住まい
注文住宅と建売住宅の相場とは|メリットやデメリットについてもまとめてみました
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憧れのマイホームを検討する際、「注文住宅」にするか「建売住宅」にするかで悩んだことがある方も多いかもしれません。
そこで今回の記事では、いまいちど「注文住宅」と「建売住宅」の違いはもちろん、両者のメリットやデメリットについてまとめてみました。
■注文住宅と建売住宅の違いとは
一戸建て住宅は「注文住宅」と「建売住宅」に分けられますが、ここでは両者の違いについておさらいしていきましょう。
注文住宅
注文住宅は建物を建てたい場所に土地を買い、建築士と相談しつつイチから家を作り上げていきます。
そのため、希望の間取りにすることはもちろん、内装や外装も自分好みにできるのが注文住宅ならではの楽しさでしょう。
なお、新たに土地を購入した場合、建築条件付きの土地とそうではない土地が存在し、建築条件が付いている場合は施工会社を自分で選べない点に注意が必要です。
建売住宅
建売住宅は、すでに完成している土地付きの住宅を不動産会社から購入します。場合によっては建物が未完成なこともあります。
建物がこれから建つ場合でも、建築確認申請が済んでいるため、間取りをはじめとした設計を変更することは基本的にできません。
■注文住宅と建売住宅の相場について
注文住宅と建売住宅の違いについて理解したところで、気になる両者の相場について見ていきましょう。
国土交通省が実施した2019年度「住宅市場動向調査」によれば、土地を購入して新築注文住宅を建てた場合の費用が平均で4,615万円。建て替えをした場合は平均3,555万円でした。
また、分譲戸建住宅(建売住宅)の購入費用が平均3,851万円であることを考えると、土地を購入して注文住宅を建てた場合に比べて800万円ほどの差があることがわかります。
調査結果を見ても決して小さな差額ではないことから、マイホームの購入にあたっては予算とのバランスを考えつつ、身の丈に合った選択をすることが大切です。
■注文住宅のメリット・デメリット
注文住宅と建売住宅の特徴をおさらいしたところで、まずは注文住宅のメリット・デメリットについてお伝えします。
注文住宅のメリット
注文住宅のメリットとして、自由度が高いことが挙げられます。
どこに家を建てるかを決められることに加え、建物の構造や間取り、設備に至るまで自分たちの希望を取り入れられます。
また、建物を建てる段階から将来のライフスタイルを考慮できるため、子どもが巣立ったあとにリフォームしやすいような間取りとすることも可能です。
そして、建売住宅と異なり、基礎工事から家の完成まで一連の工程を自身の目で見て確認できる点も注文住宅のメリットといえるでしょう。
注文住宅のデメリット
注文住宅は自由度が高い一方で、土地を購入してから実際に家が建つまでに多大な時間を要します。
土地を探すことからはじめる場合、条件に合う土地がなかなか見つからないと家の建設工事そのものが進みません。
また、建設途中で追加工事や設計の変更が生じることも多く、当初の予算をオーバーすることも珍しくありません。
そのため、建設前の打ち合わせの時点でここだけは譲れないといった項目を整理したうえで、予算をなるべくオーバーしないような資金計画を立てておくことが大切です。
とくに各種登記費用や融資に関する費用をはじめ、地盤改良や建材の種類などは金額の増減が発生しやすいことから、入念に話し合っておくようにしましょう。
■建売住宅のメリット・デメリット
つづいて、建売住宅のメリット・デメリットについてお伝えします。
建売住宅のメリット
建売住宅のメリットとして、注文住宅よりも手ごろな価格で購入することが可能です。
注文住宅と異なり、販売価格が明確に提示されていることから予算オーバーを防ぎやすいこともポイントです。
また、建売住宅は土地と建物がセットになって販売されているため、住宅ローンも金融機関からまとめて借りられます。注文住宅と異なり、建物が完成しているので審査も通りやすいでしょう。
立地や予算がある程度決まっているのであれば、建売住宅の方が見つけやすいことに加え、購入したらすぐに入居できます。
建売住宅のデメリット
建売住宅は予算を抑えられる一方で、すでに完成していることから設計や間取りに変更を加えることが基本的にできません。
細部までこだわった家を求めている場合、希望条件に見合うような家がなかなか見つからないことに加え、場合によってはこだわりをいくらか捨てることも必要になるかもしれません。
また、注文住宅と異なり建築工事の過程を一から確認できないため、手抜き工事などに注意する必要があります。
建売住宅の購入においては、いかに信頼できる販売会社を見つけられるかがポイントとなるでしょう。
■注文住宅、建売住宅それぞれに向いているのはこんな人
ここまでにお伝えした注文住宅、建売住宅それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、それぞれに向いている人のタイプを整理しておきましょう。
注文住宅に向いている人
注文住宅に向いている人は以下のような人です。
- 一からこだわって理想の家を作り上げたい人
- 将来のライフスタイルを考慮し、リフォームしやすい家を作りたい人
- 二世帯住宅を建てたい人
建売住宅に向いている人
対して、建売住宅に向いている人は以下のような人です。
- 住宅ローンの審査に時間をかけたくない人(早く入居したい人)
- 手ごろな価格でマイホームを購入したい人
- 一からデザインするのが面倒くさく、決められたデザインの中から選びたい人
■憧れの注文住宅で生じる費用問題
注文住宅を建てる場合、切っても切り離せないのが建築費用問題です。
自由度が高い反面で、資金計画は複雑になりやすく予算オーバーになることも珍しくありません。
また、注意したいのがローンの組み方です。
基本的に建物の引き渡し時に住宅ローンの融資が実行されるため、注文住宅では「つなぎ融資」と呼ばれるローンを組むことになります。
便利なつなぎ融資ですが、金融機関側からすれば担保がないローン(抵当権未設定)となるため、通常の住宅ローンより金利が割高になりやすい点に注意が必要です。
■家を購入するならファイナンシャル・プランナーに相談しよう
今回は注文住宅と建売住宅、それぞれの概要やメリット・デメリットについてお伝えしました。
人生において大きな決断のひとつでもあるマイホーム購入。数十年単位で長く住む家であることから、将来を見越して悔いのないプランを立てることが大切です。
しかし、予算設定は思っているよりも難しく、多くの方が頭を抱えてしまうポイントでもあります。
そこで、住宅購入時に必ず生じる疑問や不安を解消するために、住宅購入前にはファイナンシャル・プランナー(FP)に資金計画について相談することをオススメします。
FPに相談することで、現状に見合った資金計画を立てられることはもちろん、収入と支出を把握し、保険や各種契約の見直しをすることもできます。
マイホームを購入すると決めたものの、まず何から始めたらいいのかわからない、希望はあるが予算が足りるのかわからないといった方はぜひこの機会に相談してみてください。
この記事が少しでも参考になっていたら、幸いです。
※この記事は2020年12月時点の法律・情報に基づき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。
執筆者
織瀬ゆり
某信託銀行退職後、フリーライターとして独立。
宅建士およびFPなど複数資格を所持しており、金融や不動産ジャンルを中心に幅広いジャンルで執筆活動を行っています。
プライベートでは2児の母として育児に奮闘中。