教育・子育て
国公立 vs 私立!大学の学費、どれくらい準備すればいい?
大学進学にかかる費用の全貌
国公立大学の平均的な学費国公立大学の学費は、私立大学と比較すると一般的に安い傾向があります。まず、入学時に必要な入学金は国立大学で28万2000円、公立大学で37万4000円程度が平均とされています。また、1年間の授業料はどちらの場合もほぼ同じで、約53万6000円とされています。これをトータルで考えると、4年間で必要な費用は国立大学が約242万6000円、公立大学が約251万8000円程度です。この費用には施設設備費などの追加費用も含まれています。ただし、これらの金額は目安であり、学部や地域によって多少の差が生じることを考慮する必要があります。
出典:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」
https://www.mext.go.jp/content/20231226-mxt_sigakujo-000033159_4.pdf
私立大学の平均的な学費
私立大学は国公立大学に比べて学費が高い傾向にあります。文系学部の場合、1年間の授業料が平均で約70万円から100万円程度である一方、理系学部の場合はさらに高額で約100万円から150万円程度の授業料が必要とされることが多いです。また、入学金や施設費を含めると、私立大学の4年間の学費総額は文系で約689万8000円、理系では約821万6000円とされています。私立大学の場合、学部によって費用のばらつきが大きいため、進学前にしっかりと費用の詳細を確認することが重要です。
(出典:文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」内
「(資料1)令和3年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について)
大学によって異なる付随費用とは?
大学に通うためには、学費以外にもさまざまな付随費用が発生します。たとえば、教科書や教材費、課外活動費、クラブやサークルへの参加費などがあります。これらの費用は大学や学部ごとに異なり、年間で数万円から十数万円になる場合もあります。また、専門性の高い学部では実験や実習が必須となり、それに関連する支出も発生します。さらに、一部の大学では、留学プログラムや研修プログラムが必修となっている場合があり、これらの費用も事前に確認しておく必要があります。こうした付随費用も大学進学における重要な要素であるため、計画的な資金準備が欠かせません。
仕送り費や生活費も考慮しよう
特に自宅から遠い大学に進学する場合、仕送り費や生活費が学費以上に大きな負担となることがあります。食費、家賃、水道光熱費、交通費など、年間で平均90万円から120万円程度が必要と推計されています。また、下宿生活となる場合は、家具や家電の購入、引越し費用といった初期費用も発生します。これらの生活費は家庭の負担を大きくするため、早めの資金計画や学資保険、積立貯金の利用を検討することが大切です。さらに、一部の自治体や企業では生活費や家賃の補助を行う奨学金制度などもありますので、必要に応じて検討すると良いでしょう。
学費の準備方法を考える
積立定期預金の活用法
大学進学に向けた学費を計画的に準備する方法として、積立定期預金は多くの家庭で利用されています。この方法は、毎月一定額を銀行の積立定期預金口座に預けることで、効率的に資金を貯蓄する仕組みです。国公立でも私立でも、大学進学費用は大きな出費になるため、早めに準備を始めることが重要です。
積立定期預金の大きな利点は、計画的かつ確実にお金を貯められる点です。例えば、児童手当を積立に回すことで大学入学時までに約200万円を確保できるケースもあります。ただし、途中解約が難しい場合があるため、他の用途に使えないよう慎重にプランニングすることが大切です。
学資保険の利点と注意点
進学に備えるもう一つの方法として学資保険があります。学資保険は、契約時に設定した満期時の金額を受け取れる保険商品で、大学進学時期に合わせて計画的に資金を準備するのに適しています。また、契約者(親等)がもしもの事態にあった場合に保険料の支払いが免除される特約が付いている場合もあり、安心感が得られるのが特徴です。
しかし、学資保険にも注意点があります。契約途中で解約すると元本割れするリスクがあるほか、低金利の影響でリターンが相対的に低いことがあります。また、学資保険は契約期間が長期にわたるため、月々の保険料が家計への負担にならないよう十分に計算し、無理のない範囲で契約することが重要です。
つみたてNISAやジュニアNISAでの資産形成
最近注目されている資産形成の手段として、つみたてNISAやジュニアNISAの活用が挙げられます。これらは非課税制度を利用して資産を運用できる仕組みであり、長期的に学費を準備する場合に適しています。つみたてNISAは親自身が、ジュニアNISAは子どもの名義で口座を開設し、定額で投資信託などに投資を行う形です。
