教育・子育て

仕事と子育てを両立するポイントは?子育てと両立しやすいお仕事も紹介

仕事と子育てを両立するポイントは?子育てと両立しやすいお仕事も紹介


仕事と子育てはどちらも忙しく、おろそかにできないため、両立させるのはとても大変です。子育て中のトラブルやハプニングは日常茶飯事。だからといって、子育てに集中して仕事をおろそかにするわけにもいきません。仕事と子育てを両立している方のなかには、両方ともうまくこなす難しさを感じている方も多いのではないでしょうか。それでも、ちょっとした工夫を積み重ねれば、仕事と子育ての両立はぐんと楽になります。今回は、仕事と子育てを両立するコツや家事のポイント、両立に向いている仕事などを紹介します。

子育て世代は子育て・家事にどれくらい時間を使っているの?


世の中の子育て世代は、子育て・家事にどれくらいの時間を使っているのでしょうか。厚生労働省の「令和3年版厚生労働白書」(100人でみた日本、日本の1日)に、1つの答えが載っています。
 

6歳未満の子供を持つ親が育児・家事に費やす時間は、妻が7時間34分(454分)であるのに対し、夫は1時間23分(83分)。妻と夫の育児・家事時間には、なんと5倍以上の差があります。とくに女性は、通常の仕事と同じくらいの時間を子育て・家事に費やしているのです。

また、子育てにはトラブルやハプニングがつきものです。仕事にはまとまった休憩時間がありますが、育児中にランチ休憩が取れるかどうかは子供次第です。自分のペースで家事を進めることは難しく、食事やトイレも我慢しなければならない日々が続きます。子育ては、「自分の意思がほとんど通らない状況で、やるべきタスクが増え続ける」という特殊な環境です。このことからも、たとえ仕事と同じくらいの時間を費やしていようとも、6歳未満の未就学児を育てる肉体的・精神的負担が仕事よりも大きくなりやすいことは、容易に想像できます。

仕事と子育てを両立させるポイント


仕事と子育てを両立させるためには、どちらもうまくやり遂げるための工夫が欠かせません。ここでは、仕事と子育てを両立させるために、覚えておきたい考え方やポイントについて解説します。

「○○するべき」を手放す

「子供にはこう接するべき」「子供は2人以上生むべき」「正社員になるべき」など、理想を掲げることはすてきなことです。しかし、「○○するべき」という気持ちはいつしかプレッシャーとなって、自分を苦しめてしまいます。子供のころに掲げた夢を叶える方が一握りであるように、理想をすべて実現させるのはとても難しいことです。

真面目に育児・家事と向き合うのは素晴らしいことです。しかし、すべてを叶えるのは困難だと割り切りましょう。仕事と子育てを楽しく両立するうえで、「手抜きできそうなところでは手を抜く」と考えることも必要です。

子育てと両立しやすい仕事は?

仕事のなかには、どうしても子育てと両立できない職種もあります。そのため、子供が生まれたら仕事を変えるという選択肢も入ってくるでしょう。あくまでも一般論として、ここでは、子育てと両立しやすい仕事を紹介します。まず、仕事を探すときのチェックポイントは、以下の3つです。

  • シフト制など勤務時間・勤務日の融通がきく仕事
  • 子育て中の同僚がいる仕事
  • 体力的に続けられそうな仕事


上記3つを満たしている仕事の例として、以下のような職種があります。

飲食業


勤務時間や勤務日の自由度が高い仕事だと、真っ先に「飲食店」を思い浮かべるかもしれません。子育ての都合上、フルタイムで働くのが難しいため、なかなか雇ってもらえないこともあります。しかし、飲食店は勤務時間・勤務日のパターンが複数用意されているシフト制であることが多いため、都合に合わせてシフトを変更できます。
 
