家計
話題の【格安SIM】で、家計を圧迫する毎月のスマホ料金の節約ができるかも!?
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スマホやインターネットは、もはや私たちの生活には欠かせないツール。それだけに、月々にかかるスマホ・インターネット代等の通信費が多少高くても、「これは必要経費だから仕方ない」と思っている方も多いのではないでしょうか。
ですが、スマホ・インターネット代といった毎月必ず出ていく固定費の節約は、食費や交際費などの変動費をこまめに節約する努力を続けるよりもストレスが少なく実現でき、一度見直しすれば長期間効果が続くため、大幅なコスト削減につながります。
そこで今、特にスマホ料金の節約で注目されているのが「格安SIM」への切り替えです。今回は、格安SIMの基本知識やメリット・デメリットについて知り、毎月のスマホ料金の節約を簡単に実現する方法をご紹介します。
■そもそもSIMカードって何?スマホとSIMカードの基礎知識
まずは、「SIMとは何か」というところからご説明します。
SIMとは、スマホや携帯電話に入っているICカードのこと。一般的には、SIMカードと呼ばれています。このなかには、使用しているスマホや携帯電話の加入者情報が書き込まれており、このカードなしには電話やメール、インタ―ネットを利用することができません。つまり、SIMカードがなければスマホも携帯電話もただの「箱」というわけです。
もともと、通信事業者各社(通称:携帯キャリア)は自社製のSIMカードのみしか使えないという仕組みを採用していました。つまり、例えばA社のスマホにはA社のSIMカードしか使えなかったのです。
この点に関しては、2007年から総務省と関係各所、各携帯キャリアの間で「SIMロックを解除し、どの携帯キャリアのSIMカードでも利用可能にすべきではないか」という趣旨の議論が行われていました。
そして、2014年に「SIMロック解除に関するガイドライン」が制定され、現在では、2015年以降に発売された端末は原則的にSIMロック解除ができる仕様が採用されるようになりました。
■格安SIMって何?
SIMロックの解除=“SIMロックフリー”を推奨する流れのなかで生まれたのが、「仮想移動体通信事業者」、略してMVNOという事業者です。MVNOとは、ごく簡単にいえば、「格安SIM」と通信サービスを販売している会社のこと。MVNOは、通信設備を自社で用意せずに大手携帯キャリアから借り受けること(つまり、大手携帯キャリアの用意する通信サービスを間借りしているということです)で、大手携帯キャリアよりも低価格で通信サービスを提供しています。
格安SIMカードは、SIMロックフリーの端末であれば基本的にどれでも使用可能です。
2015年以降に販売された端末であれば、自分が使用していたものだけでなく、家族が使っていたスマホのお下がりや、家電量販店や中古家電店などで購入できる中古品でも使用できます。
端末が準備できたら、あとはMVNOの事業者ごとのサービス・料金プランを比較し、現在使用している携帯キャリアから特定のMVNOのプランに乗り換え契約を行うだけです。
■格安SIMのメリットとデメリット
・格安SIMのメリット
格安SIMのメリットは、なんといっても大手携帯キャリアが提供するインターネットのデータ通信料金との料金差です。
既存の携帯キャリアのデータ通信サービスでは、料金が月々のパックになっているケースがほとんど。そのため、なかには不要なオプションが含まれていたり、プランの選択肢が少なかったりすることもあります。
一方で、MVNOの提供する格安SIMの場合、料金はデータ通信量によって細かく決められており、自分が使う容量に合わせてスマホ・携帯代を細かく管理することができ、データ容量によっては1,000円以下の格安プランが多数存在します(※)。
※データ通信専用SIMの場合、3GB/月間の使用でほとんどのMVNOが月額900円のプランを掲げています。
・格安SIMのデメリット
格安SIMのデメリットは、端末とSIMカード・通信サービスの契約が切り離されていることによって生じるトラブルです。例えば、家族が使っていた大手携帯キャリアのスマホ端末に格安SIMを入れて使っていて、「スマホの画面をタップしても反応がない」という故障が起きたとします。この場合、このトラブルの解決に当たるのは、端末を販売している大手携帯キャリアなのか、それともSIMカードを提供しているMVNOなのか、責任の所在が曖昧になり、サポートセンターをたらい回しのような状態になるケースが起きています。また、携帯キャリアによって使用している周波数帯域が異なる関係で、端末とSIMカードの組み合わせによっては通信速度が遅くなったり圏外になったりすることもありえます。
また、MVNOはデータ通信の料金自体は格安ですが、電話料金は大手携帯キャリアもMVNOも大差はなく、よく電話を利用する人には使用する分だけ通話料金がかかってしまいます。
大手携帯キャリアであれば、各社「電話かけ放題」プランや「家族間通話無料」などのプランを揃えていますが、データ通信の安さに特化したMVNOには、このようなかけ放題プランを用意していない場合が多く、よく電話をする人は特に注意が必要です。
格安SIM | 大手携帯キャリア | |
メリット | ・データ通信料金が格安 ・データ通信料金プランが細かく用意され、使用する料金分のみのプランを選択できる ・「2年縛り」契約がなく、契約・解約・機種変更などがしやすい
| ・キャリアメール(@~ne.jp)が使える ・電話のかけ放題プラン、家族割引等がある ・電話の通話品質、通信速度が安定している ・店頭サービス・サポートの充実 |
デメリット | ・キャリアメール(@~ne.jp)が使えない ・電話の通話品質、通信速度が不安定になる場合もある ・電話のかけ放題プラン、家族割引等が少ない(※かけ放題可能なアプリを用意しているMVNOもある) ・店頭サービス・サポートが受けにくい | ・料金プランがパックになっていることが多く割高になりやすい ・「2年縛り」の契約により、更新時期以外に解約すると手数料が発生するなどの不自由さがある |
こんな人が向いている | ・電話をあまり使用しない人 ・自宅のインターネット環境(Wi-Fi)がメインの人 ・毎月データ容量が余っている人 | ・電話をよく利用する人 ・充実したサポートがほしい人 ・動画閲覧など使用データ容量が多く、通信速度の速さには拘りたい人 |
格安SIMは各個人の電話の使用状況によって節約の可能性が大きく変わります。
スマホの通信料金代を大幅に節約できる可能性がある一方、トラブル時に思わぬ手間がかかる恐れもあるのです。
※この記事は2017年2月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。