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マイホーム購入予算の決め方とは?住宅ローンや保険は誰に相談すべき?

マイホーム購入予算の決め方とは?住宅ローンや保険は誰に相談すべき?

マイホームを購入するときに、予算を立てずに物件を探す方は少なくありません。しかし予算を決めずに物件探しを始めると、購入予算が膨らんでいってしまい購入後の生活に不安が残る恐れがあります。

マイホームを購入するときは、事前に資金計画を立てることが大切です。資金計画を立てるためには、物件の購入費用以外にかかる費用を把握しておかなければなりません。
本記事では、マイホーム購入の資金計画を立てる際に確認すべきポイントや、決める手順をわかりやすく解説していきます。

■マイホームを購入するときは最初に資金計画を立てる




マイホームを購入する場合は、物件探しを始める前に購入予算を決めることが大切です。

物件の価格が高くなるにしたがって、魅力は増していきます。予算を決めず、先に欲しい物件を探してしまうと、購入予算は簡単に膨れ上がってしまうでしょう。

「住宅は、人生でもっとも高い買い物」といわれるほど高額です。身の丈に合わない物件を購入してしまうと、住宅ローンが返済できなくなったり、将来のライフイベント発生時に資金が足りなくなったりする恐れがあります。

以下は、住宅を初めて購入した人が住宅購入をする際に必要となった資金です。




※土地を購入した新築世帯出典:国土交通省「令和元年度住宅市場動向調査報告書~調査結果の概要~」よりニッセンライフ作成住宅の購入価格は、約2,300万〜4,300万円と高額です。また住宅を購入した人は、1,000万円前後の自己資金を準備していることがわかります。

購入後に充実したマイホーム生活を送るためには、あらかじめ予算を決めてから、その予算内で購入できる物件にすることが大切です。

■マイホーム購入時は住宅ローンの借入費用や保険料、税金の支払いが発生する




マイホームの購入予算を決めるときは、物件の価格だけでなく諸費用も考慮する必要があります。

住宅購入時の諸費用


住宅の購入時には、物件購入価格の4〜10%の諸費用がかかります。仮に物件価格が3,000万円の場合、諸費用の目安は120万〜300万円です。諸費用の内訳は、以下のとおりです。

◯住宅購入に必要な諸費用例

諸費用の例
印紙税・不動産売買契約書や住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)に収入印紙を貼付する形で納める税金
登記費用
  • ・所有権移転登記や抵当権設定登記の際に必要となる登録免許税
  • ・登記手続きを司法書士に依頼する場合に支払う報酬
仲介手数料
  • ・不動産仲介会社を通して住宅を購入した場合に発生する手数料
  • ・金額は物件価格×3%+6万円(税別)であるケースが多い
不動産取得税・不動産を購入したときに支払う税金
保証料・住宅ローンの借り入れ時に保証会社に支払う手数料
融資手数料・住宅ローンを融資する金融機関に支払う手数料
損害保険料
  • ・火災保険や地震保険の保険料
  • ・保険料は住宅や保険会社、補償内容によって異なる


諸費用の金額は、購入する住宅の種類や住宅ローンを借り入れる金融機関などによって異なります。住宅を購入するときは、新居への引越し費用や家具・家電を新調する費用も必要になるでしょう。

団体信用生命保険の保険料は金融機関負担となるケースが多い


団体信用生命保険とは、借り入れた人が亡くなったり、重い障害状態となったりした場合に保険金でローンが完済される保険です。

民間の金融機関で、死亡と高度障害のみを保障する団信に加入する場合、団信の保険料は金融機関負担となるのが一般的です。

金融機関によっては、がんや三大疾病(がん・心筋梗塞・脳卒中)などで、所定の状態となった場合に保険金が支払われる団信も選択が可能です。ただし、住宅ローンの金利に0.1〜0.3%を上乗せして保険料の支払いが必要となる場合があります。

住宅を購入したあとにどのようなリスクがあるのか、保険料を支払うことで安心できるのかなどを踏まえて、適切な団信を選びましょう。
 

頭金と手付金


頭金とは、物件価格のうち自己資金で支払う部分です。一方で手付金とは、住宅の売買契約時に買主から売主に対して支払われる金銭で、住宅が買主に引き渡されると売買代金に充当されるのが一般的です。

売買契約を締結したにもかかわらず、物件が引き渡されるまでに買主が契約を放棄する場合、手付金は売主に没収されます。※住宅ローンの本審査に落ちたことが原因で契約が破棄となった場合、手付は買主に返還される場合があります。

