教育・子育て

【現役大学生の声】大学生の仕送りは家賃込みでいくら?平均額と実際の体験談をあわせて紹介

【現役大学生の声】大学生の仕送りは家賃込みでいくら?平均額と実際の体験談をあわせて紹介

子どもが遠方の大学に合格し、この春から一人暮らし。
こうした「自宅外通学」で気になるのは、毎月の仕送りではないでしょうか。

タイトルのとおり、自宅外通学の大学生への仕送り平均額は、家賃込みで毎月約7.3万円です。
ただし平均額の中には、家賃が高い東京の学生も、家賃が安い地方都市の学生も含まれています。
そのため平均額=適正額とは言いきれません。

そこで、この記事では仕送りの平均額と現役大学生の実際の仕送り額を紹介します。

家賃や仕送り以外にかかる学費や生活費についても、あわせて解説していきます。

「大学生になる子どもの仕送りをいくらにするか悩んでいる」
「1人暮らしをする子どもの大学生活にかかる費用を知りたい」

という人は、参考にしてください。

■【平均】自宅外通学の大学生にかかる費用




自宅外通学の大学生にかかる費用は、大きく分けて以下の2つです。

  • 毎月かかる費用(仕送りと学費)
  • 入学時にかかる費用(入学費用と自宅外通学の準備費用)

それぞれの平均額を見ていきましょう。

【平均】毎月の仕送り(家賃込み)と学費


自宅外通学の大学生への仕送り額と学費の平均は、毎月20万円前後です。

<【平均】毎月かかる費用の内訳>
  • 仕送り(家賃込み):月に約7.3万円
  • 大学の学費:月に約9.6万円~約16万円
【合計:月に約17万円~約23.3万円

まずは仕送りから見ていきましょう。
<大学生への仕送り平均額>
調査実施時期調査対象【学費抜き・家賃込み】大学生への仕送り平均額
2019年全国の国公立・私立大学の学部学生月額約7万3,000円(年額約87万6,000円)
出典:「第55回学生生活実態調査」(全国大学生活協同組合連合会)
家賃込みの仕送り平均額は、毎月約7.3万円です。

「これだけなら何とか払えるかも」と思うかもしれません。しかし、この仕送りは学費抜きの金額。

もし子どもが私立大学(文系)に通う場合は、このほかに毎月約12.7万円の学費がかかります。

続けて、大学の学費も見ていきましょう。
<【学校別】大学の学費平均額>
学校種別学費平均額※在学費用のみ
国公立大学月額約9万6,000円(年額115万円)
私立大学文系月額約12万7,000円(年額152万1,000円)
私立大学理系月額約16万円(年額192万2,000円)
出典:「令和2年度 教育費に関する調査結果」(日本政策金融公庫)
自宅外通学の大学生には、仕送りと学費で毎月約17万円~約23.3万円の費用がかかることがわかりました。

4年続けば、仕送りと学費の総額で800万円~1,000万円超になる計算です。
また大学初年度は、上記の費用とは別に学校納付金などを用意しなければなりません。
次項で解説していきましょう。

【平均】大学初年度にかかる費用


大学生が自宅外通学をする際、大学初年度にかかる費用は平均で約116.1万円~約134万円です

初年度にかかる費用の内訳は、以下のとおりです。

<【学校別】大学初年度にかかる費用>
学校種別入学費用平均額(学校納付金や受験費用、入学しなかった学校への納付金など※授業料などの在学費用は含めない)
国公立大学約77万円
私立大学文系約95万1,000円
私立大学理系約94万2,000円
自宅外通学を始めるための費用(アパートの敷金や家具購入費など)
約39万3,000円
出典:「令和2年度 教育費に関する調査結果」(日本政策金融公庫)
先述した仕送りや学費をあわせると、自宅外通学の大学1年目にかかる費用は300万円~400万円超

もはやサラリーマンの年収レベルです。
一度のボーナスや数か月程度の貯蓄で支払える金額ではありません。
「貯蓄が間に合わない」「どうしても足りない」という家庭もあるのではないでしょうか。

費用の捻出が厳しいときは、奨学金や教育ローンの活用も検討しましょう。

また大学や地域によっては、独自の助成金や奨学金制度が用意されています。

■【平均】1か月の生活費は家賃込みで約13万円



ここでは、仕送りによって自宅外通学している大学生の平均的な生活費を見ていきましょう。

自宅外通学の大学生の生活費は、平均で約13万円です。
しかし、先述したとおり家賃込みの仕送り平均額は約7.3万円。約5.7万円の生活費が不足してしまいます。

不足する生活費を補う方法は、おもに奨学金とアルバイトです。

生活費の内訳を見ていきましょう。

<【調査別】大学生の生活費平均額>
収入仕送り7万2,810円
奨学金2万900円
アルバイト3万3,600円
定職・その他2,550円
収入合計額12万9,860円
支出家賃(住居費)5万3,930円
食費2万6,390円
教育娯楽費1万2,870円
交通費4,070円
日常費7,620円
電話代3,550円
その他(貯金含む)2万660円
支出合計額12万9,090円(約13万円)
※アルバイトと生活費の出典:「第55回学生生活実態調査」(全国大学生活協同組合連合会)
上記のとおり、仕送り以外で不足する生活費をカバーしているのは奨学金とアルバイトです。
特にアルバイトをしている大学生は多く、同調査によれば約71.5%の学生にアルバイト経験があることがわかっています。