飲食店の主な仕事内容は、調理を担当するキッチンスタッフと、接客・配膳をするホールスタッフの2種類です。子育て中の方がシフトに入れるのは、子供を保育園や託児所に預けられる平日の日中が多いかもしれません。飲食店の平日のお昼は、お客さんが多くとても忙しい時間帯です。また、飲食業に多い学生アルバイトは、学業のある平日の昼間に時間の都合がつきません。そのため、平日のお昼頃の時間帯だけであっても歓迎されることがあります。「お店が求人を出している時間帯」と「自分の働きたい時間帯」がマッチしていれば、採用されやすいでしょう。

コールセンター

飲食店のように、勤務時間・勤務日のパターンが複数存在する業種として、「コールセンター」があります。コールセンターのシフトは複数に分かれているため、ライフスタイルに合わせたシフトを組むことが可能です。子供を保育園や託児所に預けて、日中に働くこともできます。また、子供を寝かしつけた後に、夜間に働くことも可能です。

コールセンターの特徴として、厳しく時間管理しているということがあげられます。勤務時間はすべて記録しているため、ほかの業種に比べて、残業時間が少ない職種でもあります。一方で、最後に電話を受けたときに対応が長引いて、予定していた退勤時間を過ぎてしまうということはあり得ます。ただし、働いている人の数が多いコールセンターでは、時間外労働で稼ぎたいという方に残業が割り振られるケースが多いです。そのため、子育て中の方に残業を命じることは、ほとんどありません。

軽作業スタッフ

工場や倉庫で行う軽作業には、保管されている商品を探して取り出すピッキング、荷物の梱包、検品検査、シール貼りなどがあります。軽作業スタッフはシフト制が多く、「週に2~3日だけ働きたい」「1日3時間だけ働きたい」といった時短勤務・曜日希望が通りやすい職種です。軽いものを扱うので、体力を必要としません。正確さや集中力が要求されることもなく、未経験でも働きやすいというメリットがあります。パートナーの扶養範囲内で働きたい、という希望を持っている方にも向います。

一般事務

ひとくちに「一般事務」といっても、会社や部署によって業務内容は異なります。データ入力や伝票処理、備品管理、電話・メール対応、来客対応など、一般事務の業務内容は多岐に渡ります。どのような業務でも、基本的にルーティンワークが多いため、ワークライフバランスを重視したい方にぴったりです。
 
また、正社員だけではなく、アルバイトやパートの募集もあります。経験不問の募集も少なくないため、今まで事務職に就いていなかった方も挑戦しやすい職種といえるでしょう。始業時間が決まっていることが多く、飲食店やコールセンターよりもシフトの自由度は低めです。しかし、決められた業務が多く、当日にいきなり新しい仕事が発生する、という事態もほとんどありません。そのため、退勤時間をコントロールしやすく、子供の送り迎えには十分対応できます。

子育てと仕事をしながら家事をするコツ

両立しなければならないのは、子育てと仕事だけではありません。家に帰れば、料理・掃除・洗濯といった「家事」も待っています。仕事と子育てでクタクタの状態で家事まで完璧にこなそうとすると、いずれ心身に不調が生じてしまうでしょう。以下では、子育てと仕事をしながら「家事」を乗り切るコツについて解説します。

家事はルーティン化・自動化する

家事に多少手を抜いても問題はないとはいえ、家が汚いとストレスが溜まってしまうかもしれません。また、毎日おいしいものを食べたいという気持ちも大切です。そんなときには、家事をルーティン化してしまいましょう。具体的には、何も考えなくても家事ができる仕組みをつくるのです。たとえば、曜日ごとに献立を決めておくと、1週間分のメニューをわざわざ考えずに済みます。

そして、自分自身でやらなくてもいいことは、思い切ってほかの手や機械に任せてしまいましょう。健康的な料理を食べることが大切と考えるのであれば、1か月に何日かは、栄養満点な配食弁当を頼むという方法もあります。衣類乾燥機・ロボット掃除機・食洗機・自動調理鍋といった便利な家電を導入すると、家事の負担がぐんと減ります。家事に潜む「○○すべき」を取り除くことは、家事を楽にする第一歩です。

