家計

タンス預金もバレる!?マイナンバー開始で国はどこまで個人資産を把握できるのか

タンス預金もバレる!?マイナンバー開始で国はどこまで個人資産を把握できるのか

2016年1月、ついにマイナンバー制度がスタートしました。

開始前からプライバシーの問題などでさまざまな議論を呼んでいたマイナンバーですが、「タンス預金まで国に把握されるのでは?」という疑問が話題になっています。

いったいどういうことなのでしょうか?以下では、マイナンバーと預金口座・タンス預金などの関係についてみていきます。

■預金口座にもマイナンバーを適用



事の発端となったのは、2015年9月に成立した**「改正マイナンバー法案」**。
この法案によって、同年10月から始まったマイナンバーを、将来的により幅広く活用できるよう法律が改正されました。

その改正点の1つに、「銀行の預金口座にもマイナンバーを適用する」というものがあります。つまり、銀行の預金口座とマイナンバーが紐づくということになります。
この法改正によって、行政機関と銀行には次のような変化が起ることが想定されます。

・社会保障給付当局(地方自治体や年金事務所)と税務署に加えて、預金保険機構がマイナンバーを利用できるようになる
・上記の行政機関は、マイナンバーを使って、銀行に預金情報を照会できるようになる(2018年1月施行予定)

2015年9月の改正マイナンバー法案では、銀行にマイナンバーを申告することは任意となっています。
ですが、付番開始から3年、すなわち2021年を目安に、銀行は預金情報をマイナンバーで検索できる体制を整えること」をを義務化する方針です。
2021年頃には、預金口座を持っている銀行にマイナンバーを申告することや、新規で預金口座を開設するときにマイナンバーを登録することが必須になると予想されています。

改正マイナンバー法案が成立したことにより、「マイナンバーによって、国はとうとう個人の資産まで把握できるようになるのか!?」と、大きな注目を集めたというわけです。

■銀行預金額が明らかになると、不審なお金の動きがバレやすくなる




「たとえ銀行の預金口座が筒抜けになっても、タンス預金がバレることはないのでは?」と思うかもしれませんし、「今のうちに銀行口座は解約して、タンス預金に移行しようかな」と考える人もいるかもしれません。とはいえ、この点に関しては考慮すべき事柄があります。

行政機関が把握できる個人の金融情報は、銀行預金だけではありません。たとえば、税務署は個人の所得(収入-経費)を把握しています。そして、マイナンバーで銀行の預金情報を照会できるようになれば、所得から予想される金融資産と預金額を比べることで、タンス預金が発覚しやすくなるのです。

そして今後、マイナンバーで預金情報を照会できるようになれば、数億円の資産をいくつもの銀行口座に分けて預金していたとしても、預金総額は把握されやすくなります。そのため、**タンス預金が発覚するリスクが高くなる**のです。

■資産を整理してクリーンな管理・投資を

もちろん、行政機関や銀行がマイナンバーを利用できるようになるからといって、個人の全ての情報がつながるわけではありません。ですが、これまでより金融資産が把握されやすくなることは明らかです。そのため、行き先や出どころが不明なお金があると、目立ちやすくなるのです。高い税金を支払いたくなくてタンス預金をしても、その額が大きければ大きいほど、隠し通すことは難しくなります。

ですから、金融資産は隠すのではなく、きちんと整理しておくことが大切です。税金の額が気になる場合は、正しい節税対策や投資を行って、税の負担を軽くしましょう。資産整理や運用、節税の方法については、ファイナンシャル・プランナーなどの専門家に相談するのも効果的です。

大切な金融資産はきちんと整理して、誰に見られても恥ずかしくないクリーンな管理・投資を行うことが大切です。

※この記事は2016年6月時点の法律・情報にもとづきニッセンライフが作成したものであり、将来、法令や税制等が変更される可能性があります。
※2016年12月、税理士の監修を加え記事の一部を修正しております。

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