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後見人は親族が望ましい!?最高裁が方針変更

高齢化の進展により、認知症高齢者は500万人を超えたといわれていますが、成年後見制度利用者数は約21万人(平成29年厚生労働省発表)です。成年後見制度は後見人選任がポイントですが、今年になり、「後見人は親族が望ましい」と最高裁が方針を変更しました。

 

 

■成年後見人の7割が専門職、親族は3割

成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神障害などにより物事を判断する能力が十分ではない人に家庭裁判所が選任した後見人がついて保護し権利を守るための制度です。

後見人は預貯金の出し入れや支払いなどの財産管理や、病院や施設の契約事務などの身上監護を行います。日常的な介護は行いません。

 

判断能力が衰え金銭管理ができなくなると、本人または4親等内の親族などが、本人の住所地の家庭裁判所に成年後見開始の申し立てを行います。後見人を選定するのは家庭裁判所で、子どもや兄弟だからといって選任されるとは限りません。親族後見人候補者が金銭管理に問題がある場合、他の親族と利益相反がありもめごとが起きそうな場合、反対している親族がいる場合、預貯金額など資産が多額な場合は、専門職後見人が選任されます。

 

厚生労働省「成年後見制度の現状」(平成29年度)によれば、親族後見人の割合は26.2%、親族以外は73.8%です。親族とは配偶者、親、子、兄弟姉妹、その他親族で、専門職後見人とは、弁護士、司法書士、社会福祉士、社会福祉協議会、税理士、行政書士、精神保健福祉士で、特に多いのが司法書士です。

 

後見人は一度選任されると不正を行うなど問題を起こさない限り解任できず本人や親族と合わない人でも変えてもらうことができません

 

 

■親族後見人と専門職後見人、どちらが適任?

2000年の成年後見制度開始当初は後見人の約9割が親族でした。ところが、親族後見人による使い込み、不正が続出し、社会問題となりました。これを受けて、成年後見の知識が豊富で煩雑な手続きなどに慣れている司法書士など専門職後見人が選定されるケースが増えてきました

 

しかし、専門職後見人は、司法書士や弁護士などの本業もあることから、金銭の出し入れには厳格でも、日常生活にまで十分な配慮が行き届くとは限りません。専門職後見人による横領・不正も相次いで報道され、親族後見人からは、金銭の出し入れもままならず、報酬だけはずっと必要と不満の声が上がっているのも事実です。

 

親族が後見人になる場合は、報酬は要りません。しかし、使い込みなどの不正を防ぐため、多くの場合家庭裁判所から成年後見監督人を付けられます。

成年後見監督人も司法書士や弁護士で、報酬が必要です。金額は裁判官が案件ごとに決めますが、月額1~3万円です。

 

 

 

■最高裁が「後見人は親族が望ましい」と方針変更

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これらの状況を受け、2019年3月成年後見制度利用促進専門家会議で最高裁と専門職団体との間で共有した後見人等の選任の基本的な考え方が発表されました

本人の利益保護の観点から、

「後見人となるにふさわしい親族等の身近な支援者がいる場合はこれらの身近な支援者を後見人に選任することが望ましい」と方針が変更されたのです。

 

後見人支援機能が不十分な場合は、成年後見監督人による親族等後見人の支援を検討する後見人選任後も後見人の選任形態等を定期的に見直し状況変化に応じて柔軟に後見人の交代や追加選任等を行うという2項目も加えられました

 

なお、預貯金額などが一定以上の場合は、「後見制度支援信託」も利用できます。日常的な支払いに必要な預貯金は後見人が管理し、通常使用しない金銭は信託銀行に信託するもので、費用は10~30万円です。手元資金が不足し信託財産から引き出す際は、家庭裁判所が発行する指示書が必要となるため不正防止になります。

 

 

■おわりに

専門職後見人の横領・不正はもちろん、親族等後見人による使い込みなどの不正は防止しなければなりません。しかし、介護を行っている親族が財産管理や身上監護も行えばスムーズに進むでしょう。認知症高齢者増加を背景に、親族後見人を増やそうとする最高裁の方針変更で、成年後見制度の利用が促進されていくことが予測されます。

※この記事は2019年11月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。

 

 

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