家計

住宅購入の頭金はいくら必要?住宅購入までに貯めておきたい貯金額は?

住宅購入の頭金はいくら必要?住宅購入までに貯めておきたい貯金額は?

住宅を購入したら、多くの方が住宅ローンを利用します。その際、購入金額のすべてをローンにするのではなく、自己資金を用意してローン返済額を抑える「頭金」を用意することもあります。では、どれくらい頭金を用意すれば、無理のない返済計画が立てられるのでしょうか。 
今回は、マイホーム購入に必要な「頭金」の目安や、頭金ゼロで住宅購入をする際の注意点、住宅購入資金の貯め方について解説します。

住宅購入で必要な頭金の目安とは?


一般的に、住宅購入で必要な頭金は10~20%程度といわれていますが、実際はどれくらいが相場なのでしょうか。住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2021年)」では、住宅の種類別に頭金(手持金)と購入金額に対する割合を発表しています。「フラット35利用者調査」によると、最も頭金の割合が小さい中古戸建で7.5%、最も頭金の割合が大きい注文住宅で17.4%と、10~20%前後に留まっていることがわかります。 
 
頭金の金額で見ると、中古戸建が214.9万円と最も低く、新築マンションの785.9万円が最も高くなっており、住宅の種類全体で頭金は450万円程度が平均となっているようです。 

<住宅の種類と頭金の割合> 

住宅の種類物件価格手持金(万円)手持金の割合(%)
注文住宅3,572万円596.6万円16.7%
土地付き注文住宅4,455万円412.3万円9.3%
建売住宅3,605万円270.0万円7.5%
新築マンション4,528万円785.9万円17.4%
中古戸建2,614万円214.9万円8.2%
中古マンション3,026万円418.9万円13.8%


思ったよりも頭金の額が少ない、と感じる方もいるかもしれません。しかし、住宅を買ったらそれで安泰、というわけではありません。住宅を保有すると固定資産税・都市計画税などの税金、火災保険料などが発生します。さらに、子育て・介護、家族の病気・ケガなど、多額の資金が必要になる状況が、予期せぬタイミングで訪れることもあるかもしれません。 
 
金利を抑えるためとはいえ、頭金を払い過ぎると、今後の資金計画にも影響を及ぼします。住宅ローン返済の開始後に現金が必要になるケースも想定して、頭金の金額を決めることが大切です。頭金は、多くても購入金額の20%までを目安にしましょう。 
 
マイホーム購入は、一生に一度あるかどうかという機会といえます。住宅を購入するのにあたり、理想をとことん叶えたいという気持ちになるのも仕方がないことです。しかし、巨額のお金が動くのに慣れてしまった状況で夢が膨らむと、50万円、100万円がとても些細な額に思えるようになり、当初の予算よりも大幅にオーバーした金額で住宅を購入することになります。 
 
物件を検討する際には、立地や間取りはもちろん大切です。しかし、その前に「この金額の住宅を購入できる余裕はあるか」、「ローン負担が重すぎないか」を振り返り、ご自身の家計の支払い能力に見合った物件を探しましょう。返済金額は、住宅の購入価格に左右されます。購入価格を抑えればローンの借入額も減って、月々の返済金額も安くなります。頭金を入れることよりも、住宅購入価格を下げてローンの借入額を下げるほうが、負担が少なくなるのは間違いありません。 

どっちがおトク?「頭金なしで今購入」と「数年後に頭金ありで購入」

きちんと貯金して頭金を用意するメリットは、住宅ローンの金利負担を抑えられるところです。では、具体的に頭金ゼロと頭金10%のケースの違いを見てみましょう。下記は、3,000万円の住宅を購入し、金利0.8%のローンを組み、借入期間を35年にしたときのシミュレーションです。 

<頭金あり・なし時のシミュレーション> 

頭金なし頭金あり
物件価格3,000万円
頭金なし300万円(10%)
ボーナス時加算なし
借入期間(年)35年
金利0.8%
月々の返済額8万1,919円7万3,727円
年間返済額98万3,028円88万4,724円
総返済額3,440万5,980円3,096万5,340円
金利の支払金額440万5,980円96万5,340円


月々の返済額は、頭金ゼロでは8万1,919円、頭金10%の場合は7万3,727円と、1か月あたりの返済額に8,192円の差が出ています。このように、頭金を入れることで、1か月あたりの返済負担を抑えられるのです。 
 
また、35年という長期的な視点で見ると、頭金が金利負担に大きな影響を与えていることがわかります。頭金ゼロの金利の支払金額は440万5,980円、頭金10%の金利の支払金額は93万5,340円です。つまり、頭金として10%を入れることで、金利の総額に347万640円も差が出るのです。頭金の300万円を引いたとしても、47万640円分多く支払っています。 
 
