家計
車は持つよりシェアする時代?カーシェアリングの基本的な利用方法とメリット

重い荷物を運ぶ際や、少し遠出するのに必要不可欠な自動車。地域によっては一人一台という家庭もあるでしょう。
しかし近年、エコや節約意識の高まりと共に、極力“物は所有せずに共有(シェア)する”という流れが広まっており、それは自動車社会にも広がっています。「車を持たない」という選択をする人が増加した要因として、車を気軽にシェアできるカーシェアリングサービスが大きく影響しています。
しかし、カーシェアリングにすることで、逆に費用が高くなってしまったり、レンタカーでも事足りるのでは?と不安になったり、まだまだカーシェアリングについて懐疑的な方も多いでしょう。
ここでは、カーシェアリングの実態と自動車保有やレンタカーとの費用を比較してみます。
■カーシェアリングって?レンタカーとはどう違うの?
カーシェアリング | レンタカー | |
会員登録 | 必要 | 不要 |
貸出時間 | 24時間いつでも利用可(15分単位などのショート利用が可能) | 営業所により異なるが 朝8時~21時ごろまでのことが多い(15分単位などのショート利用は不可) |
貸出方法 | PC・スマートフォン等から予約→そのまま乗車可 | PC・スマートフォン等から予約→営業所にて職員と対面後使用可 |
保険加入 | 料金にすでに含まれているため手続き不要 | レンタル代とは別途手続き必要 |
ガソリン | 料金にすでに含まれている | レンタル代とは別途自腹で給油必要 |
車種選択 | 限定されているため選択肢は少ない | 豊富な選択肢(ただし予約状況により希望車種を借りられないこともあり) |
装備 | カーナビ、ETC車載器、ジュニアシート等が標準装備 | 車種により異なる ※ジュニアシートは有料オプションになることも |
料金 | 会社によって料金は異なるが、6時間以内の短時間利用の場合はカーシェアリングの方が安い |
カーシェアリングとは、1台の自動車を複数のカーシェアリング会員が共同で利用するサービスです。レンタカーの場合、借りられる車種は豊富ですがレンタカーを借りる場所の営業時間が限られており、利用した後は自己負担でガソリンを満タンにして返さなくてはなりません。一方、カーシェアリングでは借りられる車種は限られますが、会員制で、登録を行った後は24時間いつでも利用・返却することができ、利用料もガソリン代込み。
以前は借りた場所に返さなくてはいけませんでしたが、近年ではワンウェイ方式(乗り捨て)を国土交通省が認可しているため、乗り捨てで利用できる場合もあります。
加えて、15~30分単位など、かなりの短時間から利用可能であるため、ちょっと買物に出掛けて多く荷物を積みたいときや、公共交通機関より車の方が交通費が安い場所へ行くとき、雨で自転車やバイクが使えない際の子どもの急なお迎えなど、必要なときに気軽に利用することができるのです。
■カーシェアリングが向いている人とは
カーシェアリングとレンタカーの比較により、カーシェアリングの魅力は
「15分~などのショート利用ができること」
「6時間以内での料金の安さ」
「予約から乗車までが早く、給油も不要なためスムーズに利用できること」
であることがわかりました。
車種にこだわりがなく、
自動車を所有する場合、自家用車の場合は、車の購入費の他にも、駐車場代、保険料、自動車税などの維持費がかかります。さらにガソリン代もその都度かかることになります。
通勤が車で毎日絶対2時間利用する、というようなヘビーユーザーの場合は購入した方が安くなることがありますが、そうでない場合は初期費用の高さや維持費のこともふまえて、カーシェアリングの利用も視野に入れてみましょう。
■こんなときに便利!カーシェアリングはいつ利用する?
カーシェアリングは、30分程度の短い時間から利用することができます。そのため、スーパーマーケットに1週間分の食材を購入しに行くときや、習い事や塾などに通う子どもの送り迎えなどにも気軽に利用することができます。もちろん、遠出するときにも利用可能です。レンタカーと比較しても安い場合もあるため、ぜひ利用したいところです。その他に、マンションに住んでいて駐車場がない、交通の便が良いところに住んでいるため日常的には車を利用する必要がないという方にも、カーシェアリングは非常に役立ちます。
このように便利なカーシェアリングですが、注意したい点もあります。まずは、まだ全国どこにでもカーシェアリングができるステーションがあるわけではないという点です。業界大手のカーシェアリングを行っている企業でも、カーシェアリングのステーションがない県はまだまだあります。カーシェアリングができる県であっても車の台数は限られているため、直前だと予約ができず、使用できない可能性もあります。また、カーシェアリングのステーションが少し自宅から離れた場所にある場合は、自転車やバイクでそこに向かっても駐車する場所がないため、徒歩で向かわなくてはならない可能性もあります。さらに、幼い子どもを乗せる場合にはチャイルドシートを持ち込まなくてはなりません。
自動車を保有しないことから費用が安く済むカーシェアリングですが、ご紹介したような注意したい面もあります。自分の家庭でカーシェアリングを利用できるかどうか、自動車の使用頻度や使用方法を踏まえて検討してみましょう。
※この記事は2017年4月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。