教育・子育て

マイナンバーを活用した子育てワンストップサービスとは?利用方法や注意点を解説

マイナンバーを活用した子育てワンストップサービスとは?利用方法や注意点を解説

子育て世帯の皆さんは「子育てワンストップサービス(ぴったりサービス)」をご存知でしょうか?

子育てワンストップサービスとは、マイナンバーカードを保有している子育て世帯向けのオンラインサービスです。

サービスの利用で、保育園の入園申し込みや児童手当の利用申請などがオンライン上でできるようになります。

当記事では

  • 子育てワンストップサービスの内容・利用方法
  • サービス活用時の注意点
  • マイナンバーカードを持つメリット


について、わかりやすく解説していきます。
マイナンバーカードを持っている方、これから持とうと思っている子育て世帯はぜひ、参考になさってください。

■ 子育てワンストップサービスとは



子育てワンストップサービスとは政府のオンラインサービス、マイナポータル上で提供される「ぴったりサービス」のうち、子育て世帯向けサービスのことです。



マイナポータルはマイナンバーカードを活用し、行政の各種手続きや情報の閲覧をより手軽に・身近にするために導入されました。

したがってマイナポータルの利用にも、子育てワンストップサービス(ぴったりサービス)の利用にも、マイナンバーカードは必要です。

ただし子育てワンストップサービスのうち、子育て情報の検索など簡単なサービスであればカードなしで利用することができます。

ここでは子育てワンストップサービスの内容や利用方法をご案内していきます。
サイトを見ながら、実際に検索などしてみてくださいね。

サービスの内容・できること


子育てワンストップサービス(ぴったりサービス)のおもな内容は、以下の 3 つです。

①子育てに関する制度や手続きの簡単検索

お住まいの自治体で受けられる子育ての各種制度・手続きを簡単に検索できます。
マイナンバーカードがなくても、サイトから簡単に検索可能ですよ。
「ぴったりサービス」サイト
https://app.oss.myna.go.jp/Application/search

< 3 つの検索方法で調べられる>
  • ぴったり検索:簡単な質問に答えてご自身に必要な手続きを調べられる
  • キーワード検索:キーワードを自由に入力して調べられる
  • 一覧から検索:住んでいる自治体で手続き可能な制度・手続きを一覧で調べられる

子育てに関する手続きのオンライン申請



子育てに関する各種手続きを、オンラインで申請可能です。
なおオンライン申請を利用するためには、マイナンバーカードが必要となっています。

<おもな申請可能手続き>

  • 母子保健の手続き:妊娠届出の提出など
  • 児童手当の手続き:児童手当の受給申請や現況届の提出など
  • 保育の手続き:認可保育園(所)入園申し込みの申請など
  • ひとり親支援の手続き:児童扶養手当の受給申請や現況届の提出など

※申請可能な手続きは自治体によって異なります


③ 申請書のオンライン入力、印刷



子育てに関する手続きの一部は、オンライン上で申請書を作成して印刷することができます。
就労証明書の作成などは、マイナンバーカードなしでも利用可能です。

あらかじめ作成した申請書を窓口に持っていけるので、できる限り手続きの申請をスムーズにできるようになります。

3 つのサービスで子育て世帯にとくに役立つのは、② のオンライン申請でしょう。
たとえば児童手当の届出は、子どもが生まれてから 15 日以内に申請しなければ、生まれた月からの支給を受けられません。
しかし母親が産後間もない時期に役所に行って手続きするのは、大変ですよね。
ひとり親家庭や、父親が仕事で多忙な家庭の場合、父親に手続きを頼むことも難しいはずです。

また妊娠の届出についても、つわりが酷くて出かけられない方や、仕事が平日のため、役所に行く時間がなかなか取れないという方もいらっしゃるでしょう。

このように妊娠中の母親や小さい子連れがいるご家庭では、窓口での手続きは大変です。

子育てワンストップサービスのオンライン申請を利用すれば、こうした各種手続きをもっと手軽にできるようになりますよ。

出典:「ぴったりサービスの概要」ぴったりサービスホームページより
https://app.oss.myna.go.jp/Application/resources/about/index.html

「社会保障・税番号制度〈マイナンバー〉 子育て中のあなたへ」政府広報オンラインより
https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/mynumber2019/kosodate/

サービスの利用方法


すべての子育てワンストップサービスを利用するためには、

  • マイナンバーカード
  • インターネット接続可能なパソコン・スマホ端末(「マイナポータル AP」という専用アプリのインストールが必要)
  • (カードの読み取り機能がない端末の場合)IC カードリーダー

が必要です。
子育てに関する手続きを検索するだけであれば、マイナンバーカードの利用は必要ありません。
しかし先述したオンライン申請など、すべてのサービスを利用するためにはマイナンバーカードが必須です。

