家計
30代が年金を増やすためにすぐにできることとは?

女性87.14歳、男性80.98歳--2016年の日本人の平均寿命です。過去最高を記録した平均寿命は、今後も延びそうです。人生100年時代も絵空事ではなくなりました。長生きすることはいいことですが、心配なのは老後資金を貯められるかでしょう。特に30代は、将来、年金をもらえるかどうか不安感を抱いている人が多いようです。そんな、30代に、年金を増やすためにすぐできることを紹介します。
■まず、誰でも利用できるiDeCoから始めよ!
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、20歳以上であれば、会社員、公務員、パート&専業主婦など、誰でも利用できる公的年金制度です。60歳まで掛金を積み立て、60歳以降に年金または一時金で受け取ります。加入者が運用・預入商品を選び、その運用成果によって、将来、受け取る年金額が変わる、自己責任型の年金です。
掛金は月5,000円以上1,000円単位で、職業と企業型確定拠出年金のある・なしで、1年間に拠出できる金額(拠出限度額)が異なります。会社員で企業型確定拠出年金に加入している人は、iDeCoに同時加入していい規約がある場合に限られ、拠出限度額は月1万2,000円(年14万4,000円)から月2万3,000円(年27万6,000円)です。専業主婦は月2万3,000円(年27万6,000円)、自由・自由業者本人は月6万8,000円(年81万6,000円)です。
2018年1月から、月単位拠出(いわゆる、月払い)の他、年単位拠出もできるようになっています。年単位拠出とは、年1回、年2回、隔月の年6回などで拠出する方法です。月払いだけでは年間限度額まで拠出できない場合はボーナス時に拠出額を増やす、月払いはできないけれど年1回か2回なら拠出できるなど、柔軟に納められるわけです。
まず、iDeCoから始めよ、というのは、3段階で節税できるメリットがあるからです。第1段階は拠出時です。全額が所得控除になり、税金が軽くなります。第2段階は運用中の利益に対する課税がされないこと。一般の金融商品は利益に対して20.315%の源泉分離課税が適用されますが、iDeCoは非課税です。そして、第3段階は受取時にも控除が受けられることです。
30代には、第3段階のメリットはピンとこないかもしれませんが、目先の第1と第2のメリットは大きいと言えます。税金を納めていないパート&専業主婦は第1のメリットはありませんが、第2のメリットは享受できます。
会社員とパート&専業主婦、自営・自由業者の夫婦は、節税メリットの大きいiDeCoを優先的に利用しましょう。
【参考リンク】iDeCo公式サイト
https://www.ideco-koushiki.jp/guide/
■自営・自由業者は国民年金に上乗せできる2つの制度のどちらかを利用せよ!
自営・自由業者とその配偶者が年金を増やすには、前段のiDeCoの他に、国民年金基金と付加保険料があります。この2つは、国民年金保険に上乗せできる制度です。
国民年金基金は、地域型と職域型があり、どちらかを選びます。前者は47都道府県にあり、自分が住んでいる都道府県の基金に加入します。後者は25職種あり、基金ごとに決められた事業や業務を営んでいる基金に加入することになります。
加入は口数制で、年金額や給付の型を加入者が選びます。給付の型は、終身A型(15年保証)、終身B型(保証期間なし)と、確定年金が5種類の合計7種類です。1口目は、終身型のどちらかを選び、これは途中減額や型の変更はできません。
掛金は全額が所得控除の対象になり節税できます。iDeCoにも加入する場合は、合わせて月掛金は6万8,000円(年81万6,000円)が限度です。基金に加入すると、付加保険料は納付できません。
付加保険料は、国民年金保険料に上乗せして納めることで年金額を増やせる制度です。月400円の保険料で、年金額は月200円×納付月数分を増やせます。この制度で納めた保険料は、年金を2年間受け取ればモトが取れます。
とにかく、節税メリットのある国の制度を優先的に利用して年金額を少しでも増やす工夫をしましょう。
【参考リンク】国民年金基金について
https://www.npfa.or.jp/system/about.html
【参考リンク】付加保険料について
http://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150331-03.html
※この記事は2018年7月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。