家計

家計見直しの“王道”は固定費の見直しから!

家計見直しの“王道”は固定費の見直しから!

新型コロナウイルスの影響は家計にも現れてくると考えられます。
深刻な状況になる前に、少しでも家計を引き締めておきたいもの。
家計見直しの“王道”である固定費の見直しについて考えてみましょう。

■固定費とは?

表1は「家計調査」のデータです。
消費支出に加えて住宅ローンと保険料もまとめてみました。

表1 消費支出の内訳(費用は円単位)

項目 平均 世帯主の年代
29歳以下 30代 40代 50代 60代
持家率(%) 78.3 28.8 64.1 77.2 85.6 88.6
住居費 18,200 33,635 22,943 16,959 16,500 16,658
通信費 16,538 12,308 14,953 17,665 19,182 13,932
教育費 19,131 5,021 13,641 29,329 25,888 2,680
交通費など(車関係費含む) 34,970 18,973 34,217 36,216 38,000 33,272
食料 76,090 52,480 68,266 79,339 78,939 77,308
光熱・水道 21,771 15,750 18,825 21,948 23,119 22,929
家具・家事用品 11,338 9,597 10,896 10,861 11,967 11,987
被服及び履物 13,072 9,515 13,085 14,250 14,102 10,977
保健医療 11,973 9,135 10,705 10,846 12,653 13,978
教養娯楽 29,838 17,171 28,901 34,398 28,455 28,275
その他(交際費ほか) 62,394 31,458 44,462 52,143 82,631 70,145
合計 315,314 215,043 280,895 323,954 351,434 302,142
住宅ローン 36,977 15,742 43,251 49,330 38,609 17,334
保険料 23,849 12,741 22,175 26,135 28,387 17,050


家計支出は、固定費と変動費(やりくり費)の2つに分けられます。

固定費は毎月ほぼ確実に支出される費目で、変動費と異なり、やりくりをがんばっても減らすことができないものです。

表1のうち、青く色を付けた費目(住居費・住宅ローンや通信費、教育費、保険料、車関係費など)が、主として固定費に分類できるものです。

家計の節約の際には、まずはこうした固定費から見直すのが“王道”とされています。

その理由は、固定費は見直しの効果が大きく現れやすく、やりくり費と異なり、1度見直しをすると効果が持続するためです。

■主な固定費の削減方法

では、主な固定費の削減方法を考えてみましょう。

<1>住居費は住み替え、住宅ローンの見直しで低減を



家計のバランスをとるためには、住居費は手取り収入のおおむね3割以内が理想です。

これを超えている場合は、貯蓄ができない状態に陥っている可能性があります。

家計のバランスをとるためには、住居費は手取り収入のおおむね3割以内が理想です。
これを超えている場合は、貯蓄ができない状態に陥っている可能性があります。

  • 賃貸なら住み替えをして毎月のコストを落とす
  • 持ち家なら住宅ローンの借り換えを検討する


のいずれかを検討してみましょう。

ただし、賃貸で引越しをする際は引越しコストを吸収できるかどうかがネックです。

ある程度大きく家賃が下がるか、実家へ入って家賃がかからないなどでない限りはムダな引越しになってしまう場合もあるので注意しましょう。
むしろ、更新の際に家賃交渉をして少しでも下げてもらうことを検討するのも手です。

住宅ローンについては、借り換えで金利負担を軽減できないか検討してみましょう。

金利タイプが同じものでも金利差が少しでも(0.1%程度でも)あれば、試算をして比較してみましょう。変動金利→変動金利の借り換えでも、優遇幅(基準金利から何%引いてくれるか)の関係から有利になるケースもあるかもしれません。
ただし、借り換えコストがかかりますので、試算による確認が必要です。

<2>通信費は格安スマホで賢く削減




通信費の節約方法としては、次のような点を検討してみてはいかがでしょう。

通信費は格安スマホで賢く削減
通信費の節約方法としては、次のような点を検討してみてはいかがでしょう。

  • スマホの場合は料金プランを見直す
  • 大手通信会社のスマホを格安スマホや格安SIMへ変更
  • 有料アプリの使用を減らす
  • 通話はLINE電話を使う
  • 自宅の固定電話が不要ならなくす
  • インターネット回線も比較して見直しを検討
  • NHK受信料の支払い方を見直す
  • 通信費はクレジットカード払いにする


キャッシュレス時代にはスマホは欠かせないものとなっていますが、費用負担が大きいのも正直なところ。
総務省も料金引き下げを後押ししていますが、上手に引き下げを検討していきましょう。

<3>生命保険は現状を把握し必要な保障を残そう



生命保険は家族の状況に合わせて見直しが必要です。



生命保険は現状を把握し必要な保障を残そう
生命保険は家族の状況に合わせて見直しが必要です。

子どもが生まれたときや住宅購入時、子どもの教育にめどがついたときなどには必ず見直しをしましょう。
あるいは、5年に1回など定期的に見直しをするのも一法です。

保険の場合は、保障不足の場合は節約につながらないケースもありますが、保障不足で何かあったときの方が問題ですので、しっかり見直しをしましょう。

高額な死亡保障が必要な時期は、リスク細分型(非喫煙優良体)の収入保障保険を利用すると割安にカバーできます。

禁煙して2年経ったという人は、保険料を比較してみるのも手です。

医療保険やがん保険も、医療の発達に沿って保障内容が進化していますので定期的な見直しが有効です。

<4>教育費は貯蓄と並行できる範囲で


子どもの教育資金は、児童手当なども含め300万~500万円を目標に中学卒業をめどに貯め終えましょう。そのための貯蓄と並行しておこなえないようであれば、習い事などを減らすことも検討しましょう。
とくに、塾と習い事を複数掛け持ちしている場合は、子どもの希望なども加味しつつ、絞り込みを。

大学の学費は低所得層を中心に給付型奨学金がスタートしましたが、該当しない人は自力で教育資金の準備をしておくことが大事です。
とくに、私立中高大一貫校を検討する場合は家計に負担がないか、信頼できるFPにキャッシュフローなどを作成してもらうと安心です。

<5>車関係費も見直しを



車が必需品であれば仕方がありませんが、そうでなければ手放すことも考えてみましょう。

週末ドライバーならレンタカーやカーシェアリングを利用するのも一法です。

自動車保険も見直しをして、より有利な商品を見つけましょう。
更新が近くなったら、ギリギリではなく、余裕をもって比較してみましょう。
代理店型より通販型の方が、保険料を抑えられることが少なくありません。
複数の見積りを取って比較しましょう。

■まとめ


固定費の見直しについて見てきましたが、一気にすべてはできませんので、上記5つのうち、まずはできるものから実行してみてください。

いくつか重ねてみなおせば、きっと家計のスリム化につながるはずです。

忙しくて自分で調べたり比較したりすることができない、あるいは苦手だという方は、信頼できるFPに相談して客観的なアドバイスを受けるのもいいですね!

※この記事は2020年4月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。

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