マイナンバーカードを持っていない場合は、カードの交付申請をしましょう。

マイナンバーカードの申請方法

マイナンバーカードの交付申請には、「個人番号カード交付申請書」が必要です。
個人番号カード交付申請書とは、マイナンバーの通知カードの下部についていた QR コード付きの用紙です。

▼ 通知カードと個人番号カード交付申請書の見本例 ▼



画像・内容出典:「通知カードについて」マイナンバーカード総合サイトより見本図を引用
https://www.kojinbango-card.go.jp/tsuchicard/
上記の交付申請書が手元にある方は、スマホやパソコン、郵便による交付申請が可能です。
なおカードの申請から交付まで、1 か月程度はかかりますので、ご留意ください。

「通知カードはあるけど、交付申請書がない」という方は、お住まいの自治体窓口で新しい交付申請書の交付を受けるか、「手書き交付申請書」を使用した申請が可能ですよ。
▼ 手書き交付申請書 ▼
https://www.kojinbango-card.go.jp/hpsv/wpmng/documents/tegaki-kofu-shinseisho.pdf
出典:「FAQ-マイナンバーカードの申請を行う交付申請書を紛失してしまった場合どのようにすればよいでしょうか?-」マイナンバーカード総合サイトより
https://www.kojinbango-card.go.jp/faq/

■ 子育てワンストップサービスの注意点


子育てワンストップサービスを利用する際の注意点は、全国の自治体で対応しているわけではなく、自治体によってサービス提供範囲が異なるということです。

そのためサービスを利用する際は、お住まいの自治体で利用できるサービスは何かをしっかり確認するようにしてください。

なお自治体によるサービス提供格差は、今後マイナンバーカードがもっと普及していけば徐々になくなっていくと思われます。

政府は後述する「マイナポイント」の促進などで、マイナンバーカードの普及に努めています。

マイナンバーカードが普及すればマイナポータルの利用者も増えるでしょうし、子育てワンストップサービスもより拡充していくはずです。

そうすれば、すべての自治体で使いやすいものになるのではないでしょうか。

■ マイナンバーカードを持つメリット 5 つ



子育てワンストップサービスの利用に必要なマイナンバーカードですが、カードを持つことでさまざまなメリットを得ることができます。

<マイナンバーカードを持つ5つのメリット>

  • ①本人確認書類・身分証明書として利用しやすい運転免許証やパスポートなどの顔写真付き証明書がない方は、とくに使いやすい
  • ②コンビニなどで住民票など公的な証明書を取得できる 印鑑登録証明書、住民票記載事項証明書、各種税証明書、戸籍証明書も取得できる
  • ③子育てワンストップサービスのほか、マイナポータルの各種サービスを利用できる 行政機関などが保有する自身の情報(世帯情報・税・社会保障など)を確認したり、行政機関からの各種お知らせを受け取れたりする
  • ④ネット(e-Tax)での確定申告が可能個人事業主の場合、2020年からe-Taxで確定申告をすれば、基礎控除額を10万円増やせる
  • ⑤2020年9月開始の政府主導キャッシュレス決済事業「マイナポイント」を活用できるSuicaやPayPayなど、対象キャッシュレス決済の利用で25%分、上限5,000円分のポイント還元を受けられる
とくにおすすめしたいのは、⑤ のマイナポイント活用です。キャッシュレス決済によるポイント還元と言えば、2019 年の消費税増税後に開始した「キャッシュレス・消費者還元事業」がありますよね。しかし本事業は 2020 年 6 月末で終了しました。2020 年 7 月以降も引き続きキャッシュレス決済を利用するのなら、2020 年 9 月から開始するマイナポイントを活用しましょう。

【2020 年 3 月最新】「マイナポイント」はいつからいつまで?利用期間や使い方を解説

■ まとめ


マイナンバーカードの取得を考えている子育て世帯は、この機会に「子育てワンストップサービス」を利用してみましょう。

子育てワンストップサービスを利用すれば、児童手当の受給手続きや保育園(所)の入園申し込みなどがオンラインで申請できます。

2020 年 7 月現在は、自治体によってサービスの提供状況が異なるという注意点があります。
しかし今後マイナンバーカードの普及に伴い、子育てワンストップサービスはもっと活用しやすいサービスになっていくでしょう。

マイナンバーカードがあれば、2020 年 9 月開始の「マイナポイント」によって、キャッシュレス決済によるお得なポイント還元を受けることも可能です。

さまざまなメリットがあるマイナンバーカードを取得し、子育て中のさまざまな手続き負担をもっと楽にしていきましょう。

※この記事は 2020 年 7 月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。

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