住まい

住宅購入前に知っておきたい一戸建ての維持コスト|老後を見据えた資金計画を立てることが大切

住宅購入前に知っておきたい一戸建ての維持コスト|老後を見据えた資金計画を立てることが大切

多くの人にとって、一戸建てのマイホームを購入することは人生において大きなイベントであり、絶対に失敗したくない出来事でもあるでしょう。

ついつい頭金やローンのことばかり考えてしまいがちですが、忘れてはいけないのが維持コストです。

もちろん、マンションを購入した場合でも維持コストはかかるものの、一戸建てを所有した場合は修繕費用や税金などの維持費をすべて自身で負担しなければならず、修繕内容によってはそれ相応の費用がかかります。

そこで今回は、一戸建ての維持コストについてわかりやすくまとめてみました。
これから一戸建ての購入を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

■一戸建てにかかる修繕費について



購入当初は綺麗であった一戸建ても、そこに5年、10年と住むにつれて徐々に傷みや汚れが目立つようになります。

とくに一番人目につきやすい外観では屋根の葺き替えや外壁塗装が必要となり、戸建ての大きさにもよるものの、それぞれで100万円以上の修繕費用が発生することも珍しくありません。

また同時期に想定しておきたい費用として、エアコンの室外機の交換や室内クロスの張替え、トイレやお風呂といった水回りのリフォームなどが挙げられます。

お金に余裕がないからと工事を先延ばしにしてしまうと、修繕費が割高になるだけでなく、家自体の寿命を縮めてしまいかねません。

■修繕費は長い目で考えることが大切



一戸建てを建ててから10年ほどが経過した場合の修繕についてお伝えしましたが、これが20年、30年と経過するにつれて新たな修繕費が発生してきます。

もし、和室付きの一戸建てを建てたならば畳の張替えが必要となるでしょうし、和室がなかった場合でもフローリングの傷みやキズが目立ってくるでしょう。

また、場合によってはトイレやバスユニット、洗面台をはじめとした水回りの設備も交換が必要な時期になってきます。

水回りの工事はとくに費用が高額で、選んだ交換品や家の間取りにもよりますが200万円前後の費用が発生しても不思議ではありません。

一度にすべての箇所をメンテナンスするわけではないものの、数年おきにどこかの修繕が発生するとなれば、支払総額はそれ相応の金額に達するでしょう。

そのため、戸建てを購入したあとは毎月決まった額を修繕費として積み立てることが大切です。

■シロアリ対策も忘れずに


いま現在、日本の戸建て住宅の約90%は木造住宅となっており、安心して家に住み続けるうえでシロアリ対策は欠かせません。

しかし、普段の生活を送る中でシロアリを見かけることはほとんどなく、意識的に注意していなければ被害が深刻になるまで気づかないことが多いのも事実です。

シロアリは住宅の構造部分に被害を及ぼすことから、補修費用が非常に高額になります。

被害状況にもよるため一概には言えませんが、一般的にシロアリの駆除で10~40万円ほど、食害箇所の補修で10~100万円ほどの費用が必要です。また、被害場所が水回りである場合や補修工事が難しい場所であれば、さらに費用がかさんでしまいます。

また、地震等の震災発生時に家屋倒壊の原因ともなるため、戸建てを購入した場合は定期的にシロアリ対策を講じることを忘れないようにしましょう。

■工務店やハウスメーカーの保証に潜む落とし穴



まず、「住宅品質確保促進法」という法律により、新築住宅を引き渡してから10年間は瑕疵担保責任を負うことが定められています。

ここでいう保証とは、建物の構造部分である柱や土台に欠陥があった場合に限られ、多くの工務店やハウスメーカーでは別途独自の保証サービスを設けていることがほとんどです。

しかし、それらの保証サービスの多くはお金を払ってメンテナンスをしていることが条件となっていることが多く、長い目で見ると割高になるケースも見受けられます。

また、昨今では外壁塗装や屋根の葺き替えが不要であるなど、メンテナンスフリーを売りにしたハウスメーカーを見かけることもあるでしょう。

ただし、一般的に日本で馴染みのある木造住宅の寿命は30年と言われており、それ以上の年数をその家で過ごす可能性があるならば定期的なメンテナンスは欠かせません。

■長期的な視野で資金計画を建てよう



老後も安心して戸建て住宅に住み続けるうえで、メンテナンスは欠かせないものだとお伝えしました。

しかし実際は、メンテナンスが必要となる時期にこどもの教育資金や進学資金が重なってしまい、資金繰りが苦しくなってしまうケースも少なくありません。

そのため、そのときになって焦ることのないよう長期的な視野で資金計画を立てることが重要です。

とはいえ、自分たちだけで長期的な資金計画を立てることはなかなか難しいので、資金計画を立てるときはファイナンシャル・プランナー(FP)に相談することをオススメします。

FPに相談することで、マイホームをいつ・いくらぐらいで購入すべきかといった相談はもちろん、住宅ローンの返済を踏まえた資金計画を立てることができます。

ニッセンライフが運営するFPナビでは、相談実績並びに専門性の高いファイナンシャル・プランナーが多数在籍しているので、困りごとがあればお気軽にご相談ください。


※この記事は2021年3月時点の法律・情報に基づき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。

執筆者

織瀬ゆり

織瀬ゆり

某信託銀行退職後、フリーライターとして独立。
宅建士およびFPなど複数資格を所持しており、金融や不動産ジャンルを中心に幅広いジャンルで執筆活動を行っています。
プライベートでは2児の母として育児に奮闘中。

share
  • x
  • facebook
  • line

ファイナンシャル・プランナーが
あなたの家計を診断します

ファイナンシャル・プランナーは、現在の家計の状況・これからの予定(ライフプラン)をお聞きしたうえで、「お金のプロ」として、今後のライフプランを実現するための家計のやりくりや貯蓄方法を提案します。

相談相談