家計

50歳以上は様式が違う!?ねんきん定期便を確認して老後の備えを確実にしよう

50歳以上は様式が違う!?ねんきん定期便を確認して老後の備えを確実にしよう

毎年、誕生月に日本年金機構から送られてくるのが「ねんきん定期便」です。これまでの年金加入期間や保険料納付額などの年金記録が記載されているねんきん定期便ですが、50 歳以上になると少し様式が変わります。年金給付が近づいてきた 50 代からのねんきん定期便の見方をご紹介します。
(参照:[日本年金機構「ねんきん定期便関係」](https://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/teikibin/))

■ ねんきん定期便に記載されている項目の見方



ねんきん定期便には、50 歳未満の人が受け取るハガキと 50 歳以上の人が受け取るハガキ、さらに所定の年齢のときに受け取る封書の 3 種類があります。
50 歳未満の人が受け取るねんきん定期便のハガキには、「これまでの年金加入期間」、「これまでの加入実績に応じた年金額」、「最近の月別状況」、参考として 「これまでの保険料納付額」が記載されています。対して、50 歳以上の人が受け取るねんきん定期便のハガキには、「これまでの加入実績に応じた年金額」の項がない代わりに、「老齢年金の年金見込額」が記載されています。

● これまでの年金加入期間
年金に加入していた期間が記載されます。保険料免除や納付猶予を受けていた期間も加算されています。

● これまでの加入実績に応じた年金額
50 歳未満の人に送られるねんきん定期便に記載されている項目です。これまでに支払った保険料に応じた年金額が記載されています。あくまでも「支払った分」に関するものなので、支払ってきた保険料が少ない人ほど金額は少なくなっています。この年金額は、これから保険料を継続して支払っていくことで増やしていくことができます。

● 老齢年金の年金見込額
50 歳以上の人に送られるねんきん定期便に記載されている項目です。このまま継続して保険料を納めていくことで受け取れる年金の見込額が記載されています。あくまでも見込額なので、未納などで事情が変わるとこの金額も変わることになります。特別給付など、既に老齢年金を受け取っている人には通知されません。また、この見込額は厚生年金基金から支給される額を除いて計算されているため、厚生年金基金に加入している人は注意しましょう。

● これまでの保険料納付額
参考として、これまでに収めた保険料の額が記載されています。厚生年金保険の免除保険料(会社の保険料負担額)は含まれていません。

● 最近の月別状況
直近の月別状況が記載されています。転職や結婚などによって加入状況が変わった場合などに、誤りや漏れがないかチェックすることができます。

■ 封書のねんきん定期便には何が同封されて


年金の受け取りには一定の加入期間が必要となりますが、その節目の年齢である 35 歳や 45 歳、年金受け取りが間近に迫った 59 歳のときには、ねんきん定期便が封書で送られてきます。通常ハガキで通知される項目に加え、厚生年金保険や国民年金の加入履歴がある人に対しては「これまでの厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況」や「これまでの国民年金保険料の納付状況」などが通知されます。また、年金について詳しく記載されたパンフレットや、年金加入記録に誤りや漏れがあった際に提出する「年金加入記録回答票」なども同封されています。

■ ねんきん定期便をしっかりチェックして、ライフプランを組み立てよう



50 代になり、年金の給付を受ける年齢に近づいてくると、「実際どのくらいの額を受け取れるのだろう」と気になる方が多いのではないでしょうか。50 歳以上の人に送られるねんきん定期便では、老齢年金の種類ごとに何歳から年間いくらの年金が受け取れるのか、わかりやすく記載されています。「思っていたよりも金額が少ないな」などあらかじめ足りない年金額や期間の目安を知ることができれば、年金受給開始以降も仕事を続けることを検討したり、老後資金の備えを上乗せしたり、何かしらの対策を取ることもできます。若いうちは、つい毎年届くねんきん定期便をおろそかにしてしまいがちですが、50 代の人はねんきん定期便にしっかりと目を通し、間近に迫った老後のライフプランを組み立てることが大切です。
また、年 1 回届くねんきん定期便だけでなく、日本年金機構の「ねんきんネット」サービスを利用することで、いつでも自分の年金記録の確認や年金見込額の細かい試算をすることができます。前項で触れたとおり、厚生年金基金の加入者はその支給額がねんきん定期便の見込額に反映されないため、実際の支給額よりも低い年金額が表示されることになりますが、ねんきんネットではその支給額も含めた計算ができるのです。とくに、1980 年代に会社員だった 50 代の人は厚生年金基金に加入しているか、加入していたことが多いためぜひ活用しましょう。
常日頃から自分の年金記録をしっかりと管理し、誤りや漏れがないかをチェックし、将来の年金見込み額を確認しておくことで老後の備えに対する意識を持ち続けることが大切です。

※この記事は 2016 年 9 月時点の法律・情報にもとづき作成しております。

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