家計
2019年、ふるさと納税から高返割合の返礼品が消える!?

2008年にスタートしたふるさと納税。返礼品競争の過熱化に対して、2017年、総務省は「返礼割合を3割以下、原則地場産品」と通知したものの、守らない自治体も続出しました。このことから、ルール違反の自治体はふるさと納税の対象からはずすなどの対応が検討されています。高返礼割合の商品を狙うなら、この年末までが最後のチャンスかも!?
■ふるさと納税とは?
ふるさと納税とは、生まれ故郷や特定の自治体を支援するための制度です。ふるさと納税を行うと、自治体に対する寄付金から2,000円を引いた額が、所得税や住民税から控除され、住んでいる自治体に納める住民税が下がります。言い換えれば、住民税の納税先を選んで納めていることになります。
ふるさと納税を行うと、その自治体の特産品である農産物や海産物、工芸品、自治体で使える商品券や旅行券などが返礼品として受け取れることで人気が広がりました。競争が激化するにつれ、特産品であっても返礼割合が5割、6割などと高かったり、無関係の地域の海産物・農産物、ビール、海外旅行券、パソコン、家電などを返礼品とする自治体なども増えました(この問題は後述します)。
ふるさと納税を行うと、翌年3月15日までに確定申告を行う必要がありますが、「ワンストップ特例制度」を使えば、会社員・公務員で確定申告が不要な人の場合は、5カ所までのふるさと納税であれば、自治体への特例適用の申請書の提出のみで済みます。こうした手軽さもさらに広がった理由の1つでしょう。2017年度のふるさと納税額は3,653億円まで拡大しました。
■10年経ったふるさと納税に大きな転機
前述のように、ふるさと納税の返礼品のあり方が次第に問題になり、2017年4月に総務省は、寄付に対する返礼品の割合を「3割まで」、しかも、「(原則)地場産品に限る」という通知を出しました。しかしその後も、返礼割合が高かったり、地場産品以外の品物を返礼品とする自治体がありました。
総務省は、2018年9月1日時点で、1,788の自治体の中で、返礼割合が3割を超えている自治体が246、地場産品でない品物を返礼品としている自治体190、という調査結果を発表しました。
(出典:[ふるさと納税に係る返礼品の見直し状況についての調査結果](平成30年9月1日時点))
そして、今後、返礼割合が3割超だったり、地場産品でない自治体への寄付はふるさと納税として認めない方針を打ち出し、寄付をしても住民税などの控除を受けられないようにすることが検討されています。
来年の通常国会に地方税法改正案の提出を目指すとのことです。
こうした動きに合わせて、一部ではすでに返礼割合を3割以内に下げたり、取扱商品の見直しを始めたところもあります。法改正の動きに合わせて、今年度中に見直す自治体が多いと予想されます。つまり、返礼割合の高い返礼品などを狙う人はこの12月末までが大きなチャンスかもしれません。
※この記事は2018年10月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。