非課税枠を活用できるため、利益が出た場合の税負担を軽減できることが大きな魅力です。ただし、元本保証はないため、私立大学のように高額な学費を見越した場合にはリスクを十分に理解した上で利用する必要があります。安定したリターンを目指し、長期分散投資を心がけることで安全性を高めることができるでしょう。
学費を準備する際の注意点
早めの準備が重要な理由
大学進学に備えた学費の準備は、できるだけ早い段階で始めることが重要です。特に私立大学や理系学部は、学費が高額になる傾向にあります。例えば、私立大学の4年間の平均学費は文系で約689万円、理系で約821万円とされています。これに加え、生活費や受験費用なども必要になるため、想定以上の金額がかかる場合があります。早くから積立貯金や学資保険を利用することで、負担を小分けにし、安定した資金計画を立てることが可能です。また、児童手当のような公的支援を貯蓄に回すことで効率的に目標額を目指すこともできます。
出典:日本政策金融公庫「令和3年度 教育費に関する調査結果」
教育費と家計への影響をバランスする方法
大学進学時の学費は家計にとって大きな負担になります。そのため、家計の収支バランスを維持しながら教育費を確保する方法を考えることが必要です。一つの方法として、固定費の見直しや無駄な支出を削減し、教育資金に充てるお金を捻出することがあります。また、学資保険や積立定期預金を利用することで、計画的に教育資金を準備できます。ただし、無理のない範囲で貯蓄を進めることが重要です。家計を圧迫しすぎると他の生活費に影響が及び、予期せぬ出費に対応しづらくなるため、現実的な目標設定を心がけましょう。
貯蓄以外の資金源を検討する
貯蓄のみで学費を準備するのが難しい場合、他の資金源を検討することも重要です。例えば、奨学金制度は学費の大きな助けとなります。日本学生支援機構(JASSO)の給付型奨学金や無利子貸与型奨学金は、多くの学生に利用されています。さらに、自治体や大学独自の奨学金制度を活用する選択肢もあります。奨学金以外には、つみたてNISAやジュニアNISAといった投資制度を活用して資産運用を行う方法があります。ただし、投資にはリスクも伴うため、自分に合った方法を慎重に検討することが大切です。
理想的な大学生活を支える費用計画とは
目標額の設定と具体的なプランニング
理想的な大学生活を送るためには、まず必要な学費や生活費について具体的な目標額を設定することが重要です。国公立大学と私立大学では学費が大きく異なるほか、学部ごとにも差があります。特に、私立大学の理系学部では4年間で800万円以上かかる場合もあるため、早めの資金計画が必要です。これには、入学金・授業料だけでなく、教材費、クラブ活動費、さらには仕送りや下宿費用も含めて考える必要があります。
目標額を設定したら、次にどのように資金を準備するかを検討します。積立貯金や学資保険、つみたてNISAといった金融商品を活用すれば、計画的にお金を貯められます。また、児童手当を全額貯蓄することで大学入学までに約200万円を確保することも可能です。目標額を明確にし、具体的な貯蓄方法を組み合わせることで無理のない資金形成を目指しましょう。
家族で考える「無理のない学費準備法」
大学の学費は家計にとって大きな負担となりますが、家族全体で話し合い、無理のない準備方法を計画することでその負担を軽減できます。例えば、児童手当や家計の余裕資金を利用して前もって積立を行うことや、必要に応じて学資保険や教育ローンなどを検討することが考えられます。
また、進学する大学や学部によって必要な金額が異なるため、それに応じて柔軟に計画を調整することが重要です。学費だけでなく、生活費や下宿費用、通学費なども家族の負担として含まれるため、こうした費用も考慮に入れたプランニングが求められます。家族全員の意見を取り入れ、現実的かつ目標に近づける方法を探りましょう。
ローン利用時のポイントと注意事項
学費の足しにするために教育ローンの利用を検討する家庭も多いですが、ローンを組む際には慎重な判断が必要です。教育ローンの金利や返済期間を確認し、月々の返済が家計にどの程度の負担を与えるかを事前に計算してください。
また、日本学生支援機構が提供する奨学金制度も検討に値します。これには給付型と貸与型(無利子および有利子)があり、特に貸与型の場合は卒業後の返済が必要となります。仮にローンを利用する場合でも、無理のない返済スケジュールを立てることが大切です。
卒業後の学費返済について考える
奨学金や教育ローンを活用した場合、卒業後の返済計画を早めに考えておくことが重要です。日本学生支援機構の奨学金には月々の返済額が設定されており、卒業後の収入に対する返済額の割合を想定する必要があります。就職先や初任給を見据えた現実的な計画が、この負担を軽減するカギとなります。
なお、奨学金の返済が家計に大きな影響を与えないよう準備を進めるのもポイントです。無理のない返済計画を立て、場合によっては繰り上げ返済を選択することで総利息を減らすことができます。卒業前から、返済額と期間をしっかり把握しておくことが未来のためにも必要です。