健康
大人もかかる? 2017年は手足口病が大流行の兆し!

子どもがかかる3大夏風邪(※1)のうち、手足口病が大流行の兆しを見せています。
※1 ・・・3大夏風邪:ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)、手足口病
国立感染症研究所の発表によると、今年の7月2日までの1週間に全国の病院から報告された手足口病の患者は1万1,000人を超えており、昨年の同時期と比べると約7倍です。
この手足口病、実は子どもだけがかかるというものではなく、まれに大人がかかることもあるのです。この夏は、子どもも大人も手足口病に気をつけましょう。
■手足口病ってどんな病気?症状・治療方法は?
手足口病とは、乳幼児期(0歳〜4歳)の子どもを中心の子どもを中心に、夏に流行する急性ウイルス感染症です。名前のとおり手・足・口の中などに小さい水泡のような発疹ができるのが特徴です。感染力が強く、感染経路は飛沫感染、接触感染、糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染すること)があります。そのため、手足口病にかかりやすい年齢の子どもが集団生活を行う保育施設や幼稚園では、子ども達同士の距離が非常に近いため、一度施設の中で感染者が出ると、集団感染が起こりやすいといわれています。
手足口病の潜伏期間は3〜5日間で、身体のあちこちに小さい水泡上の発疹が出てきます。発疹のほか、発熱、発熱による食欲低下、下痢などの症状が出ることもありますが、発熱の症状が出る人は全体の約3分の1程度で、高熱が続くことはほとんど無いとされています。
基本的には症状が軽い病気のため、特効薬や治療薬もありません。症状が出て、病院で手足口病と診断されたあとは、まず安静にし、水分補給をしっかりしたうえで症状がおさまるのを待つことになります。特に、まだ小さい子どもの場合は口の中にできた発疹を痛がって飲んだり食べたりすることを拒否することもありえます。子どもはただでさえ汗かきで、夏場は特に脱水症状が出やすくなります。経口補水液をストローで飲ませるなどして脱水症状には気をつけましょう。
手足口病は、まれに重症化すると髄膜炎や脳炎など中枢神経系の合併症などが起こる可能性があり、実際に国外の東アジア地域では手足口病の合併症から多数の死亡例が報告されています。万一高熱が続くなど症状が悪化した場合は注意が必要です。このような場合には自己判断せずに、まず病院にかかるようにしましょう。
■大人がかかることもあるの?
国立感染症研究所の報告によると、手足口病の感染者の半数以上は2歳未満であり、大人がかかるケースはまれです。しかし、子どもに比べると数は少ないものの、感染力の強さから大人がかかることは十分にありえます。実際に、子どもから手足口病をうつされた親の方が高熱になり、ひどい発疹が出て重症化してしまった、というケースもあるようです。
特に乳幼児期の子どもを保育施設や幼稚園に通わせている親は、子どもからうつされる可能性が高いため、親子でしっかり感染予防対策をしておく必要があるでしょう。
■手足口病を予防するために
手足口病は、前述したとおり感染力の強い感染症です。予防の基本対策として、手洗いの徹底と排泄物の適正な処理があげられます。特に、症状がおさまった後も2〜4週間にわたり子どもの便などからウイルスが排泄されることがあるため、発熱や発疹がおさまったからと安心してはいけません。また、手足口病の発疹(水疱)には感染性のあるウイルスが含まれているため、感染者との接触は極力避けるようにしましょう。
また、冒頭で触れた3大夏風邪、ヘルパンギーナや咽頭結膜熱(プール熱)の予防も基本的にはまず“手洗いの徹底”です。外出からの帰宅後、トイレの後などあらゆる場面で手洗いと消毒を心がけ、親子で一緒に今年の夏を乗り切りましょう。
参照:
国立感染症研究所 <注目すべき感染症>手足口病
厚生労働省 「手足口病に関するQ&A」
※この記事は2017年7月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。