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まだ申請できる住宅購入支援制度とは?2021年に実施予定の制度も解説

まだ申請できる住宅購入支援制度とは?2021年に実施予定の制度も解説

■住宅購入を支援する制度が次々と終了


ここでは、増税時に実施・拡充された住宅購入支援制度のうち、すでに終了した制度について解説していきます。

住宅ローン控除の特例措置


住宅ローン控除とは、住宅ローンを借り入れて住宅を購入した人の、所得税や住民税の負担を軽減する制度です。年末時点における借入残高の1%分が、所得税や住民税から控除されます。

住宅ローン控除を利用できる期間は、最大で10年ですが、消費税の増税時に控除期間を、最長13年に延長する特例措置が実施されました。
「年末時点における借入残高の1%」と「建物の取得価格の2%÷3」のうち低い金額が、11年〜13年目の控除額となります。

しかし特例措置を適用するためには、以下の期日までに消費税10%が適用される住宅を取得する契約を結んだうえで、2020年末までに入居する必要があります。

ところが、2020年に新型コロナウイルスの感染症が世界中で拡大し、住宅の建築や増改築に使用する資材の搬入が遅れる事態に。
そこで下記の期日までに契約を結ぶと、入居要件が2021年末までに延長される弾力化措置が実施されました。

  • 注文住宅を新築する場合:2020年9月末
  • 分譲住宅・既存住宅を取得する場合、増改築等をする場合:2020年11月末

次世代住宅ポイント制度


次世代住宅ポイント制度とは、環境性能が高い住宅を新築・リフォームした場合にさまざまな商品と交換できるポイントが付与される制度です。

付与されたポイントには、1ポイント1円の価値があり、家具や家電、食料品など、生活をするうえで必要性の高いさまざまな商品と交換できます。

次世代住宅ポイント制度で付与されるポイントの上限は、以下のとおりです。

  • 住宅の新築:上限35万ポイント
  • 住宅のリフォーム:上限30万ポイント
しかし次世代住宅ポイント制度の受付は、2020年8月末をもって終了し、ポイントの交換も同年11月末に終了しています。

■2020年12月現在でも拡充されたすまい給付金は申請が可能




すまい給付金とは、収入が一定以下で住宅ローン控除の恩恵が薄い人でも、住宅購入時の金銭的な負担を緩和できるように実施された制度です。

すまい給付金の支給対象は、年収約510万円以下の人でした。給付額は最大30万円で、年収が高くなるにしたがって段階的に減少していきます。

消費税が増税された際に、支給対象者は年収約775万円以下の人に、支給額は最大50万円に、それぞれ拡充されました。

たとえば、以下の世帯において、夫が住宅ローンを組んで消費税10%が適用される住宅を購入した場合、すまい給付金の給付金額は40万円です。

  • 夫の年収:約500万円
  • 家族構成:会社員の夫と専業主婦の妻、中学生以下の子ども2人の計4人
  • 住宅の名義:夫
※実際の給付額は、都道府県民税の所得割額によって決まる給付基礎額に、住宅の持分割合をかけて計算します。

すまい給付金を利用できるのは、所定の要件を満たしたうえで2021年12月までに入居が完了した住宅の所有者です。申請期限は、住宅が引き渡された日から1年3カ月以内です。

■2021年以降に新たな住宅購入支援制度や給付金が実施される可能性




2020年は、消費税増税に実施された住宅購入支援制度の終了に加えて、新型コロナウイルスの感染が拡大しました。

住宅市場の冷え込みを懸念した住宅生産団体連合会(以下、住団連)は、自民党に経済対策要望を提出しました。

住宅市場は「内需の要」といわれるほど、日本経済において重要です。
また新型コロナの影響による外出自粛や、テレワークを推進する企業の増加により「仕事ができるスペースが欲しい」「防音性能を強化したい」など、人々が住宅に求めるニーズは大きく変化しました。

住団連が提出した要望書には、住宅市場の冷え込みを防止しつつ、人々の住宅に対するニーズの変化に答えるべく、かつてない規模の施策を実施すべきであると記載されています。

では住団連は、具体的にどのような施策を政府に提案したのでしょうか?
本項でくわしく解説していきます。

なお、ここでご紹介する制度は、あくまで住団連が要望したものであり、実施が確定しているわけではありません。

提案された制度の内容


住団連が提案した施策の内容は、主に以下の3点です。

  • 新しい生活様式ポイント制度の創設
  • 住宅ローン控除の拡充
  • 住宅取得資金等に係る贈与税非課税枠の拡大


新しい生活様式ポイント制度(仮称)とは、環境性能が高い住宅や新しい生活様式に適した住宅を購入・整備すると、最大200万ポイントが付与される制度です。

次世代住宅ポイント制度で獲得できるポイントは、最大で35万ポイントでした。
住団連の提案では、獲得ポイントが大幅に増加するだけでなく「テレワークスペース確保」や「地域の空き家活用」でもポイントが付与されます。