学生時代のうちにアルバイトで生計を立てるのは、金銭感覚を整える良い機会です。
就職前に社会経験を養え、職場でのコミュニケーション能力も鍛えられるので、得られるものは多いでしょう。

ただし、アルバイトに明け暮れて勉強がおろそかになっては本間転倒です。

勉強との両立に無理が出ないよう、ときには仕送りを増やす、食料・日用品を送るなどして、子どもの生活を支えるようにしましょう。

■【体験談】現役大学生の仕送りと家賃額



大学生への仕送り平均額は、家賃込みで約7.3万円でした。
しかし平均データには、家賃の高い地域に住む大学生も、家賃の安い地域に住む大学生も含まれています。

実際には、住む場所によって家賃を含む物価は大きく変わりますし、各家庭の状況もさまざまです。

そこで、ここでは現役大学生に取材した生活の実態を紹介します。
実際には、仕送りがいくらあれば生活できるのでしょうか。

【体験談①】愛知県の現役大学生

1人目は、愛知県で一人暮らしをしている大学生の生活費です。

現役大学生たきさん(男性・21歳)の声
「毎月の仕送り額は2.5万円~3万円くらいです。家賃は3.5万円で、アルバイト代と奨学金で支払っています。愛知と言っても、地方なので家賃は安いです。食費はバイト先のまかないを食べて節約しているので、食費と生活費の支出合計額は2.5万円くらいですんでいます。支出の残りはつみたてNISAにあてるなどして投資しています。」


<【体験談】愛知県に住む現役大学生の家計>
収入仕送り2万5,000円~3万円
奨学金5万円
アルバイト7万円~8万円
収入合計額14万5,000円~16万円
支出家賃(住居費)3万5,000円
食費・日用品など支出の合計2万5,000円
支出合計額6万円
※支出の残りは学費や投資に充当。

大学生ながらFP資格を持ち、独学で投資についての勉強もしているたきさん。

仕送りは平均額より少ないものの、奨学金とアルバイト代で生計を立てているそうです。
まかない付きの飲食店で働き食費を抑える堅実ぶりに加えて、学生ながらつみたてNISAもしているリテラシーの高さに関心しました。

たきさんいわく、「周囲の学生も仕送りや家賃額は大体同じくらい」とのこと。
仕送りというより、奨学金やアルバイトが生活の糧になっていることがよくわかりました。

【体験談②】東京都の大学へ通う現役大学生

2人目は、東京都で一人暮らしをしている大学生の生活費です。

現役大学生まめさん(女性・20歳)の声
「毎月の仕送り額は8万円で、家賃5.5万円は仕送りから出しています。
このほかにカフェのアルバイトで月7万円稼いで、生活費に充てています。
東京は物価が高いので、なかなか貯金できないのが悩みです。」

<【体験談】東京都に住む現役大学生の家計>
収入仕送り8万円
アルバイト7万円
収入合計額15万円
支出家賃(住居費)5万5,000円
食費・日用品など支出の合計8万円
支出合計額13万5,000円

奨学金の利用はなく、家賃も含めて月8万円の仕送りを得ているまめさん。
平均よりも仕送りは多いものの、物価が高いため、食費や日用品などを支払うと毎月の生活はぎりぎりだそうです。

まめさんいわく、「うちの大学だけかもしれないけど、東京の学生はお金持ちの印象。実家からの仕送りが10万円以上という人もざらにいる」とのこと。

愛知県の大学生たきさんと比べると、家賃や支出など生活費の状況は大きく異なります。
特に物価は地域によって左右するため、子どもの通う大学の場所でかかる生活費をシミュレーションしておくとよいでしょう。

■まとめ




自宅外通学する大学生への仕送りは、家賃込みで月平均約7.3万円。
不足する生活費は、アルバイトや奨学金で補っている大学生がほとんどです。

ただし生活費の実態は、通う大学の場所や家庭の状況によって異なります。
家賃3.5万円という大学生もいれば、家賃5.5万円という大学生もいます。奨学金を使うかどうかも、各家庭の考え方があるでしょう。

平均的な仕送りや生活費はあくまで参考として、各家庭に適した備えとやりくりを心がけましょう。

計画的な資金準備ややりくりが苦手な人は、ファイナンシャル・プランナーなど専門家の力を借りる方法もあります。

子どもが「遠方の大学を希望している」あるいは「数年後に大学進学を控えている」家庭は、この機会に専門家に資金計画を相談してみてはいかがでしょうか。


※この記事は2020年12月時点の法律・情報に基づき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。

執筆者

服部 椿

服部 椿

プロフィール:FP分野専門のフリーランスライター。
子育て中のママFPとして、子育て世帯に役立つ家計や投資、お金に関する情報を発信中。
保有資格:2級FP技能士

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