家計
家計の見直し方は?貯蓄を増やすポイントを解説します!
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子供やマイホーム、車の購入、老後など将来のさまざまな問題を考えて貯蓄を増やしていきたいと考えたときに始めるべきなのは「家計の見直し」です。
家計の見直しには基本の手順があり、多少の改善はすぐにできるうえにそんなに難しくはありません。
今回は、家計の見直し方のコツやポイント、見直し方について解説します。
貯蓄を増やすためにポイントを押さえて、ぜひ家計の見直しを行っていきましょう。
まずは家計見直しの優先順位をつけてみよう
家計の見直しで大事なのは、毎月決まって出ていくお金である「固定費」をいかに減らしていくかということです。
いつも出ていくお金が少なくなれば、毎月余裕が生まれます。
出費の大きさやとりあえず目についたものから変えていくことよりも、必ず毎月出ていくお金は何かを追求していくのが家計の見直しで必要なルールです。
食費や外食費といった変動費を節約するのも大事ですが、最初にやるべきこととして試してみてください。
固定費はさまざまな種類がありますが、代表的なものから順に見ていきましょう。
代表的な固定費
住居費
家賃や住宅ローンが当てはまります。
家計で見直した際に効果が大きい項目なので、賃貸の方は、引っ越しも検討してみましょう。
引っ越し費用がかかったとしても、月々に支払うお金が減れば引っ越しの負担分以上に費用を抑えることができます。
一時的な出費ではなく、中長期的な視点で見て削ることを検討してみてください。
仕事や子供の学校も考えながら、費用と条件が折り合う場所を見つけましょう。
また、契約中の住宅ローンを見直すことも大切です。
年利が現在の金利水準よりも1%以上異なる場合、住宅ローン残高が1,000万円以上残っている場合は、住宅ローンを借り換えることで月々の負担が軽くなる可能性があります。
ただし、住宅ローンを見直すときには事務手数料などの諸費用がかかります。
金融機関サイトのシミュレーション機能や、住宅ローン相談窓口へ問い合わせるなど、借り換え前後の金額をしっかり確認するようにしましょう。
光熱費
光熱費は使用量が月によって異なるため、重要なのは基本料金の部分。
この部分は生活するうえで、必要になる費用です。
電気・ガスの自由化が始まってから、電力会社やガス会社を自由に選べるようになりました。ガスと電気をセットで契約すると割引されるプランや、電気を使用する時間帯によって料金が変わるプランなどもあるので、生活スタイルなどにあわせて基本料金の見直しをしてみましょう。
また、エアコンなどの消費電力が多い家電類は、最新型に買い替えることで電気代がお得になるケースがあります。
購入費用はかかるものの、その分年間の電気代を抑えられるので、長い目で見れば固定費を抑えられます。
通信費
スマートフォンやインターネットなどの基本料金が該当します。
月によって使用量は変わりますが、適切なプランになっているかを確認し、余分な出費が出ないようにしましょう。
たとえば、家にいる時間が増えて毎月の通信量が2GB程度なのに20GBのプランで契約している、通話アプリをメインに使っているのに通話し放題のプランに加入しているなど、生活スタイルと契約プランがあっていないということが考えられます。
また、光熱費と同様にスマートフォンとインターネットを同じ会社にすることで安くなるケースもあります。
契約する会社は、大手キャリアはもちろん、大手キャリアが運営するサブブランドや格安SIMがあるので、利用状況に応じて比較・検討しましょう。
すぐに手をつけやすく、効果も大きい項目なので確実に見直しをしておきたいところです。
保険料
保険はあくまでも万が一の備えです。
収入が少ない独身の新社会人、子供が生まれたばかりの夫婦、定年退職をした人、それぞれ必要な保障は違います。
必要な保障はすべて保険で備えるのではなく、公的保障で備えられる部分、貯蓄でまかなう部分、保険で備える部分に分けて考えることが大切です。
また、保険には学資保険や個人年金保険といったような保障だけではなく資産になるタイプもあります。
保険料を安くすることにこだわりすぎず、貯蓄と保障のバランスをとることで保険料の最適化を行いましょう。
教育費
ピアノや水泳などの習い事や塾などの月謝が該当します。
子供の将来に関わることなのでコストをかけてもよい点ですが、あれもこれもではなく、子供の希望や将来の進路も踏まえながら必要な習い事だけにしておきたい項目です。
さらに教育費は子供のためだけではなく、資格取得や書籍の購入など、自分自身の費用も含まれます。
キャリアやスキルアップを考えると削りすぎもよくないので、子供に対しても自分自身にも、必要な分の教育費は使うようにしましょう。
車関連費
車のローンや駐車場代などです。
場所によって車は必要不可欠でもありますが、利用頻度や利用シーンが限られるのであれば、カーシェアやレンタカーなどを活用することでコストを抑えられます。
買い物に必要という場合でも、場所によっては宅配や通販で済ませることも可能です。
多少割高になりますが、車を持った場合にかかるコストよりも抑えられるケースもあります。