手付金の金額は、売買代金の5〜10%が相場です。売買代金が3,000万円の場合、手付金の相場は150万〜300万円となります。

頭金を支払われなくても、住宅ローンの借り入れで住宅は購入可能です。しかし頭金は不要でも、手付金を支払うためにまとまった資金が必要となる場合があります。

■マイホームの購入後は住宅ローンの返済や維持・管理の費用がかかる



マイホームを購入した後は、住宅ローンを毎月返済していかなければなりません。住宅ローンの返済を滞納してしまうと、最悪の場合、住宅が金融機関に差し押さえられて競売にかけられる恐れがあります。

またマンションを購入した場合、管理費や修繕積立金の支払いが必要です。車を所有している場合は、駐車場代の支払いも必要でしょう。戸建て住宅を購入した人は、将来の修繕に備えて修繕費を積み立てる必要があります。

土地や建物を所有している人は、固定資産税を支払わなければなりません。特定の地域に住む人は、都市計画税の支払いが発生します。

■マイホーム購入予算の決め方



では、住宅の購入予算はどのように決めていくのでしょうか?ここでは、マイホーム購入予算を決めるときの順序をご紹介します。

今後のライフプランを考える


住宅ローンの返済期間は、20年や30年などの長期に渡ります。ご自身やご家族が今後どのような人生を歩むのかを考えることで、住宅ローンの借入額や購入する住宅の種類を判断しやすくなります。

たとえば「将来的に子どもをもうけたい」と考えているのであれば、教育費の支払いが発生することを想定して、住宅ローンの借入額を決める必要があります。

また「子ども部屋が確保できるか」「子どもが入り込むような死角はないか」「学校や公園が近くにあるか」などを、物件選びの際に確認する必要があるでしょう。

予算内で希望に合致する物件が見つからなかった場合、条件の見直しが必要です。今後のライフプランを事前に練ることで、物件選びの際に、ゆずれないポイントと妥協できるポイントを判断しやすくなります。

住宅ローンの借入額を決める


住宅ローンは、金融機関が融資してくれる金額ではなく、ご自身が返していける金額を借り入れることが大切です。

金融機関は、住宅ローンを借り入れる人の年収や勤続年数、その他の借入状況などをもとに審査をして融資限度額を計算します。

返済される見込みのない金額を、金融機関が融資することはありません。しかし融資限度額が、あなたにとって最適な借入額であるとも限らないため、現在の状況や今後のライフプランを考えて借入額を決める必要があります。

返済途中で、勤め先の業績悪化や転職などによって収入が減少したり、教育費によって支出が増加したりしても、完済できる見込みのある金額を借り入れましょう。

頭金として準備できる金額を計算する


貯蓄や親族からの援助で、頭金がいくら準備できるのか計算しましょう。住宅ローンの借入額と頭金の合計額が、住宅の購入予算となります。

「頭金は住宅価格の1〜2割必要だ」といわれています。たしかに頭金を多く準備できれば、利息額や返済総額を減らせるでしょう。また、住宅ローンの審査に通過しやすくなる点も、頭金を多く準備するメリットです。

しかし頭金の準備に時間がかかってしまうと、住宅ローンの完済が遅れてしまいます。住宅ローンの返済が長引くと、老後の生活が苦しくなるかもしれません。

頭金を1〜2割準備できなくても、住宅ローンで購入資金を賄えます。現在と将来の両方を考えて、資金計画を立てることが大切です。

ただし購入時の諸費用や手付金は、現金で支払うのが一般的です。諸費用は、ローンで賄うことも可能ですが、返済負担が増えてしまいます。できるだけ現金で諸費用や手付金を支払えるよう、計画的に資金を準備しましょう。

また、貯蓄のすべてを頭金や手付金の支払いに充てるのはおすすめできません。病気やケガで医療費の支払いが発生した場合や、家具・家電などが壊れた場合などに備えて、生活予備資金を確保する必要があるためです。

■マイホームの購入予算や住宅ローン、保険はプロに相談しよう



住宅の購入予算を決めるのはためには、現在の収支状況だけでなく今後のライフプランも考慮しなければなりません。お金に関する専門的な知識がなければ、購入予算の設定はむずかしいはずです。

また住宅を購入するときは、住宅ローンを借り入れる金融機関や金利の種類、加入する保険など、決めるべきことが数多くあります。そこで住宅を購入するときは、FPに相談してみてはいかがでしょうか。

FPとは、金融や法律、公的制度などの知識を幅広く有しているお金の専門家です。FPに相談すると、キャッシュフロー表を作成して住宅購入予算や住宅購入の最適なタイミングをアドバイスしてくれるでしょう。



※この記事は2020年12月時点の法律・情報に基づき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。


執筆者

品木彰

品木彰

保険、不動産、住宅ローンなどの記事を執筆するフリーランスライター
大手生命保険会社、人材会社の勤務を経て2019年1月にして独立。記名記事多数。
保有資格:2級FP技能士

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