就業不能保険の選び方
病気やけがで「働けない」リスクに備える就業不能保険。医療保険でカバーしきれない「就業不能」というリスクに備えるための保険です。保障内容は非常に多様化しています。どう選べばいいか、ポイントを整理しました。
就業不能保険とは?
近年、リスクの1つとしてクローズアップされるようになったものに、就業不能保険があります。病気やけがで働けない状態に陥り、収入が途絶えてしまったときの経済的リスクに備えるための保険です。
会社員や公務員であれば、病気やけがで休業しても、最長1年6カ月は給与(標準報酬月額)の2/3を支給してくれる傷病手当金制度があります。しかし、制度を利用しても、休業が長期化して1年6カ月を超えると無収入になります。
また、自営業の場合はそもそもこうした制度自体がありません。さらに、不幸にも事故などで後遺障害が残った場合も、障害年金だけでは生活できないケースもあります。
最近は、こうしたリスクが小さなものではないと認識されるようになり、これに備える「就業不能保険」(単体・特約)が次々と登場しています。
特に、住宅ローンや教育費など固定費の負担が大きいご家庭にとって「就業不能」というリスクは重大です。そのため、住宅ローンの団体信用生命保険にも就業不能保障が付いたタイプが増えています。
就業不能保険のメリット・デメリット
就業不能保険には単体商品と特約があり、続々と商品が登場してきた一方で、保障内容はかなり多様化しています。この商品のメリット・デメリットを考えてみましょう。
メリットはやはり、一定の就業不能リスクに備えられるという安心感でしょう。そのため、就業不能になったときのリスクが大きい責任世代ほどニーズがあります。
一方、デメリットとしては、特約による保障の方が多く、気に入った就業不能保障が特約だった場合、主契約も加入しないといけない点が挙げられます。
※この記事は2018年10月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。
まとめ
保障が多様化する中、就業不能保険を選ぶ際のポイントとしては、次のようなものが挙げられます。
まず1つめは、支払条件。病気やけがの種類に関わらず、免責期間を超える入院または在宅療養が保障される商品がある一方で、障害等級〇級という条件に該当すると給付される商品や、中には、「3大疾病」や「5大疾病と介護」などに手厚くなっているものもあります。
2つめとして、逆に、出ないものも確認しておくといいでしょう。精神障害が出ない商品や、中には、妊娠・出産に関する障害は対象外となっているものもあります。
3つめとして、免責期間(保障が始まるまでの期間)が挙げられます。「30日」「60日」「60日と180日から選ぶ」ほかがあります。
最後にもう1つ、給付タイプも挙げられます。「就業不能が続いている間は給付される」のか、途中で就労しても「一定期間は給付される」のか、「保険期間満了までずっと給付される」のか…さまざまなタイプがあります。
自分自身の保障ニーズをはっきりさせることで、絞り込むことが可能です。就業不能状態が長期化しそうな病気やけががカバーされているかどうかをチェックすることは大事です。