その他のローン
金額の大きな家具・家財や電化製品など、リボ払いで支払いが残っているローンです。
ローンは利息がつくため、可能な限り利用しないか無利息のものを選びましょう。またローン回数を少なめにしておくこともおすすめです。
サブスクリプションサービス
動画配信サービスやスポーツジム会費などが該当する項目です。
使用せず料金だけ支払っているサービスはないか、定期的な確認が大事です。
また利用しているサービスも、利用頻度を考えて調整しましょう。
動画配信サービスであれば、いくつも入るよりも必要なサービスだけに入る。スポーツジム会費であれば、自宅でのトレーニングで完結できるようにするなどの方法もあります。
以上、見直しの優先度は家庭により異なりますが、住居費・保険料・通信費・教育費・車関連費は削りやすく、節約効果も大きい項目です。
月に1万円削れれば、それだけで年に12万円浮きます。まずはこれらの項目を見ていきましょう。
固定費を減らし終えたら、次に変動費を減らしていきます。
変動費とは、月ごとで使う金額が変わるものです。
代表的なものを順に見ていきましょう。
代表的な変動費
食費
家計の見直しで節約と聞くと、最初に出てくる項目が食費といえるでしょう。
ただ、食費は削りやすい半面、健康に影響が出てしまうということに注意が必要です。
将来を考えると、健康を害するほど食費を削ることは得策ではありません。
買い物は毎日するのではなく、まとめ買いにして回数を減らす、自炊で節約するなどであれば問題ないですが、むやみに食事回数を減らす、食事の量を抑えるといった方法にはシフトしないようにしましょう。
料理が苦手、買った食材を上手に使いきれないという場合は、宅食やミールキットを利用することもおすすめです。
自分で調理するよりも割高になりますが、食材を無駄にしてしまうことや調理時間をコストと考えると、外食が続くよりは安くなるかもしれません。
日用品費
余分な買い物をしないように、何が必要かをリストアップしておきます。
また、頻繁に使う日用品の値段をメモしておくと安いか高いかもすぐにわかりやすくなります。
娯楽費
減らしやすい変動費ですが、ストレス発散も大事な要素です。
無駄遣いにならないように、必要な娯楽だけに絞るようにしましょう。
外食費
食費よりも先に削りたいのが外食費です。
割高になりやすいので、月に外食で使う費用を定める、回数を決めるのがおすすめです。
飲食店だけではなく、コンビニやスーパーでお弁当を買った場合なども外食費として含めておきましょう。
医療費
健康を維持することが一番の節約になります。
もし通院や薬代などが定期的に必要になるのであれば、固定費として考えて見直してもよいです。
被服費
これまでに買った服をチェックして、実際に着用する頻度を考え、着回しに必要な点数を絞るのがよいでしょう。
服は消耗品でもあるので、買い替えは必須ですが、必要なものだけをしっかり購入するということが大切です。
美容費
メイクアップ・スキンケアのための化粧品、エステや美容室へ通うといった「美容費」は、どんどんお金をかけたくなる項目です。
美容室ではカットだけをしてもらってカラーは自分でやってみる、高価なメイク用品はプライベートのときだけ使うなど、必要なアイテムや美容室へ通う回数を考えて、納得がいくレベルで使うようにしましょう。
交際費
会社での飲み会や友人との食事などは、必要に応じて節約を心がけましょう。
「今月はいくらまでは使える」、「来月は大きな出費があるから1万円下げよう」など定めておくと節約もしやすいです。
変動費はその名の通り変動するからこそ、月ごとでの上限を設けるなどの工夫で支出をコントロールできるようにしましょう。
世帯別!家計見直しのポイント
それぞれの世帯によって必要なものは異なります。
世帯のケース別に見直しのポイントを見ていきましょう。
一人暮らしの場合
まずは貯蓄する目標を定めましょう。
一人暮らしは、自分のためにすべてのお金を使うことができます。だからこそ、貯蓄の目標を定めて工夫をしないと貯めるモチベーションが続きません。
何かを買いたいでもよいですし、投資をしたい、独立したいなど目標を決めておくのが効果的です。
もし困ったら、いくら貯めたいと金額を考えるだけでも十分です。
一人暮らしは固定費も変動費も調整しやすいので、金額だけではなく、「いつまでにいくら貯めたいか」と期間まで明確にすると、節約するのも楽しくなります。
共働き夫婦の場合
子供がいない共働き夫婦の場合は、基本的に生活に余裕が出やすいはずですが、もし現状で節約が難しいようであれば、固定費は一通り見直しをしたほうがよいでしょう。
注意点としては主に住居費と保険料の2つの見直しです。
手取りの30%ぐらいが適正とされる住居費ですが、共働き夫婦だと高めになります。生活の利便性や職場への移動などで高くてもよいという意図がない場合は、住居費は手取りの20~25%に抑えるほうがよいでしょう。
住宅ローンがある場合は、どちらかが亡くなった際に残った片方への負担が大きくなり過ぎないように割合を調整しておく点が大事です。
次に保険料ですが、共働き夫婦の場合、どちらかが亡くなってもすぐに経済的に破綻する可能性は低めです。
