住まい

自分の死後、家はどうする?子どもの負担にならないように考えておくべきこと

自分の死後、家はどうする?子どもの負担にならないように考えておくべきこと

親の死後、子どもたちが財産分与で揉めてしまう、というのはよく聞く話です。最近は家族であっても人間関係が複雑になり、トラブルとなるケースが増えているといいます。特に実家である持ち家の処分をどうするのかは、遺された子どもの頭を悩ませる最大の問題といえるでしょう。

■死後、誰が住むのか?名義は誰の名前になるのか



親の死後に行われる財産分与の中でも、実家である持ち家を誰が相続するかは大きな問題です。
特に子どもが複数人いる場合、それぞれの実家への思い入れから、「実家が誰のものになるのか」、「そのまま維持するのか、処分するのか」といった点について意見が食い違い、揉め事に発展してしまうケースがあります。
さらに、相続された不動産の名義変更には期限がないため、財産分与された実家を親名義のままにしておいても、法的には特に問題はありません。しかし、口約束だけで誰が相続するかはっきりしないまま放っておいているうちに、話が複雑化してしまうこともあります。
たとえば、「実家に住む長男が財産分与で相続したが、実家には次男もそのまま住んでいる」といったケース。兄弟仲が良好なままである場合や、次男がそのうち家を出ることが分かっている場合などはいいのですが、兄弟が不仲になったり、長男が死亡してその子どもが実家を相続したりした際に、実家の処分をめぐって大きなトラブルになってしまうことが考えられます。

■空き家になったら・・維持費はどれくらいかかる?

一人っ子であるケースや、話し合いで実家の相続がスムーズにいったケースであっても、実家の相続が遺された子どもにとって負担となる場合があります。特に、子どもが実家から離れた土地で暮らしており、実家が貸家などに適さない住宅の場合、財産分与後の実家を処分しきれず、空き家にしてしまうケースも多くみられます。
定期的に人が出入りしなければ、建物はどんどんと荒れていきますし、景観や治安の悪化を招いてしまいます。排雪や草刈りなどのために年に何度か訪れたり、不動産会社などに委託したり、何らかの方法で管理しなければなりません。そのほかにも、固定資産税や住民税、火災保険料など、空き家を維持するにはさまざまな費用がかかります。
では、建物を取り壊して更地にすればいいかといえばそうでもなく、更地にした途端、固定資産税は3~6倍に跳ね上がってしまいます。これは、土地が住宅用地の場合には「固定資産税等の住宅用地の課税標準の特例」によって固定資産税が3~6分の1に軽減されているためで、建物が取り除かれた際には土地が住宅用地であると認められなくなるからです。
さらに、国土交通省は平成26年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」を定めており、建物の状態や電気・水道などの使用状況から「特定空家等」を指定していくことになっています。この「特定空家等」に指定されると同じように「固定資産税等の住宅用地の課税標準の特例」から外れることになっており、固定資産税が跳ね上がることになります。
国としても、空き家の全国的な増加を懸念してこのような措置を講じているわけです。

■自分の死後、家をどうするか決めておく


このように、実家の処分について子どもたちが困らないためにも、生前からしっかりと備えておくことが重要です。
最も大切なのは、「自分の死後、家をどうするか」という方針を決めておくことです。先祖代々受け継いできた家を残していきたいと考える場合には、どうすれば子どもの負担を少なく維持していけるのかという方法を考えましょう。
処分するのであれば、子どもたちにその旨をしっかり伝えておくことだけでもしておきたいものです。自らの財産についてきちんと把握しておき、誰がどのように相続するかを家族間で話し合っておきましょう。「死んだ後の話なんて縁起でもない」、「財産分与はお金のことだから話しづらい」と敬遠するのではなく、親子でじっくり話し合う機会を持つように心がけることが大切です。

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