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自宅の相続税対策はどうする?相続税評価額が8割引されるかどうかの分かれ道

自宅の相続税対策はどうする?相続税評価額が8割引されるかどうかの分かれ道

税制改正による平成 27 年からの相続税増税により、今までより多くの人が相続税の課税対象になりました。特に地価の高い都市圏では、自宅とわずかな預貯金だけという人でも相続税の申告義務が生じかねませんが、土地相続の際に、税金の評価額が 8 割引になることがあるのをご存知ですか?
その土地がどう使われていたのか、誰が相続するのかなどによって、相続税の金額は大きく変わります。
今回は、土地相続の際の税金が 8 割引になるかどうかの分かれ道となる、「小規模宅地等の特例」についてご説明します。

■ 相続税評価額が 8 割引になるための条件


土地相続の際、その土地の評価額に応じてかかる税金が相続税です。しかし、まともに税金を課していたら「税金を支払えないから、相続せずに家や土地を売る」といったケースが発生してしまいます。そういった事態を防ぐために、相続税などの税金がかかる土地に対し、その評価額を大きく減額する制度があります。それが、「小規模宅地等の特例」です。
「小規模宅地等の特例」では、土地の所有者で亡くなった人、つまり被相続人が住んでいた自宅の土地 330 平方メートルまで(平成 27 年 1 月 1 日以降に相続が開始された場合)を「特定居住用宅地等」として、その土地の評価額を 8 割減額します。たとえば本来の評価額が 1 億円の土地に「小規模宅地等の特例」を適用した場合、相続税の課税価格は 2,000 万円となります。
この「小規模宅地等の特例」で、自宅の土地が「特定居住用宅地等」に該当するかどうかについては、被相続人に関する条件と、相続人に対する条件、2 つの条件をクリアする必要があります。

■ 老人ホームで暮らしていた場合は?二世帯住宅の場合は?



土地相続において「小規模宅地等の特例」が適用されるには(※自宅の土地が「特定居住用宅地等」の場合)、被相続人が亡くなった時点で、その土地に生活の拠点を置いていた必要があります。

・病院に長期間入院していた場合
元の自宅を誰か他人に貸していなければ、自宅は「その人の生活拠点だった」と認められます。

・持ち家が 2 つあった場合
どちらか一方のみが生活拠点として認められます。どちらが生活拠点として認められるかは、生前の生活状況によって判断されます。

・老人ホームで暮らしていた場合
老人ホームの所有権や終身利用権を取得して完全に生活拠点を移していた場合や、元の自宅を他人に貸したり住まわせたりしていた場合、自宅は生活拠点として認められず、「小規模宅地等の特例」は適用されません。終身利用権などを取得しておらず、いつでも自宅に戻り住むことができるように自宅が維持・管理されていた場合は、老人ホームに入所していても生活拠点は自宅にあったと認められます。

例外として注意したいのが二世帯住宅です。たとえば 1 階が親名義、2 階が子ども名義になっているなど、区分所有登記されている場合は、敷地の全体に対して「小規模宅地等の特例」が適用されません。二世帯住宅の場合は、土地相続のことを考えて親名義や共有名義で登記しておくのがいいでしょう。

■ 相続する人に特例が適用されるかチェック



土地相続で「小規模宅地等の特例」を受けるためには、上記の条件をクリアした上で、相続人についての条件もクリアしなければなりません。

・相続人が配偶者の場合
相続人が被相続人の配偶者の場合は、無条件で「小規模宅地等の特例」が適用されます。

・相続人が同居親族の場合
被相続人と同居していた子どもなどが相続する場合、「小規模宅地等の特例」が適用されるには、相続が開始されてから相続税の申告期限である 10 ヶ月間、その土地を所有し続け、かつ住み続ける必要があります。

・相続人が別居親族の場合
相続人が別居親族の場合は、被相続人に配偶者、あるいは同居親族がいなければ「小規模宅地等の特例」が適用されます。ただし、「相続開始前 3 年以内に、相続人が本人あるいは配偶者の所有するマイホームに居住していない」、「相続税の申告期限まで土地を所有し続ける」という 2 点をクリアする必要があります。

いかがでしたか。「小規模宅地等の特例」は土地相続における税金をかなり減額できる制度ですが、上記の条件をクリアしなければなりません。上記の例のほかにも、「介護のために一時的に相続人が実家に戻っていた場合」、「相続人は単身赴任しており、相続人の家族が被相続人と同居していた場合」など、判断が難しいケースは多数あります。判定要件は複雑なため、自分のケースがどのような条件に当てはまるのか不安な場合は、税務署の電話相談センターや各自治体の無料税務相談などを利用し、専門家に確認することをおすすめします。

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