教育・子育て
月謝はどのくらい?いつから通わせるのがベスト?子どもの学習塾にまつわる疑問を解決
令和2年から小学校・中学校・高等学校と順次、教育内容が変わることはご存知でしょうか。
「小学校から英語の授業が本格的に開始される」「プログラミング教育が始まる」など耳にされたことがあるかと思いますが、約10年に1度改定されている学習指導要領の実施が始まる予定です。
近年のグローバル化や、ビックデータ・AI活用などによる技術革新など社会が大きく変化していくなかで、子どもたちの教育内容も私たち大人が学んできた教育内容から大きく様変わりしています。
このように私たちを取り巻く環境が刻々と変わるなかで子どもの将来を考えると、学校の授業だけではなく学習塾で勉強をさせたいと考えるご家庭は多いのではないでしょうか。
しかし、ここで気になるのは、その費用です。
実際のところ、世間一般のご家庭では子どもの学習塾にどのくらいの費用をかけているのでしょうか。
また、いつから通わせるのが良いのでしょうか。
今回は、そんな学習塾にまつわる疑問について考えていきます。
■みんなどのくらい払っている?学習塾にかける費用
文部科学省は、平成6年度から1年おきに「子供の学習費調査」を実施しています。
この調査では、公立と私立の幼稚園・小学校・中学校・高等学校(全日制)に通う子どもの保護者を対象に、保護者が1年間に支出した子ども1人当たりの経費(学校教育費,学校給食費,学校外活動費)や世帯の年間収入などが調査されています。
今回はそのなかでも学校以外でかかるお金について調べた学校外活動費のなかの「学習塾費」についてみていきます。
● 学習塾に通っている子どもと通っていない子どもを合わせた学年別の学習塾費 年間平均支出額
公立幼稚園 | 約8,000円 |
私立幼稚園 | 約2万7,000円 |
公立小学校 | 約5万3,000円 |
私立小学校 | 約25万2,000円 |
公立中学校 | 約20万3,000円 |
私立中学校 | 約15万3,000円 |
公立高等学校 | 約10万7,000円 |
私立高等学校 | 約13万円 |
なお、学習塾に通っている子どものみの場合は以下のとおりです。
● 学習塾に通っている子どもの学年別の学習塾費 年間平均支出額
公立幼稚園 | 約6万6,000円 |
私立幼稚園 | 約12万3,000円 |
公立小学校 | 約13万6,000円 |
私立小学校 | 約33万7,000円 |
公立中学校 | 約29万3,000円 |
私立中学校 | 約25万4,000円 |
公立高等学校 | 約28万3,000円 |
私立高等学校 | 約33万8,000円 |
これらの結果からは、学習塾にはそれなりの費用がかかるということ、そして、子どもの学年が上がるほどかかる費用も大きくなる傾向が伺えます。
出典:文部科学省 平成30年度子供の学習費調査 調査結果の概要
■いつから通わせるのがベスト?塾ではどんなことをするの?
「いつから塾に通わせるべきか」というのも、子どもの塾通いに関する悩みのひとつではないでしょうか。
早いうちから通えばそれだけ費用がかかりますから、ベストなタイミングで通塾を始めたいものです。
子どもにとって最適な時期を考えるには、まずは学年ごとの塾の授業内容や塾に通うメリットを知っておきましょう。
・幼稚園
幼稚園児を対象とした塾は、「幼児教室」「子ども教室」などと呼ばれています。
これは、「勉強をする場所」というよりはむしろ、スポーツや芸術、音楽、遊びなどを通して「これからの学習の基礎となる力をつける場所」といったほうが正しいといえます。
ほかの子どもたちと関わりながらアクティビティを行うことで、協調性や自己表現力の成長が期待できます。
また、小学校受験をする子どもと保護者向けのコースを用意している塾もあり、こういった塾では面接の練習や小学校受験でよくある絵画表現の訓練やペーパートレーニングなどがカリキュラムとして設けられています。
・小学校
小学生向けの塾では、学校の授業の復習や予習、定期テストや受験対策のための学習などが行われます。塾によってもコースによっても授業内容は大きく異なり、授業だけでは勉強についていけないという理由で塾に通う子どももいれば、私立の難関中学や中高一貫校合格を目指している子どももいます。
・中学校
中学生向けの塾でも、小学生向けの塾同様に学校の授業の予習・復習、定期テストや高校受験対策などが行われます。中学校に入ると小学校の勉強にはなかった教科が増え、内容も難しくなります。
そのため、授業だけでは不安があるのであれば、1年生の段階から塾に通うという選択肢もあります。
また、一般的な公立高校の入試では、内申点も評価対象となります。
つまり、受験までに猛勉強して本番で良い点数を取れば合格できるかというと、必ずしもそうではありません。
定期テストや提出課題、普段の授業などでコンスタントに良い結果を出して内申点を上げるためには、塾で基礎学力を確実につけておくことが大切です。
・高校
多くの高校生向けの塾では、大学入試対策に重きが置かれています。高校で学習する範囲は広く、難易度も高いため、学校の授業だけで大学合格を目指すのは難しい場合もあります。
そのため、大学進学を目指す高校生の多くが塾に通っています。
高校生向けの塾では、多くのデータやノウハウをもとに合格に向けたカリキュラムが組まれているため、効率的で実践的な学習が可能です。
また、志を同じくした仲間と切磋琢磨することで学習に対する意欲や向上心が生まれるというのも、塾に通うメリットだといえるでしょう。
このように、学年によって塾での学習内容や塾に通うメリットはそれぞれですから、子どもの進路プランや学校での成績を考慮して塾に通うタイミングを決めるといいでしょう。
同じ年頃の子どもが塾に通っていると「うちの子も通わせないとだめかしら……」と焦ってしまうかもしれませんが、通塾を開始するタイミングは、周囲に合わせるのではなく子どもに合わせて考えることが大切です。
■学習塾で損しないために。塾選びは慎重に
このように学習塾にはメリットがたくさんありますが、やはり通うにはお金がかかります。
ですから「予想以上に費用がかかってしまった」といったことにならないよう、通塾を決める前に費用に関する部分はしっかりチェックすることが大切です。
そのためには、
- 最初から1か所だけに決めず、複数の塾に足を運び説明を聞いたり見学したりする
- 月々にかかる授業料はもちろん、授業以外にかかる模擬テスト代や交通費・食費などの費用をチェックし、年間にかかる総額を算出する
といった点が重要です。
子どもの進路プランと家計事情を考えながら、ご家庭に合った学習塾選びをしましょう。
※この記事は2020年7月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。
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