頭金のあり・なしは、金利負担を大きく左右します。一方で、無理をして頭金を入れず、万が一に備えて、手元にすぐ使える現金を残しておくという選択肢もあります。家計の貯蓄状況を考えたうえで、無理のないローン返済計画を立てましょう。 

住宅購入までに貯めておきたい頭金の資金額


頭金の目安は10~20%程度ですが、1か月あたりどれくらいの金額を貯金に回せば、頭金を貯められるのでしょうか。ここでは、すでにある物件・これからできる物件を購入することを前提に、新築・中古マンション、建売・中古戸建を購入する際のシミュレーションを行います。 
 
住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2021年)」によると、新築マンションは4,528万円、中古マンションは3,026万円、建売戸建は3,605万円、中古戸建は2,614万円となっています。これらを平均すると約3,440万円ですので、3,440万円の物件を購入することを想定し、5年間で頭金を貯めるシミュレーションをします。 

<頭金10%と20%のシミュレーション> 

頭金10%頭金20%
物件価格3,440万円
頭金344万円688万円
頭金の貯金年数5年
年間の貯金額68.8万円/年137.6万円/年
月々の貯金額5.73万円/月11.46万円/月


頭金10%なら68.8万円/年・5.73万円/月、頭金20%なら137.6万円/年・11.46万円/月かかります。月々約5.7万円の貯金であれば、ゼロからでも5年間でなんとか貯められそうな額ですが、約11.4万円となると、なかなか厳しい額です。 
 
しかし、「フラット35利用者調査」を見る限り、新築マンションの頭金は、785.9万円で、購入価格の17.4%であることから、20%も頭金を用意することはほとんどないことがわかります。中古戸建に関しては、頭金が最も安い214.9万円で、購入価格の8.2%程度です。中古戸建の物件価格は安く抑えやすいため、頭金をたくさん入れなくても月々のローン返済額が負担になりにくいという背景もあるでしょう。頭金を10~20%支払うとしても、物件価格を安く抑えて頭金の割合を減らすにしても、中古戸建の頭金の目安である200万円ほどは、住宅を購入するまでに貯めておくと安心です。 


住宅購入資金はどうやって貯める?


収入が低くても、支出が収入を上回らなければ、お金は貯まります。まずは1か月の収支をざっくりと書き出してみてください。短期間で収入を上げることは難しいので、まずは出費のコントロールを行うことを優先しましょう。 

計画の立て方

1か月の収支を把握できたら、まずは生活費用の口座と貯金用口座を分けましょう。1つの口座にまとめてしまうと、ついあるだけ引き出してしまって、なかなかお金が貯まらないからです。 
 
今回は「住宅購入のための頭金を用意する」という目的があるので、マイホーム用の貯金口座を作るとよいかもしれません。貯金用の口座を分けることで貯金の成果が目に見えやすく、貯金のモチベーションを維持できます。多くの金融機関にある「振込予約」を使えば、毎月一定額を自動で振り込んでくれます。振込予約を給料日のすぐ後に設定し、すぐに貯金額を先取りできるような仕組みを整えましょう 
 
このように、毎月自動的に貯金する「先取り貯蓄」はとても便利です。貯蓄方法として考えるなら、積立型定期預金を使ったり、貯蓄型保険に加入したり、つみたてNISAを活用するのもよいでしょう。しかし、住宅にかかる頭金や諸費用は、現金で支払うので、流動性の低い方法は住宅購入資金を貯める方法としては不向きです。住宅購入資金を貯める際には、途中解約をすると損をするリスクがある方法ではなく、現金化がしやすい流動性の高い預貯金で貯めることをおすすめします。 
 
しかし、言うは易く行うは難し。マイホームのために購入予算を計算したり、頭金がいくら必要なのか調べたりするのは骨が折れる作業です。そんな時には、ぜひプロに意見を仰いでみてください。「FPナビ」では、家計状況に合わせた貯金方法や、マイホーム購入予算の算出ができるファイナンシャル・プランナー(FP)への無料相談サービスを行っています。こちらの「住宅購入のお悩み相談」からお近くのFPを探せますので、「頭金を捻出したい」「適正な物件購入価格が知りたい」という方は、ぜひFPナビへご相談ください! 

