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グローバル社会の今、外貨投資に目を向ければ経済の動きが見えてくる

グローバル化が進む今、世界の経済の動きも簡単にリアルタイムでチェックできるようになりました。資産運用でも、外貨投資を視野に入れて考える人が増えてきています。
とはいえ、「外貨投資に興味はあるけど、ちょっと不安……」という人もいるでしょう。確かに外貨投資には国内投資とは異なるリスクもありますが、「外貨投資だからこそ安全」という側面もあるのです。
以下では、外貨投資の種類や安全性、メリット・デメリットなどをご紹介します。外貨投資を通じて国内外の経済の動きに目を向けると、資産運用に役立つことはもちろん、グローバル社会を生きる力になるといえます。
■外資投資とは?
外国通貨の扱いに対する規制が緩和された現代では、日本にいながらにして、外国通貨で預金したり、外国の株式や債券を買ったりすることができます。
このように、日本円を外国通貨に替え、外貨建て金融商品で運用することを「外貨投資」といいます。
◇代表的な外貨商品
【外貨預金】
日本円を外貨に替えて行う銀行預金です。通貨によっては円預金よりも金利が高く、貯蓄効率が良い場合もありますが、為替手数料が各銀行により異なり、金利より手数料が高くなってしまう場合もあるため注意が必要です。
【外貨建てMMF】
MMFは、マネー・マーケット・ファンドの略称です。運用実績による分配で複利効果が期待でき、為替手数料は外貨預金と比較して割安です。元金保証はありませんが、海外の公社債や短期金融商品を運用するため、比較的低リスクです。
【外国債券】
外国の政府や公的機関、企業などが発行する債券です。低金利が続く国内債券に比べ、高金利が期待できますが、格付け(信頼性の評価)や償還期間等によってリスクはさまざまです。
【外国株式】
外国企業が発行する株式です。各国の優良企業や成長が期待できる企業に投資できる一方、値動きが大きくリスクもあります。また、取引手数料は他の外貨商品と比較して高めです。
【外国投資信託】
外国の株式、債券、REIT(不動産投資法人)などを対象とする投資信託(ファンド)です。リスクが分散するため、外国株式に比べると安定した運用が期待できます。
■メリットと安全性
◇国内よりも金利が高い場合がある
近年、日本は低金利の状態が続いています。2016年2月には、初のマイナス金利まで導入されました。そのため、日本で資産運用を行うよりも世界を視野に入れ、より金利の高い外貨で投資を行ったほうが高い利益を得られる可能性があります。
◇為替差益を狙える
外貨投資の多くは為替相場の影響を受けます。為替が変動することによって得られる利益を、為替差益といいます。
(例)1ドル=100円のとき、1万円を100ドルに替えて預金
→ 1ドル=120円になると、100ドルは1万2,000円になる
→2,000円の為替差益が得られる
為替相場の動きを予測すれば、為替差益を狙うこともできます。これは、国内投資にはない外貨投資ならではのメリットです。
◇分散投資ができる
国内のみで資産運用していると、日本の経済が大きく揺らいだとき、運用していた資産が全てダメージを受けることになります。ですが、国内資産に加えてアメリカやヨーロッパ、アジアなど、さまざまな地域に分散して投資すればリスクも分散するので、安全性を高めることができます。
■デメリットとリスク
◇手数料が高め
外貨投資は、一般的に国内投資に比べて手数料が高めです。また、円から外貨に交換するときに、「為替手数料」も発生します。このように、手数料によって投資の実質的な利益が減ってしまうことは外貨投資のデメリットの1つです。ただし、一部のネット銀行では、大手銀行より大幅に手数料が安い場合があります。
◇カントリーリスク
海外との取引において、相手国の政治・経済・社会などの情勢変化による思わぬ損失を受けることを「カントリーリスク」といいます。例えば、戦争が始まったり、政権が変わったりすることで、所有していた株が大暴落する恐れもあるのです。カントリーリスクは外貨投資のデメリットといえますが、リスクを下げるために相手国や周囲の情勢をよく確認することは、グローバルな経済感覚を養うことにつながります。
◇為替リスク
為替相場の動きは、前述のように利益(為替差益)を生むこともありますが、損失(為替差損)を生むこともあります。外貨投資を行うときは、為替相場の動向に注意して、「円高で預け、円安で引き出す」ことを意識しましょう。
■安全に外貨投資するための心構え
外貨投資には上記のようにデメリットもあり、無計画に手を出すと確かに危険です。
ですが、上手に行えば資産を増やしたり、投資の安全性を高めたり、グローバルな経済センスを身につけることもできます。
最後に、外貨投資を安全に始めるための3つの心構えをご紹介します。
①くれぐれも資産の大部分を投資したりせず、余裕資金を使い、配分を決めて行う
②外貨商品に対する知識を付け、分散投資を心がける
③年に一度は資産配分を見直しながら、長期的なスタンスで臨む
上記の心構えを念頭に、安全な資産運用を行いましょう。
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