家事・育児は「チーム」で行う

仕事をひとりで回すのは難しいように、家事もひとりでこなすのは大変です。仕事と子育てにくわえて、家事までひとりで抱え込むと、肉体的にも精神的にも負担が大き過ぎます。家事は、暮らしを維持するために大切な仕事の1つです。家族が支え合って生きていくためには、「自立・共生」の意識づけが必要だといえます。まずは、子供やパートナーに、家事を任せるところから始めましょう。

たとえば、子供に洗濯物を畳んでもらったり、パートナーに掃除を任せてみたりします。家事に慣れている方ほど、「何でも自分ひとりでやったほうが早いし、きれいになるのに……」とヤキモキするかもしれません。しかし、仕事で新人を育てるように、家庭でも家事のできる人を育てなければ、家事の負担はどんどん重くなります。
 
自分ひとりで家事を回すのではなく、家族全員が「チーム」として機能する環境をつくりましょう。また、実家や親戚など、協力を求められそうな方々には、家族という「チーム」に参入してもらえるように働きかけます。家族に思い切って甘えて、頼りにしてみることも、負担を少なくする方法です。

子育て支援サービスを活用する

「仕事が立て込んで土日・祝日に仕事が入ってしまった」、「保育所が満員で子供を預けられない」といった事情に直面することもあるかもしれません。そんなときには、地域の子育て支援サービスを活用しましょう。場所によっては、「預け時間の延長」「土日・祝日も預けられる」といったありがたいサービスを行っていることもあります。
 
また、子育ての援助を行いたい方と、援助を受けたい方をマッチングさせる助け合いシステム「ファミリーサポート制度」を導入している地域もあります。ファミリーサポート制度を使うと、地域の方が子供の送り迎えをしてくれたり、一時的に子供を預かってくれたりします。子育て中は、いくら人手があっても困ることはありません。ファミリーサポート制度がある自治体にお住まいの方は、いざというときのために登録しておくと安心です。


「家計」を見直してみるのも1つの方法


育児をしながら働く場合は、子供がいきなり体調を崩しても融通がきくシフト制で、体力的に長く続けられるようなお仕事が向いています。また、子育て中の同僚がいるかどうかも重要なチェックポイントです。同じ状況の同僚がいるということは、それだけ育児・仕事を両立させやすいお仕事である可能性があります。また、会社全体が育児に理解を示して柔軟に対応してくれるでしょう。
 
子育て中に頭を悩ませるものといえば、「働かないと、お金が足りなくなるのではないか」という、漠然とした不安感です。できるだけたくさんのお金が必要だから働かなくちゃ、という認識では、どれだけ仕事で稼いでも、安心はできないでしょう。そのような気持ちでは、子供に笑顔で接するのも難しくなってしまいます。
 
しかし、子供にかかる養育費・教育費は年齢に応じて予想が立てやすく、計画的に対処しやすい課題です。お金の不安がある方は、先にライフプランを立てておくのもよいかもしれません。子供のためにどれくらいのお金が必要か、そのためには毎月いくら貯めればよいのか、それがわかるだけでも不安は解消されるでしょう。
 
お金の問題から解消するためには、ファイナンシャル・プランナー(FP)へ相談するのも1つの手段です。「FPナビ」では、お金のプロであるFPに何度でも無料で相談できるサービスを行っています。子供が小さくても、ご自宅へ訪問して、相談・面談することも可能です。相談したい悩みに合わせて、FPを選んで、日程を組むこともできます。ライフプランを立てたい、教育資金に不安があるという方は、こちらの「教育資金はファイナンシャル・プランナーにお任せ!」をご覧のうえ、ぜひご相談ください。

出典

厚生労働省「令和3年版厚生労働白書」
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/20-3/

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