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学生のアルバイトのし過ぎに注意!働きすぎると親の手取りが減る!?

今はアルバイトに精を出す大学生も少なくないことでしょう。でも、あまり働きすぎて扶養控除の範囲を抜けると、親の手取りが減ってしまいます。子のアルバイトと親の扶養控除の関係について整理しておきましょう。
■16歳以上の子は親の扶養控除を受けられる
子どもが「扶養親族」に該当する場合、親の収入(父親か母親、いずれか一方)から所得控除を受けることができます。
まずは扶養控除の額を確認しておきましょう。そもそも、
16歳以上(12月31日現在)の「扶養親族」であれば38万円の控除を受けることができます。
また、
控除対象扶養親族のうち、ちょうど大学生に該当する19歳以上23歳未満の子は「特定扶養親族」として63 万円の控除を受けることができます。。
その後も大学院に進学するなどして、親が扶養している状態が続く場合は、23歳以上の子でも38万円の扶養控除を受けることができます。
子の扶養控除を受けられると親側にどのようなメリットがあるかというと、親の所得税が軽減されるのです。例えば20歳の大学生と18歳の高校生の子どもがいる場合、63万円+38万円=101万円の扶養控除を利用することができます。その効果は親の所得税率で異なりますが、10%であれば10万1000円、20%なら20万2000円、実質的に手取りが増えるのです。子供の教育費で家計が厳しい時期には、非常に助かりますよね。
子の年齢ごとの扶養控除額とその効果

■子どもが「扶養親族」になるための要件
では、子が扶養控除を受けられる扶養親族として認められるためには、どのような要件を満たさなくてはいけないのでしょう。[国税庁のサイト](https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1180.htm)によると、次の4点がすべて当てはまること、とされています(「子」に限定してまとめています)。
子が「扶養親族」として認められる要件
- 配偶者以外の親族(6親等内の血族と3親等内の姻族)、または都道府県知事から養育を委託された里子であること。
- 納税者と生計を一にしていること。
- 年間の合計所得金額が38万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
- 青色申告者の事業専従者としてその年に1度も給与の支払を受けていない、または白色申告者の事業専従者でないこと。
この中で、特に気を付けるべき点が、「3.年間の合計所得金額が38万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)」です。こうした知識がないまま、できるだけ親に負担をかけまいとアルバイトに励んだ結果、年末に給与収入で103万円を少しだけ超えてしまい、扶養控除が受けられない…となったときには親子ともにショックですね。
給与所得でない「事業所得」の場合は、売上から必要経費(交通費や文房具、資料となる本等)を引いた所得が年38万円を超えると、扶養親族ではなくなってしまいます。例えば、個人で直接請け負った家庭教師やフリーライターのような仕事は事業所得になります。
■子が働きすぎたときの影響はほかにも!?
実は、子が働きすぎたときの影響はほかにも現れることがあります。
- 住民税の扶養控除が受けられなくなる
- 職場の「家族手当」が止められる(子ども1人あたり月3000~4000円程度)
- 収入によっては住民税や所得税、社会保険料を自分で払わなくてはいけなくなる[社会保険料のラインが給与収入130万円(職場によっては106万円)]
親の扶養を抜けて自立するのであれば別ですが、そうでないなら、学生のうちは働き方をコントロールした方が賢い選択といえるのでは?
■おわりに
高校生、大学生の子どもがアルバイトをすると言い始めたら、親はこうした控除の仕組みを説明しておきましょう。「給与で103万円」は12月31日までですが、親子でしっかり情報共有をしておきたいものです。
※この記事は2019年9月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。