住まい

住宅購入時に押さえておきたいポイントは?

住宅購入時に押さえておきたいポイントは?

今後の住まいを考えるとき、賃貸か持家かで迷う人は少なくありません。

ただ、最近では低水準な住宅ローン金利の影響からか、家賃を払うなら買った方がいいと、住宅の購入に踏み切る人は多いようです。
住宅購入時に知っておきたいポイントを見ていきましょう。

■住宅の資金計画には「ライフプラン」が欠かせない

住宅選びでは、一戸建て・マンション、新築・中古などの選択肢がありますが、それぞれに特徴があります(表1)。
表1 住宅の種類別の特徴

一戸建てマンション
・隣近所との付き合いが生まれやすい・ペットと暮らすこともできる・管理費や修繕積立金の必要がない・駐車場代が必要ない・近隣との音のトラブルが発生しにくい・自分で建物の維持管理をする必要がある・窓が多いので、防犯上の不安感がある・高齢になると、階段を上がるのが辛くなる・共用部の維持管理は管理会社が行う・オートロックなど、セキュリティ面で優れる・室内に階段がなく高齢時にも暮らしやすい・インターネットなどが申し込み無しで使える・ペットが飼えない場合が多い・管理費や修繕積立金が必要になる・駐車場に空きがなければ他で借りる必要が・上下階と音のトラブルの心配がある
新築中古
・建物・設備ともに新品で最新の機能が備わる・購入時や入居後に必要な税金が、優遇される場合がある・販売エリアや時期が限定される希望する場所で販売していないことがある・広告宣伝費などが販売価格に上乗せされるので割高になる・売り主が個人なら、広告宣伝費などが上乗せされない事が多いので割安・住宅地ならどこでも売り出される可能性があるので、立地の選択肢が多い・建物・設備が古くリフォームや交換の必要も


どれを選択するのかは、最終的には住む人のライフスタイルや価値観で決まることが多いようです。
とはいえ、夫婦で意見が分かれるなど選択に迷ったときには、自分や家族が理想とする生活をイメージしてみましょう。
  • 付き合いが苦手なのでプライバシーを重視したい
  • 近隣に遠慮することなく、子どもをのびのびと育てたい
  • 仕事以外の時間を大切にしたいので、通勤時間を短くしたい
  • ショッピングに便利な場所で暮らしたい
  • ペットと一緒に暮らしたい
  • ガーデニングや家庭菜園を楽しみたい
  • 老後は煩わしい家の管理はやりたくない

住宅の種類が固まったら、物件探しの前に資金計画を立てましょう
住宅は人生の中で最も高額な買い物。
「住宅ローンの返済額が家賃と変わらないから」といって決めてしまうと、購入後に必要なお金が準備できずに、無理な節約生活を強いられることになりかねません。 身の丈に合った購入予算を知るには、現状の家計を基準にするのではなく、今後数十年間の家計を考えた資金計画を立てましょう
つまり、
家を買った後にやってくるイベントやそれに必要な金額を把握する「ライフプラン」をもとに、購入予算を決めるのです。

■住宅以外にも必要な費用がある?



住宅購入では、物件価格以外にもさまざまな費用が必要です(下表参照)。

一般的には、物件価格の4〜7%程度の諸費用がかかり、原則として現金で支払います。

例えば、4,000万円のマンションであれば、200万円程度は現金で用意する必要があります

表2 住宅購入に必要な諸費用の一例
種類内容
印紙税売買契約書や金銭消費貸借契約書(住宅ローン)に貼る印紙代
登記費用登録免許税(所有権、抵当権設定登記など)、司法書士への報酬
事務手数料住宅ローン手続きのための金融機関へ支払う費用
ローン保証料ローンの滞納に備えて保証会社へ支払う費用(金利上乗せの場合も)
団体信用生命保険料死亡時などにローンを完済する保険(金利に含まれることが多い)
不動産取得税土地や建物を買ったときに、最初だけ納める税金(軽減措置あり)
固定資産税清算金1月1日時点の所有者が納める。引き渡し日を境に日割り計算
火災保険料火災などに備えて建物や家財に付ける保険。ローンの融資条件にも
仲介手数料仲介会社で買った時の手数料(物件価格×3%+6万円)

