家計
夫のお小遣いを現金からキャッシュレスにして家計管理を改善できた話
「夫のお小遣いは現金だが、キャッシュレス決済にするべき?」
こうした悩みがある方、増えているのではないでしょうか。
お小遣いを現金で渡していると、以下のような悩みが出てきますよね。
- 現金だと支出を把握しづらい
- 本当に足りないのか、無駄遣いなのかわからない
- 結局、妥当なお小遣いはいくらなのか判断できない
実はFPである私自身、夫のお小遣いをどうするかは悩みの種でした。
FPといっても、夫婦間でお金に対する価値観は違います。
お互いがストレスを感じずにお小遣いを管理するのは、難しいことなのです。
今回は、そんな私が夫のお小遣いをキャッシュレス化して、夫婦で納得できる家計管理にできたお話をします。
「現金でのお小遣い管理で悩んでいる」方や「キャッシュレスで使いすぎるのではと不安」な方は、参考にしてみてください。
■夫のお小遣いで悩むポイントは「いつ・いくら・どのように」
夫のお小遣いで悩んでしまう理由は、「いつ・いくら・どのように渡せばいいかわからない」からではないでしょうか。
我が家も同じでした。
毎月、家計の財布から現金で私と夫のお小遣いを引き出して使っていたのですが、以下の問題が生じていたのです。
- 1か月に1回、現金で渡す→月の途中で使い切ってしまう
- 必要なときにお小遣いを渡す・クレジットカードを渡す→リアルタイムの支出が把握できず、使いすぎてしまう
- 結局「無駄遣い」しているのか「本当にお小遣いが足りない」のか、よくわからない
1か月に1回がいいのか。いくら、どのように渡すのがベストなのか。
お互い納得できる方法が、なかなか見つけられませんでした。
妥当なお小遣い額がわからないと、家計管理しづらいですよね。
「今月使いすぎたから、来月は抑えよう」という振り返りもできません。
かといってお互いの支出を細かく把握するようなことは、ストレスがたまるので避けたいところ。
こうした「いつ・いくら・どのように問題」を解消したのが、リアルタイムで支払い履歴がわかるキャッシュレス決済サービスです。
クレジットカードだと、使ったお店からカード会社へ支払い履歴が送られるまでにタイムラグが発生します。
そこで我が家では、使った履歴がリアルタイムでわかるキャッシュレス決済サービスを導入。夫婦で同じサービスのアプリを使い、各自のスマホで管理するようにしました。
夫のお小遣いも8割をキャッシュレス決済に切り替えたので、家計管理が非常に楽になったのです。
なぜキャッシュレスだと家計が楽になるのでしょうか。
次項でくわしく解説していきましょう。
■現金よりキャッシュレスお小遣いが楽な理由とデメリット
夫のお小遣いをキャッシュレス化して家計管理が楽になった理由は、以下6つのメリットにあります。
<メリット>
- リアルタイムで支払い履歴を確認できるサービスにしたので、何にお金がかかるか把握しやすい
- 貯まったポイント分だけお小遣いが増える
- 夫婦間で同じ決済サービスを使えば、いつでも簡単に送金できるので銀行から引き落とす手間がかからない
- お財布を落として、現金を失うリスクがない
- 支払いがスピーディになる
- 現金を触る機会が減るため、コロナ禍でも衛生面は安心
特に大きなメリットは、使ったお金の内容をリアルタイムで見える化できる点です。
筆者の家庭ではスマホで利用できるキャッシュレス決済サービスを使い、支払い履歴をアプリで確認できるようにしました。
現金やクレジットカードでは、「昨日買い物したもの」をすぐに把握できません。しかしスマホのキャッシュレス決済なら、アプリ上で昨日の買い物もすぐ確認できます。
家計簿アプリと連動すれば、何にいくら使っているのか、費目ごとの金額が一目瞭然です。
「月初は付き合いのランチ代が数千円かかっている」
「仕事帰りにシャンプーやティッシュといった買い物をしていて、地味に日用品代がかかっている」
「趣味で買っている雑誌や本にだいたい月○○円くらいかかっている」
など、支出の傾向がはっきりしたのです。
こうした支出の傾向を夫自身が把握できるようになったので、月に必要なお小遣いがいくらか検討をつけられるようになりました。
私が小言を言うまでもなく、彼自身で費目ごとの傾向を把握して支出を調整できるようになったのは、大きな変化です。
もちろんキャッシュレス決済には、以下2つのデメリットもあります。
<デメリット>
- すべてのお店で使えるわけではない
- セキュリティ面で100%安心できるわけではない
キャッシュレス決済が普及してきたとはいえ、現金のようにどこでも使えるわけではありません。ふだん使うお店で現金しか使えない場合は、現金とキャッシュレスの比率をうまく調整する必要があるでしょう。
