住まい
住宅購入時に利用できる補助金や減税制度とは?わかりやすくまとめてみました

結婚や出産を機に住宅を購入しようと検討した際、どうしても気にかかるのが費用の問題。
生活費はもちろん、子供の教育にお金がかかることもあって、自己資金や住宅ローンのやりくりに頭を悩ませている人も多いかもしれません。
しかし、住宅を購入する際に利用できる「補助金」や「優遇制度」があることをご存じでしょうか。
いずれも一定の要件を満たして申請することで補助金の支給がされたり、減税の対象となったりします。
そこで今回は住宅購入時に利用できる補助金や制度について、わかりやすくまとめてみました。
■住宅購入時に利用できる補助金制度6つ
ここでは2020年10月時点で住宅購入時に利用できる補助金制度を6つ、ご紹介します。
- すまい給付金
- ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
- 地域型住宅グリーン化事業
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- エネファーム設置補助金
- 市町村補助金
さっそく、ひとつずつ見ていきましょう。
すまい給付金
すまい給付金とは、消費税増税に伴う住宅取得時の負担軽減を目的として作られた制度です。
対象となる住宅は新築・中古を問わず、消費税増税がなされた平成26年4月以降に引き渡しが完了した住宅から、2021年12月末までに引き渡しおよび入居が完了した住宅を対象としています。
また、適用を受けるためには以下の一定の基準を満たさなければなりません。
- 引き上げ後の消費税率が適用されること
- 床面積が50m²以上あること
- 第三者機関の検査を受けた住宅であること
肝心な給付額ですが、消費税率8%の場合は収入目安が510万円以下の人を対象に最大で30万円、消費税率10%の場合は収入目安が775万円以下の人を対象に最大50万円の補助金が支給されます。
「給付額シミュレーション」では収入額や扶養状況に応じて目安給付額を知れるので、よければ利用してみてください。
また、すまい給付金制度は住宅ローン減税など、他の補助制度と併用可能です。
制度について詳しくは「すまい給付金のホームページ」にて、確認してください。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
ZEHとはNet Zero Energy Houseの略で、通称「ゼッチ」として知られています。
ゼッチを簡単にいうと、太陽光発電で生じたエネルギーと消費エネルギーがほぼ同じになる、つまりエネルギーの収支が0に近くなる省エネ性能に優れた住宅のことを指しています。
ゼッチの対象となる人は次の通りです。
- 戸建て住宅を新築する人
- 新築建売住宅を購入する人
- 既存住宅を改修する人(自己居住に限る)
そして、それらに該当する住宅が以下の要件を満たすことで、補助金の支給対象となります。
- 所有者が自ら居住の用に供する戸建て専用住宅である
- 登録されたZEHビルダー/プランナーが設計・建築・改修または販売している住宅であること
給付される補助金額ですが、該当するゼッチの要件によって異なります。
- ZEH:1戸につき定額60万円
- ZEH+:1戸につき定額105万円
- ZEH+R:1戸につき定額115万円
また、補助金は必ず全員に支給されるわけではなく、基本的には公募期間に応募した中から先着順で支給対象者が決定します。
支給額や要件など、詳しくは「ゼッチのホームページ」にて確認してください。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、住宅を長く大切に使うことを目的としたリフォームに対し、一定の補助金を申請する制度のことです。
補助金の申請においては複数のタイプが設けられており、戸建てのほかにマンションが対象となるものもありますが、今回の記事では通年申請タイプの「木造・戸建住宅」の場合を取り上げていきます。
まず、補助金の支給対象となる要件は次の通りです。
- 性能向上、3世代同居対応、子育て世帯向け改修のいずれかである
- リフォーム後の住宅が一定の性能基準を満たしている
- インスペクション(建物状況調査)の実施
- リフォーム履歴・維持保全計画を作成している
上記の要件を満たした場合に、最大で250万円の補助金が支給されます。(3世代同居対応に該当する場合は上限金額に50万円が上乗せされ、最大で300万円となる)
こちらも、詳しく知りたい場合は「令和2年度、長期優良住宅化リフォーム推進事業 概要資料(総合版)」を参照してください。
エネファーム設置補助金
住宅に家庭用燃料電池システム「エネファーム」を導入した場合、補助金の支給対象となる場合があります。
主な要件として、指定の補助対象エネファームを導入することに加え、それらを6年以上使用することが挙げられます。
支給対象金額は定額で最大4万円となっており、LPガス対応やマンションであるなど一定の要件を満たすことで3万円の追加補助がうけられます。
詳しくは、「補助金制度のご案内」にて確認ください。
市町村補助金
ここまでにお伝えした補助金制度以外に、各自治体によっては複数の部署でさまざまな支援制度を提供している場合があります。
住宅を購入する前に、当該地区の自治体でどのような補助金制度を設けているのか確認するようにしましょう。
リフォームなら電話や市区町村のHPで確認する以外に、「支援制度検索サイト」なども利用して調べることもできます。
■住宅購入時に利用できる減税制度
住宅購入時に利用できる減税制度として、「住宅ローン控除」があります。
住宅ローン減税とは、住宅ローンの利用時における金利負担の軽減を目的とし、毎年の住宅ローン残高の1%にあたる金額を10年にわたって所得税から控除する減税措置のことです。
なお、消費税が10%になったことに伴い、2019年10月1日から2020年12月31日までの間に居住を目的として住宅を購入した場合において、控除期間が10年から13年へと延長されています。
対象となる住宅は戸建ての形式や、新築・中古を問いません。基本的にほぼ全ての住宅が支給対象となり、増改築や大規模リフォームでも利用可能です。
詳しくは「住宅ローン減税制度の概要」にて確認してください。
(新築住宅対象)固定資産税の減税措置
新築住宅が対象となりますが、一定の要件を満たした場合に建物の固定資産税額が一定期間1/2に減額される措置があります。
減税期間は通常3年間ですが、3階建て以上の耐火・準耐火建築物は適用期間が5年となります。(認定長期優良住宅では7年間まで適用可能)
■住宅の購入を検討する場合はFPに相談してみよう
ここまで住宅購入時に利用できる補助金や、制度についてお伝えしました。
きっと、思っていたよりも多くの制度があったのではないでしょうか。
制度の多くは申請をしなければ利用することができません。
そのため、知らなかったことで損をしないよう、前もってしっかりと確認しておくことが大切です。
また、制度の利用を検討するにあたり、頼れる専門家にも相談してみましょう。
専門家の中でも、FPとも呼ばれるファイナンシャル・プランナーは個人のお金や家計の悩みに寄り添うことを得意とし、相談者に見合った解決策を提案してくれます。
住宅ローンはもちろん、保険や不動産についても相談に乗ってくれるので、ぜひ一度足を運んでみると良いでしょう。
今回の記事が、少しでもお役にたてましたら幸いです。
※この記事は2020年10月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。
執筆者
織瀬ゆり
某信託銀行退職後、フリーライターとして独立。
宅建士およびFPなど複数資格を所持しており、金融や不動産ジャンルを中心に幅広いジャンルで執筆活動を行っています。
プライベートでは2児の母として育児に奮闘中。