということになります。

 

ただ、商品の仕組みは複雑で、特別勘定の投信選びやスイッチングのタイミングなども難しいので、営業職員や保険代理店から、しっかり説明を受けて納得してから加入し、契約中も適宜アドバイスを受けることが大切です。

 

 

※この記事は2018年7月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。(2018年7月31日)