とはいえ、簡単に使えない点がいい抑止力になることもあります。無駄遣いが気になる方は、あえて現金比率を減らすのも一つの方法かもしれませんね。
■【実録】夫のお小遣い管理をキャッシュレス決済にした方法
ここでは、実際に夫のお小遣いをキャッシュレス決済にした具体的な方法をお伝えしていきます。
我が家の方法は、以下のとおりです。
- ①最初にざっくりとしたお小遣い金額を決める(ここでは5万円と仮定)
- ②5万円のうち1万円は現金(2割)、4万円はキャッシュレス決済アプリ(8割)にチャージする形でお小遣いを渡す
- ③基本はキャッシュレス決済を利用するようにして、ふだんどおりの生活を送る
- ④週に1度キャッシュレス決済アプリの支払履歴を夫に確認してもらう無駄がないか・家族のための支出はないかを見て、夫婦で話しあってお小遣いを調整する
重要なポイントは、以下の二つ。
- キャッシュレス決済を積極的に使って利便性を実感してもらうため、ポイントのメリットをアピールする
- 家族のための支出と自分のための支出=お小遣いを切り分けて管理する
筆者の家庭では、マイナポイントをきっかけにキャッシュレス化を進めました。
マイナポイントは2万円チャージ・決済で5,000円分のポイントが付きます。さらに子どもがいれば、子どもの分も親にポイントを紐づけできます。
そこで、「子どもの分も紐づければ使えるお金(ポイント)が1万円上乗せになるから」と伝えて、キャッシュレス決済アプリを入れてもらいました。
実際に使ってみると、よく行くコンビニ・ドラッグストア・スーパーなら、十分キャッシュレス決済のみで事足りることに気付いたようです。
また家族のための支出が発生したら、その分は家計のお金から補填していました。
筆者の夫は、仕事帰りにドラッグストアでビールを買うことがあります。
その際、あわせて食器用洗剤や足りない紙おむつを買ってくれていたのですが、そうした買い物によってお小遣いがすぐなくなっていました。
家族のための支出があれば、お小遣いがすぐ減るのは当然です。
そこで、
- 自分のための嗜好品(ビール、趣味の本代など)=お小遣いの金額
- 家族のための支出(日用品や子どもの洋服代など)=家計から出す
この2つをしっかり区別して管理し、夫自身がお小遣いの適正額を把握できるようになったのです。
筆者は、お小遣いで重要なのはお互い不満を溜めないことだと思っています。お互い支出を監視してギスギスしてしまう方法は、長続きしません。
だからこそ彼が自分の支払いを主体的に見直しできるようになった点こそ、大きな収穫だと考えています。
■お小遣いにおすすめのキャッシュレス決済を選ぶコツ
ここでは、夫婦のお小遣い管理でキャッシュレス決済サービスを賢く選ぶ際のコツを解説します。
<キャッシュレスを賢く選ぶコツは5つ>
- 前払い方式である
- 支払い履歴がリアルタイムでわかる or 家計簿アプリと連動できる
- 夫婦間で送金しやすい
- 使えるお店の範囲が広い
- ポイント還元率より使いやすさを重視する
前払い方式とは、利用金額を事前にチャージできるプリペイド方式のことです。
Suicaやnanaco、PayPayのように事前に使う金額をチャージして使えるサービスが該当します。
筆者の家庭では、家計でメインに使っている銀行口座から簡単にチャージできるサービスを選びました。口座から現金を引き出す必要がないため、手間なくお小遣い管理できます。また前払い方式なら、使いすぎることもありません。
「お小遣いの適正額を把握したい」「支出に無駄があるか把握したい」「無駄遣いを防ぎたい」という方には、前払い方式のキャッシュレス決済サービスがおすすめです。
■まとめ
お小遣いの金額や管理方法に正解はありません。
大切なのは、お互いストレスをためずに続けられる方法を見つけること です。
筆者の家庭では、現金のお小遣いからキャッシュレス決済に切り替え、夫自身が支出を把握できるようにしました。
そこで「自分のための支出」と「家族のための支出」を切り分けて考えるようにしたため、お小遣いの適正額もわかるようになったのです。
シンプルな方法で、何のからくりもありません。
しかし夫婦で納得してお小遣いを使えるようになったので、我が家にとっては成功と言えるでしょう。
家計の改善方法は、いつだってシンプルです。
夫のお小遣いで悩んでいる方は我が家の例を参考に、夫婦で納得できる家計管理を見つけてくださいね。
※この記事は2021年4月時点の法律・情報に基づき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。
執筆者
服部 椿
プロフィール:FP分野専門のフリーランスライター。
子育て中のママFPとして、子育て世帯に役立つ家計や投資、お金に関する情報を発信中。
保有資格:2級FP技能士