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お葬式費用は自分で準備する時代?葬儀費用の積み立てができる「互助会」とは?メリット、注意点まとめ

お葬式費用は自分で準備する時代?葬儀費用の積み立てができる「互助会」とは?メリット、注意点まとめ

最近、「終活」という言葉がメディアで頻繁に取り上げられるようになりました。終活とは、自分自身の人生の終わりに向けて前向きに準備をしようとする活動のこと。そのひとつとして、自分の葬儀費用の積み立てができる「互助会」への入会という選択肢があります。


■「互助会」とは?




互助会とは、「冠婚葬祭互助会」の略称です。入会し、一定期間に毎月一定額を支払うことで、お葬式や結婚式をあげるときに、積み立ててきたお金を費用に当てることが可能になります。つまり、互助会は生命保険や各種保険と同様に、会員同士が共同でお金を出し合うことでお葬式や結婚式の多額の出費に備えるものなのです。月々の支払額の基本は、1,000円~5,000円程度。例えば、契約金額30万円のプランに加入し、月々3,000円を100回払い、約8年間で積み立てていくイメージになります。



なお、互助会は割賦販売法に基づき経済産業大臣の認定を受けた事業者です。全国に300社ほどあり、2016年8月の時点で、そのうちの221社は一般社団法人・全日本冠婚葬祭互助協会に加盟しています。

■互助会に入るメリットは?

毎月数千円の積み立てで葬儀にかかる大きな費用への蓄えができるというのが、互助会に加入する最大のメリット。また、このほかにも加入することでさまざまな優遇が受けられます。

そのひとつが、葬儀の際に互助会が提携する葬儀会場を通常価格より割安で利用できることです。施設や規模によっては必ずしも積立金額内で費用を納められるとは限りませんが、一般よりも出費の負担を抑えることが可能です。また、積立金は葬儀や結婚式以外に使えるというのもメリットのひとつ。例えば、お宮参りや成人式、法事など。また、仏壇や仏具の購入費用に当てることもできます。


■互助会に入る際の注意点は?



さまざまなメリットがある互助会ですが、入会の際には気をつけておきたい点もあります。というのも、互助会の仕組みについてきちんと知らずに加入し、後々トラブルになるケースもあるからです。ここでは、互助会に入会する際に注意しておきたいチェックポイントを取り上げます。

・契約時の基本プランが、希望する葬儀内容と相違ないか

「積立金があるし、割引が効くから、かなり安く抑えられるだろう」と思っていたのに、フタを開けてみたら予想以上の出費になった……このようなトラブルは少なくありません。というのも、互助会では、入会する際にパッケージ化されたプランを選択して契約をします。そして、このプラン以外のサービスを希望する場合には、別途費用が発生するのです。例えば、葬儀の後の料理や返礼品、テント代、ドライアイス代など。

互助会によってプランの内容に多少の違いはあるものの、基本プランに含まれていないサービスの費用が膨らみ、予想以上の出費になることがあります。このようなトラブルを回避するためには、契約時にプラン内容をしっかり確認し、希望する葬儀の形とすり合わせすることが大切です。



・互助会と、保険や共済との違い

毎月一定額を積み立てていくシステムというと、つい保険や共済と同じような仕組みを思い浮かべる方もいるでしょう。しかし、互助会と保険・共済の仕組みは全く異なります



保険や共済は、万が一の際ははじめに契約した保険金(現金)が支払われます。一方、互助会は積み立てが終わって実際にサービスを利用するとき、現金が支払われるのではなく、契約額に応じた葬儀の実施という形のサービスが受けられます。

また、積み立ての途中で葬儀を行うことになり、サービスを利用することになったときには積立金の残額を一括で支払わなければいけません。互助会はあくまでも「前払い」システムであり、保険とは違うということを頭に入れておきましょう。



・引っ越しをした場合はどうなるのか

互助会は、基本的に自分の住んでいる地域の会に入るシステムです。もし入会した互助会の営業地域外に引っ越しをする場合、積立金がどうなるのかを確認しておきましょう。なお、全日本冠婚葬祭互助協会に加盟している団体であれば、引っ越し先の互助会に移籍し、積立金をそのまま移動させることが可能です。ただし、プラン内容や含まれるサービス内容が異なる場合もありますので、その点に関しては注意が必要となります。



・解約する場合はどうなるのか

互助会の解約は、積み立て途中・積立終了後にかかわらず契約約款に基づいた払い戻しが可能ですが、解約に関するトラブルが少なくないのは事実。一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会消費者相談センターによると、2012年度には解約に関する苦情が271件寄せられています。例えば、解約の際には通常2割程度の手数料が差し引かれますが、こういった点の説明不足または理解不足がトラブルの原因に。入会する前に、解約にはどのような手順が必要となり、解約手数料がどのくらいかかるのかを確認しておくことが大切です。




多額の出費が予想される葬儀に備える方法のひとつとして、月々少額から始められる互助会への入会も、終活のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。家族や自分自身の死に関する話題というのはついつい避けてしまいがちですが、生前から人生のエンディングについて思いを巡らせ、家族間で意思の疎通をはかっておくのは大切なことです。互助会への加入検討は、そのためのいい機会かもしれません。

※この記事は2017年1月時点の法律・情報にもとづき作成しているため、将来、法律・情報・税制等が変更される可能性があります。

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