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親の介護で仕事を辞めないためにはどうすればいい?

親の介護で仕事を辞めないためにはどうすればいい?

親が70代に入ったとたんに病気や介護のリスクが高まります。介護はされる側だけでなく、サポートする側にとってもリスク。仕事を辞めずに親の介護をすることを目指すにはどうしたらいいのでしょう。

■介護で離職する現役世代が年10万人超!?

介護の怖さは、「ある日突然やってくる 」可能性があることです。介護が必要になる原因のうち、脳血管疾患と骨折・転倒を合わせると約3割。これらは突然です。また、夫婦であれば4人の親がいますので、時には同時多発介護となる場合もあり、中には遠距離介護で奔走している方もいます。

今や親や家族の介護で離職・転職をする人の数は年間10万人超(2割が男性)。ばりばり働く40代・50代が介護のために仕事を辞めてしまうことは、会社にとっても痛手ですが、家族にとっても大きな問題です。辞めれば収入が減り、転職やアルバイト等の働き方になれば収入減は確実で、家族のライフプランも大きく変わってしまいます。

「仕事と介護の両立と介護離職に関する調査」(明治安田生命生活福祉研究所ほか、2014年9月)によると、親の介護で離職・転職した人の半数以上は介護を始めて1年以内に仕事を辞めています。
介護で仕事を辞めて専念している人の、離職する直前の介護時間は「平日は毎日2時間、休日は5時間」でした。このラインが、働きながら介護をする限界のようです。これ以上の介護時間がとられるようになると離職を余儀なくされる人が多いようです。
介護で転職後に正社員として働いているのは、男性は1/3、女性は1/5で、年収も5~6割に減少し、「後悔が多い」ことも調査の結果に現れています。

調査にはそこまではないですが、親の介護に専念することで最も問題なのは、自分の老後にも影響が出る可能性があることでしょう。

■「辞めない介護」に必要なもの

同調査では、同じ職場で働き方を変更して働き続けた人は、「会社の制度・施策を上手に利用している」という結果も見られました。辞めて後悔するのではなく、辞めずにできる介護を目指すことがどうやら大事なようです。

「辞めない介護」に必要なものとしては、次の3つが挙げられます。

1.自分が関わる介護時間を抑える(プロの手を借りる)

介護時間を短くするには、1人で抱え込まず、他の協力者を作る、あるいは公的介護保険のサービスを活用して、自分が関わる介護時間の臨界点を超えないようにすることも大事です。

2.介護休業制度などを活用する

会社員であれば、下記のような介護休業や休暇を利用できます。介護休業は給付金もあります。自営業には制度はないため、予備費を多めに貯めておく必要あり。

<介護休業>
・育児・介護休業法に基づき・介護が必要になった同じ家族1人につき通算93日間まで休める(3回まで分割取得可)
・介護対象:配偶者、父母、子、配偶者の父母や、同居で扶養の祖父母、兄弟姉妹、孫
・介護休業給付金も支給される
給与が13%以下:賃金の67%相当額
給与が13%超80%未満:賃金の80%相当額との差額
給与が80%以上支給:支給なし

<介護休暇>
・要介護状態にある家族が1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日を上限に休暇を取得できる。
・介護サービスを利用するための手続きや、急な入院・介護などに利用。

(出典)厚生労働省(Q&A~介護休業給付~
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158665.html
ハローワークインターネットサービス 雇用継続給付
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_continue.html

3・職場の理解や支援を得る

介護休業を取っている間は、職場の方に負担をかけることは間違いのないですので、理解や支援を得られるように努力することも大事なようです。逆の立場のときには、同僚を支えてあげることも必要ですね。
要介護期間は平均4年11ヶ月で、6人に1人の割合で「10年以上」です(生命保険文化センターのデータ)。もしも親が要介護になったときにどうするか、しっかり考えておくことが大事です。

※この記事は2018年7月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。

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