節約術

貯金の仕組みが整ったら、次はできる範囲で節約をしましょう。まずチェックすべきは「固定費」です。固定費とは、住居費、保険、通信費、サブスクリプションの代金など、毎月必ずかかる費用のこと。一度削ってしまえば、長期間に渡り支出を減らせるという点で節約の効果が大きいため、まずは固定費から見直しましょう。 
 
食費や日用品費といった「変動費」は、毎月努力して切り詰めなくてはなりません。毎月同じように変動費を削れるとは限らず、年末年始といった交際費が増えやすい時期もあります。まずは固定費をきちんと削ってから、変動費に目を向けてみましょう。 
 
また、車は、駐車場代や税金など定期的に決まった支払いがある固定費とガソリン代やタイヤやオイル交換といった消耗遺品の変動費がかかります。住宅購入を考える際の節約として、車の所有についてもよく検討することをおすすめします。 


保険

ライフステージによって必要な保障は異なります。生命保険・損害保険といった保険商品を見直し、今の生活に必要な保障だけを残し、家計への負担を抑えましょう。似たような保障内容でも、別の保険商品や新プランに乗り換えたほうが安く抑えられるケースもあります。 
 
ただし、保険は長期的な視点で見直しましょう。節約したい気持ちで解約すると、いざというときに十分な保障が受けられなくなることも考えられます。マイホームは買ったけれど、家族が病気やケガをしたときの入院費は支払えない…という状況にならないよう、保険の見直しは慎重に行いましょう。 
 
そうはいっても、保険にはさまざまな種類があり、どのように見直せばいいかわからないという方もいるかもしれません。そんな時には、ファイナンシャル・プランナー(FP)へ保険選びのアドバイスを聞いてみるのも一案です。「FPナビ」では、保険に詳しいFPへの無料相談サービスも行っています。「保険料を抑えたい」「自分の家計に合う保険を見つけたい」とお悩みの方は、こちらの「保険のお悩み相談」をご覧のうえ、お気軽にお問い合わせください。 

通信費

現代人にとっての通信環境は、水道・電気・ガスに次ぐインフラ同然です。通信費は、保険と違い継続的に契約するメリットが小さいため、スマホ料金や自宅のインターネット回線にかかる通信費を見直すことで、節約につながるでしょう。 
 
スマホは、大手キャリアから格安SIMに乗り換えることで、月額料金が安くなる可能性があります。ネットを使い慣れているのなら、店舗を持たないオンライン完結型の格安SIMサービスを使うと、より通信費を抑えられる場合があります。 
 
すでに格安SIMを使っているという方は、現在契約しているプランを見直してみましょう。たとえば、家にインターネット回線を引いており、出先ではほとんどスマホを使わない生活であれば、通信容量は1~2GBで十分というケースもあります。お使いのスマホの設定で使用状況を確認できるので、高すぎるプランを使っていないかどうか確認してみましょう。 

車関連費

人によっては自動車は必要不可欠な存在ですが、家計を圧迫する要因でもあります。車は駐車場代・自動車保険料・ガソリン代・車検・税金など出費がかさむものです。もし車を手放せない生活なのであれば、マイホームは公共交通機関が発展している駅近エリアではなく、車を持っていれば利便性が上がるような、駅から離れた割安なエリアの物件を購入したほうが、家計への負担を抑えられるでしょう。 
 
便利なエリアに住むことを第一条件にするのであれば、車を手放すことも検討してみてください。近年では、カーシェアやシェアバイクの仕組みが整い、タクシーもアプリで気軽に呼べるようになっています。車を持たなくても、車を利用する手段が整備されつつあり、移動手段に困るエリアは徐々に減っています。電車やバスなどの公共交通機関や自転車など、移動手段が代用できるかどうかも考えたうえで、本当に車を所有するべきかどうか見直してみることも大切です。 
 

先取り貯金と支出コントロールで住宅購入資金を貯めよう!

住宅購入後も家族の生活は続きます。ローンを組めるからと安易に頭金ゼロを選ぶと、金利負担が大きくなってしまい、ローン返済のために生活が苦しくなる恐れもあります。もちろん、あえて頭金ゼロのフルローンを選び、繰り上げ返済のために貯蓄を進めておくという選択肢もあります。頭金を用意するにせよ、しないにせよ、ローン返済によって生活が破綻しないよう、コツコツと貯金する必要性に変わりはありません。 
 
そのためには、金融機関の自動振込予約を利用して、給料が振り込まれたらすぐに貯金用口座に移す「先取り貯金」を使い、貯金を増やしていきましょう。さらに、主要な固定費を見直して支出をコントロールすることで、貯金のペースはさらに加速します。夢のマイホームを手に入れるためにも、「先取り貯金」と「支出のコントロール」を試してみてください。 
 
しかし、「先取り貯金をいくらに設定したらいいかわからない」「支出をどこから見直せばいいのか悩んでいる」とお困りの方もいらっしゃるかもしれません。「FPナビ」では、お金の専門家であるファイナンシャル・プランナー(FP)へ無料で何度でも相談できるサービスを行っております。FPが直接ご自宅まで訪問することや、お住いの近くのFP事務所やカフェでのご相談も可能です。住宅購入やライフプランの見直しをご検討中の方は、FPナビへどうぞお気軽にご相談ください。詳しくはこちらの「家計のお悩みはFPにご相談下さい」でご覧いただけます。 

出典

「2021年度 フラット35利用者調査」(住宅金融支援機構)
https://www.jhf.go.jp/files/400361622.pdf

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