また要望書では、住宅ローン減税の控除期間を再び13年間とし控除額を全期間通じて「年末時点における借入残高の1%」へと拡充するように要請されています。

住宅取得資金等に係る贈与税非課税枠とは、親や祖父母などの親族から住宅を購入するための資金を贈与された場合、一定金額まで贈与税が非課税となる制度です。
契約を結んだ日と取得する住宅の種類によって、非課税枠は以下のように異なります。
契約の締結日省エネ等住宅左記以外の住宅
2019年4月1日~2020年3月31日3,000万円2,500万円
2020年4月1日~2021年3月31日1,500万円1,000万円
2021年4月1日~2021年12月31日1,200万円700万円
※省エネ等住宅とは、省エネ性や耐震性、バリアフリー性が一定の条件を満たした住宅
2021年以降も贈与税の非課税枠を3,000万円にするように、住団連は政府へ提案しました。

■2021年は住宅ローン控除の要件・変更や新たなポイント制度が開始される予定




住団連からの提案もあり、2021年には現行制度が改正されるだけでなく、新たな支援制度も開始されます。

住宅ローン控除制度の要件緩和・延長


2021年度の税制改正において、住宅ローン控除の控除期間を13年に延長する特例措置の入居要件が2022年末までに延長される予定です。

対象となるのは、以下の期間に契約を結んで住宅を取得した人です。

  • 新築住宅:2020年10月~2021年9月末
  • 新築以外の住宅:2020年12月~2021年11月末

また住宅ローン控除が受けられる床面積の要件が「50m²以上」から「40m²以上」に緩和される予定です。
夫婦2人世帯や単身世帯が住宅を購入した場合に、住宅ローン控除を受けやすくなるでしょう。

ただし、床面積50m²未満の住宅を購入した人のうち、住宅ローン控除を利用できるのは、年間所得が1,000万円未満である場合に限られます。

「グリーン住宅ポイント制度」が開始予定


グリーン住宅ポイント制度とは、環境性能が高い住宅を新築・リフォームし、所定の条件を満たした場合に、最大で100万ポイントを獲得できる制度です。

獲得したポイントは、1ポイント1円の価値があり、家具や家電、テレワーク設備の取得費用、防音工事の費用などに充てられます。

グリーン住宅ポイント制度では、認定長期優良住宅のような環境性能が高い住宅を新築した場合に、最大で40万ポイントが付与されます。

また、地方への移住者や子どもが3人以上いる世帯、災害危険地域から移転する人などは、追加で60万ポイントが付与され、合計で100万ポイントになる仕組みです。

次世代住宅ポイント制度が、最大35万ポイントであったことを考えると、獲得できるポイントが大きく増えたといえます。

住宅取得資金等に係る贈与税非課税枠の変更


住宅取得資金等に係る贈与税の非課税枠は、2021年4月1日以降に上限が1,500万円から1,200万円へ引き下げられる予定でした。

ところが2021年税制改正によって、2021年12月末まで非課税枠の上限は、引き続き1,500万円となります。一般住宅を取得する場合の非課税枠も、1,000万円に据え置かれる予定です。

■住宅購入支援制度を活用すると夢のマイホームを購入できる可能性も



2020年12月現在も、利用が可能な住宅購入支援制度はあります。
さらに2021年には、新たな制度が実施される予定です。
住宅を購入しようと考えている方は、ご自身が利用できる支援制度を活用すると良いでしょう。

しかしながら、住宅は非常に高い買い物です。住宅を購入したあとも充実した生活を送るためには、予算設定を事前に立てる必要があります。

住宅購入時の予算の決め方がわからない方は、お金に関するプロであるFPに相談してみてはいかがでしょうか。

FPに相談することで、あなたが購入できる住宅の価格や、住宅購入に最適なタイミングをアドバイスしてくれます。

※この記事は2020年12月時点の法律・情報に基づき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。

執筆者

品木彰

品木彰

保険、不動産、住宅ローンなどの記事を執筆するフリーランスライター
大手生命保険会社、人材会社の勤務を経て2019年1月にして独立。記名記事多数。
保有資格:2級FP技能士

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