家計

【2017年8月から!】もらえないと諦めていた人は要チェック!年金受給資格期間が10年に短縮!?

【2017年8月から!】もらえないと諦めていた人は要チェック!年金受給資格期間が10年に短縮!?

【2017年7月追記】
2017年8月1日から、改正年金機能強化法が施行されることになりました。
施行により、2017年8月1日時点で「資格期間が10年以上25年未満の方」で要件に該当する方は、新たに年金を受け取れる可能性があります。
該当者には、日本年金機構より年金請求書が順次郵送されています。送付時期や対象者について、詳細は日本年金機構のホームページをご確認ください。
参照:日本年金機構 「必要な資格期間が25年から10年に短縮されます」
この年金請求を契機に、いわゆる消えた年金記録が見つかるケースもありえます。自分が対象になるのかどうか、この機会に確認しておきましょう。
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現在、年金の受給資格を得るための受給資格期間は25年で、これに満たない場合は原則として年金を受け取ることができません。そのため、今まで年金を受け取ることができない人が一定数とはいえ存在していました。

2016年9月26日の政府の臨時閣議において、年金の受給資格期間を10年に短縮する法案が閣議決定されました。この法案が11月16日の衆院本会議でも可決され、2017年9月分(初回支払いは10月)から改正年金機能強化法が適用されることになりました。

これまで年金がもらえないと諦めていた人も、もらえる可能性が出てきました。ここでは、そんな年金制度について見直します。


■年金を受け取ることができる条件



年金を受け取ることができる条件は、大きく分けて2つあります。ひとつは、前述し受給資格期間。もうひとつは、受給年齢です。

日本の老齢基礎年金は、受給年齢が65歳となっています。場合によっては60歳~64歳の間での繰り上げ受給や、66歳~70歳の間での繰り下げ受給も可能ですが、原則として65歳から受給できることになっています。

しかし、65歳になっていても年金を受け取ることができないケースもあります。それが、受給資格期間を満たしていない場合です。受給資格期間は保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間を合わせた期間のことで、現在の法律では25年間となっています。つまり、受給資格期間が25年に満たない場合は、65歳以上であっても年金を受け取ることができないのです。



今回の改正年金機能強化法では、受給資格期間が25年から10年に変更されました。これにより、受給資格期間が10年以上24年以下だった人も、新たに年金を受給できる資格を得ることができました。この変更によって、基礎年金だけで40万人、厚生年金も合わせると64万人ほどの人々が、新たに年金を受け取ることができようになるとされています。


■加入期間による受給額の違い



老齢基礎年金の受給額は、年金額(満額)×20~60歳までの保険料納付済月数/480で計算されます。つまり、受給資格期間が10年に短縮されたからといって、25年以上年金に加入している人と同額がもらえるというわけではありません。以下に、具体的な受給額の例をご紹介します。

・年金の加入期間が10年の場合

平成28年度の年金額の満額は、780,100円です。これを上記の式に当てはめると、概算は780,100円×10年×12カ月/480=195,000円となります。これは年額であるため、毎月の支給額はおよそ16,000円となります。



・年金の加入期間が25年の場合

前述のとおり計算すると、概算は780,100円×25年×12カ月/480=488,000円となります。こちらも年額であるため、毎月の支給額はおよそ41,000円となります。



上記の概算受給額は、老齢基礎年金だけに加入している場合の金額です。厚生年金に加入している場合には、厚生年金での受給額もプラスされます。

■老後の生活を楽にするためにも、加入期間の見直しを

前述したように、年金の加入期間が10年の場合と25年の場合では、受給額に大きな差があります。とはいえ、加入期間の短縮にはそれなりのメリットがあるといえます。

定年を迎えて退職したあと、悠々自適な生活を送れる人はそれほど多くありません。「老後破産」という言葉に表されるように、老後に生活が苦しくなるというケースも少なくありません。そうした生活のなかで、月に16,000円程度とはいえ年金を受け取ることができるようになるのは大きなメリットであるといえます。

これまで25年に満たないからといって年金に加入していなかった人でも、年金受給資格期間が10年に短縮されたことで年金を受け取れる可能性が出てきました。「加入期間に満たない」と諦めていた人も、受け取れるか否かを見直してみることが大切といえます。




※この記事は2016年12月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。

※2017年8月1日の改正年金機能強化法施行に伴い、2017年7月に内容を更新しております。



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監修者

奥村 浩文(司法書士・行政書士・社会保険労務士)

奥村 浩文(司法書士・行政書士・社会保険労務士)

おくむら総合法務事務所代表 大学卒業後、司法書士・行政書士・土地家屋調査士事務所勤務を経て、家業の総務担当取締役に就任。2005年より現職。トリプルライセンスを活かして、一人のお客様を多角的に支援し、幅広い司法行政手続をワンストップサービスで提供しています。

【監修者コメント】今回の改正によって今まで年金を受給できなかった方が受給できる可能性が生まれました。年金が受給できていないという方には、あらためてご自身の年金記録やその理由のご確認、ご検討をお勧めします。あと少しで10年に足りないという方も任意加入、保険料後納制度、免除期間の届出や申請で受給資格期間が増え、受給に届くケースもありえます。リタイア後に受ける年金の有無は、少額といえども生活に大きく影響します。過去になにかしらの理由で年金保険料を払っていないという方や、これから保険料を支払うことができるとお考えの方は、お近くの年金事務所で可能性を探ってみる価値があるかもしれません。
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