家計
扶養内で働きたいけど、雇用保険には入るべき?雇用保険に入るメリット・デメリットってどんなものがあるの?

扶養内で働いて、さまざまな給与控除を免れても、雇用保険に加入していると保険料が引かれてしまいます。「扶養内で働きたいが雇用保険には必ず加入しなければいけないの?」と悩んでいる方も多いのではないしょうか。今回は雇用保険に加入するメリットとデメリットを紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
■そもそも雇用保険とは?
雇用保険とは、労働者が失業したときに給付を受けられたり、再就職を援助したりする制度です。「失業保険」とも呼ばれています。雇用保険は労働者側で加入・非加入を選べず、条件を満たせば強制的に加入しなければいけません。その条件とは以下の3つです。
- 契約上の労働時間(所定労働時間)が週に20時間以上ある
- 31日以上継続して働く見込みがある
- 学生ではない(定時制や卒業見込みがある場合を除く)
雇用保険料は労働者が0.3%(一部業種は0.4%)を負担します。例えば、社会保険の加入義務が発生しない(扶養から外れない)ように、収入を月88,000円にすると、雇用保険料は月264円です。
雇用保険に加入すると、退職後に勤務先から2種類の離職票が発行されます。これらをハローワークの窓口に提出し、離職前の2年間に11日以上働いた月が通算して12ヶ月以上あれば、失業手当の受給資格が発生するわけです。
在職中でも、高齢を理由に収入が減少したときや、育児・介護で休業するときなど、雇用保険から給付を受けられます。
■雇用保険のメリット・デメリット
では、雇用保険に加入すると、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
雇用保険のメリット
もらえる金額は離職時の月収の45~80%くらいです。他にも教育訓練を受けるときや、再就職にあたっても、さまざまな給付を受けられます。
退職すると、収入が途絶えるのが大きな不安です。失業手当があれば、次の就職先を見つけるまでのつなぎになります。慌てて不本意なところで働くのを防げるでしょう。育児・介護休業中も基本的に月収の50~67%の給付を受けられます。
こうした保障を月数百円で受けられるのですから、加入するメリットは大いにあるといえるでしょう。
雇用保険のデメリット
一方、
特に少ない収入をできるだけ減らしたくないときは、数百円でも大きく感じるでしょう。
他にも短期間で退職すると「離職前の2年間に11日以上働いた月が通算して12ヶ月以上」という条件を満たせないかもしれません。育児・介護休業手当も同じです。また、自己都合で退職した場合は3ヶ月の給付制限があるため、その間は収入が途絶えてしまいます。
■雇用保険はパートでも加入するべし!
ここまで、雇用保険のメリットとデメリットを紹介してきましたが、万が一のことを考えると、雇用保険には加入するのがおすすめです。少ない保険料で大きな給付を受けられますから、雇用保険のために週の労働時間を減らすのはもったいないでしょう。
雇用保険は、入社時に会社側で加入手続きをしてくれます。もし、加入資格があるのに手続きされていない場合は、人事の担当者に確認しましょう。それでも手続きされなければハローワークが相談窓口になります。
■まとめ
雇用保険に加入すると、失業したときや育児・介護で休業するときに給付を受けられるのがメリットです。雇用保険料を引かれるのがデメリットですが、保障の大きさを考えると条件を満たして加入すると安心できます。
※この記事は2019年12月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。