結婚後も独身時代に入っていた保険のままということであれば、結婚後のライフスタイルに合っているかも確かめておきましょう。
子供がいる家庭の場合
将来の教育費や住まいを考え、固定費の見直しから変動費の見直しまでしっかりと一通り行いましょう。
やみくもに貯金をするのでは、不安はなかなか解消されません。
子供を公立に進ませるのか、私立に進ませるのか、マイホームを持つのかなど、家庭によって貯蓄の目的は変わってきます。必要な金額を算出したうえで貯蓄していくことが大切です。
教育費に関しては、子供の進学タイミングがおよそ決まっているので、いつまでに・いくら必要なのかが見えるはずです。
家計を見直してねん出できるお金には限界があるので、単純に貯めるだけではなく「運用などでお金を増やすこと」も視野に入れて計画を立ててみましょう。
家計見直しの方法
家計を見直す際には、まず収入と支出をきちんと確認することが大切です。
まずは給与などの収入、生活をするうえでの支出を家計簿に記載しましょう。
紙の家計簿でも良いのですが、アプリを使う・インターネットのサービスを使う方法もおすすめです。家計簿は習慣化すると強力な見直しツールになりますが、記録し続けるには根気が要ります。なるべく楽に、続けられると思う方法を採用してください。まず1か月つけられれば、家計の見直し方法はいくらでも見つけられるようになります。
そしてもう1つ、家計の見直しで大事なこととして、家計に関わる全員が理解できている状態にしておくのを忘れないようにしてください。
一人暮らしは本人だけで大丈夫ですが、夫婦の場合はどちらか片方だけしか家計を管理・把握しないと思わぬトラブルを招きかねません。家計見直しはお互いの協力があったほうが上手に進みます。
固定費を削る際に、お互いの認識をすり合わせて必要と不必要なものを話し合ってみると、納得しながら削ることができるでしょう。片方しか把握していない場合、一方的な節約は不満を持たれる場合があります。
家計の見直しを何のためにするかと言えば「将来的な不安や悩みを解決し、日々の暮らしをよくするため」です。
オープンな状態にしておくことで余計なケンカや衝突はなくなります。
最終的な管理は夫か妻のどちらかがするとしても、お互いが今の家計状況を認識できるようにしましょう。
以上を踏まえたうえで、具体的な家計の見直し方法を見ていきましょう。
さまざまな方法がありますが、まずは実践しやすいものから順にまとめてみます。
レシートをすべて取る
家計簿をつけるために、まずは支出をすべて把握する必要があります。
クレジットカードでの決済をしている場合は、あとから利用履歴を確認する方法もありますが、同じお店で複数購入した場合は詳細がわかりません。
クレジットカードを使ったお店を見て、買ったものをすべて思い出せるのであればまったく問題ないのですが、レシートはまず取り溜めるようにしましょう。
家計簿で収入と支出を把握する
レシートを取れば、あとはこれを家計簿に打ち込んでいくだけです。
最初からすべて細かく仕分けをするのは難しいと思いますので、大まかに記載していきましょう。
収入は給与口座を確認。
家計簿をつければ、収入と支出が具体的になり、今月いくら赤字だったか黒字だったかが、すぐにわかるようになります。
家計の見直しは、まず現状をきちんと認識できるようになるところからです。
支出の項目が出そろったら、まずは固定費を減らしていくところから始めます。
削れる固定費を削り、次に変動費を削っていくだけです。紙の家計簿でもよいのですが、アプリも豊富にあります。続けることが大事なので、自分に合った家計簿を選びましょう。
ファイナンシャル・プランナー(FP)に相談する
家計の見直しをしていても、必要な支出や削るアイディアが出ない場合や、将来的な備えに対して適切な節約はどれくらいかがわからなくて悩む際は、FPに相談してみましょう。
家計簿をつけることで基本的な家計の見直しはできますが、老後資金や保険料、教育費など先々のことを考えて家計を見直すことはなかなか難しいものです。
自分がやっている節約や方向性が正しいかをお金のプロであるFPと一緒に答え合わせをするだけでも、将来への安心感が違います。
家計の見直しで悩んだら、FPに相談することで余計な手間をかけずに家計を改善できるのでおすすめです。
自分とプロの力を合わせて家計を見直そう
最初からFPに頼る方法ももちろんよいのですが、まずは自分でできる範囲で支出の確認や見直しをしてみましょう。
自分で考えて試した経験は、決して無駄になりません。自分なりに試していると、FPに相談する際に「どこでつまずいたのか」や「どこに不安を感じているのか」をきちんと説明できるようになり、解決策が見つかりやすくなります。
FPに家計相談をして解決できることとは
FPナビでは、FPとの面談やご要望に合うFPを探すサービスを提供しています。
FPとのご相談は何度でも無料なので、お気軽にご相談ください。
自分の実践とプロの知識を合わせることで、家計は確実によい方向に向かうはずです。
※この記事は2022年3月時点の法律・情報に基づき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。