諸費用に加えて、頭金も用意します。
最近では、頭金なしで物件価格の100%の融資をする金融機関もありますが、住宅ローンの借入額は少ないに越したことはありません。
物件価格の10%程度の頭金は用意したいところです。
この諸費用に頭金を足したものがいわゆる「自己資金」となり、これに「住宅ローン借入額」を加えた額が、購入できる住宅価格となります。

ただし、自己資金は貯蓄のすべてを充てることは避けましょう。

住宅を買えば、新生活用の家具・家電の購入などもありますし、住宅購入後に病気で働けなくなり収入減になったときのための、ローン返済費用も見ておく必要があるからです。
そのためには、生活予備費として、会社員なら生活費の1年分程度、自営業なら1年半分程度を、手元に残すようにしたいところです。

住宅ローン借入額については、「返済負担率」といって、税込年収に占めるローンの年間返済額の割合は35%以内が目安です。

例えば年収600万円の人の場合、返済負担率35%なら年間返済額は210万円。借入期間35年、審査金利が3%だとすると、借入額の上限は約4,540万円となります。
ただし、この借入可能額は、金融機関側の融資可能額ですから、「無理なく返済できる借入額」ということではありません。
そのためにも、

将来の家計を予測したライフプランに基づく資金計画は大切。
返済負担率は25%程度に抑えておく方が安心です。

■物件を決めるときの注意点は?

戸建て、マンションともに大切なのは住環境です。
リフォームで家の仕様を変えることはできても周辺環境まで変えることはできません。

交通や買い物の利便性、教育施設や医療施設、工場からの騒音や臭気など、住まい周辺の環境は事前に確認しましょう。

また、最近では地震や豪雨による自然災害も多発傾向です。
住宅の耐震性能や地域の災害リスクなども見極める必要があるでしょう。 その他、戸建てとマンションを選ぶ際の注意点をまとめました。 
表3 戸建てとマンションの購入時の主な注意点
戸建てマンション
・陽当りや風通しの様子・備え付けの住宅の設備の種類・キッチンやリビングの収納の数や広さ・キッチンの作業スペースは十分か
・階段は歩きやすい高さと幅があるか・各部屋の窓の位置と方角・隣地との境界線・駐車場の大きさと水はけ・プライバシーと防犯(植栽やフェンス)・基本構造部の保証年数・玄関ロックの種類はキーかカードか・エントランスからの動線・エレベータなど共用部の使い勝手・防犯システムや宅配ロッカーの有無・駐車場の数・専有部の保証年数

■購入後に発生する費用にも注意を



住宅を所有すると、固定資産税などの税金を納めます。

また、マンションであれば、将来の大規模修繕や共用部の維持管理のために修繕積立金や管理費が概ね月2万円前後必要です。

戸建てでも、屋根や壁の塗替えなど、自分自身で将来のための資金を準備しておく必要があるでしょう。 また、部屋数が増えてエアコンなど家電製品が増えれば、その分電気の契約アンペア数も大きくする必要があり、電気の基本料が上がります

最近は食洗機や床暖房などが標準装備されている物件も増え、便利な半面で水道光熱費の負担増の要因です。

こういった新たに発生する費用に対応するには、家計の見直しもすすめましょう。

中でも効果的なのが「固定費」と呼ばれる保険料や通信費の見直しです。

生命保険の死亡保障(保険金額)は、住宅ローンを組むと原則として団体信用生命保険に加入しますから、保障を減額することができ、その分保険料を削減できます。 通信費も契約プランを見直すことや、大手の通信会社から格安スマホの会社に乗り換えれば節約できる可能性があります。

■まとめ


住宅購入を決めたら、現状の家計ではなく、将来の家計を予測した資金計画を立てましょう。
住宅ローンは長く返済し続けるもの。
返済不能になればせっかくの家を失うことになりかねません。
そのためにもライフプランを立て、今後必要になる費用も見極めた上で、最終的な購入予算を決めるようにしましょう。

※この記事は2020年3月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。

執筆者

高橋 浩史(たかはし・ひろし)

高橋 浩史(たかはし・ひろし)

ファイナンシャル・プランナー FPライフレックス 代表 書籍編集者を経て2011年にFP事務所を開業。マイホーム実現のため、資金計画・家計改善の面から応援する「住まいの相談FP/家計の赤字V字回復アドバイザー」として活動中。セミナー講師、書籍・雑誌、webでの執筆業務も行う。「災害に備えるライフプランニング」(近代セールス社)、「老後のお金安心ガイド」(イースト・プレス)他。趣味はバイクツーリング、ギター、落語。

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