家計

値上げが続いて食費が増加。食費の節約方法と家計見直しのコツを伝授

値上げが続いて食費が増加。食費の節約方法と家計見直しのコツを伝授

物価が上がっているのに、収入はほとんど上がっていないと感じる方は多いのではないでしょうか。
毎日かかる「食費」は影響が起きやすく、また、節約することで効果を感じやすい家計の項目です。
しかし、食費を極端に減らしすぎることで、栄養が偏ったり不足したりして体に影響を与える場合があることや生活の満足度も下がり、結果的に節約が長続きせず一時的なものになってしまいます。

食費をいきなり減らそうと考えるのではなく、食費の内訳と無駄な部分がないかを洗い出しすることから始めてみましょう。
今回は食費の見直し方と節約方法、食費だけではなく家計全体を見直す場合のコツを紹介したいと思います。


我が家の食費は高すぎる?世帯別平均と比較してみよう

食費が高いといっても家族構成が違えば必要になる食費も大きく変わります。
総務省統計局の家計調査と比較し、自分の家計との差がどれくらいあるのか確認してみましょう。

<表>二人以上の世帯のうち勤労者世帯 世帯人員別1世帯当たり1か月間の支出

 

2人

3人

4人

穀類(米やパンなど)

5,337円

6,242円

7,228円

魚介類

4,551円

4,756円

4,696円

肉類

5,991円

8,132円

9,696円

乳卵類

3,492円

4,248円

4,873円

野菜・海藻

7,376円

8,151円

9,606円

果物

2,966円

2,941円

2,570円

油脂・調味料

3,089円

3,700円

4,012円

菓子類

5,395円

7,659円

8,621円

調理食品

1万1,128円

1万2,495円

1万2,106円

飲料(茶やコーヒーなど)

5,738円

6,178円

6,415円

酒類

1万3,645円

1万5,090円

1万6,804円

外食

1万3,645円

1万5,090円

1万6,804円

食費全体

7万3,311円

8万3,601円

8万9,111円

エンゲル係数

25.0%

25.2%

29.4%

出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 月次報告 2023年9月 二人以上の世帯のうち勤労者世帯 第3-1表 世帯人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出」よりニッセンライフ作成

世帯人員が増えるとともに食費は高くなっていますが、2人世帯と3人世帯ではエンゲル係数(家計の消費支出にしめる食料費の比率)に大きな差はありません。

注目したいところは外食とお惣菜などの調理食品です。
外食費の方が少し高くなっているものの、調理食品にも同じくらいの金額がかかっています。

共働きの場合、自炊が難しくお惣菜を購入して食べる頻度が増えているケースが考えられます。
もし、食費のうち調理食品や外食の割合が高めの場合は、少しでも自炊の頻度を増やすことで費用を抑えられる可能性は十分あるでしょう。


食費を節約する5つの方法

食費の節約は固定費を減らすよりも簡単に始められるので、できそうなものからチャレンジしてみましょう。

1か月の食費を把握する

家計簿をつけておらず、毎月ざっくりとした支出額を知っているだけでどんなものにどれくらいお金がかかっているか知らないという方も多いのではないでしょうか。

前章での食費項目のように細かくつける必要はありませんが、大まかに食材費、外食、お惣菜といった3項目程度に分けてどれくらい毎月使っているのかを家計簿をつけて把握してみることから始めてみましょう。

購入頻度が少ない調味料や米を買った場合は、日常の支出との比較が難しいので、分けて計算する、この月は調味料や米を買った月だから高めになっているなど、わかりやすくしておくといいかもしれません。

家計簿のつけ方はノートでもいいですし、スマートフォンの無料のアプリでも使いやすいものがたくさんあるので、まずは3か月続けてみましょう。

クレジットカードやキャッシュレス決済分を家計簿にどのように反映したらいいか迷って家計簿をつけることに躓いてしまう方も多いですが、その月に買ったものを把握することが目的なので、いつ引き落とされるかは気にせずに買った日に記入しましょう。

どうせつけるならと食費以外もつけようと頑張りすぎると長続きしないので、慣れるまでは食費だけでも問題ありません。
家計簿をつける習慣がついたら、他の項目についても支出を把握することで、より支出を抑えることができる可能性があります。

食品ロスを減らす

自炊が多いのに食費が割高という場合は、食品ロスが起きていないか、相場よりも高い金額で購入していないかを確認してみましょう。

食品ロス量の半分は家庭から発生しており、食品ロスが起きる要因には、作り置きなど食べきれず廃棄する「食べ残し」、本来食べられるところまで野菜の葉や茎などを切って捨ててしまう「過剰除去」、未開封のまま食べずに捨てる「直接廃棄」があります。

例えば、キャベツや白菜などの野菜は、丸々1個買った方が安いケースが多く、1人や2人暮らしの場合は使い切る前に傷んでしまい廃棄してしまうと、かえって高くつくこともあります。

買い物をする際は冷蔵庫の在庫を確認する、料理をするときは食べたいものを作るだけではなく、食品の生鮮度を考慮して作るなど、工夫することが重要です。
もし難しい場合は、ミールキットを使うこともおすすめです。

ミールキットは、レシピと食材がセットになったサービスで、下ごしらえが済んだ状態の野菜や肉などの食材が必要な分量だけ入っています。
そのため、食材の端材が出ることはなく、冷蔵庫の肥やしになって廃棄するリスクを減らすことができます。

食材を買いに行く手間も省けて献立を考えるストレスもなくなるので、家事の時短にもなります。

食事を減らす、特定の食品しか食べないなど、極端な節制はしない

食べる量を減らす、素うどんやもやしだけ食べるといった偏った食事を続けると、ひと月の食費は減るかもしれませんがおすすめできません。
栄養の偏りは子供の成長に大きな影響しますし、万が一栄養失調など体調を崩して病院にかかった場合、医療費がかかることでかえって出費が増える可能性があります。

食費を減らそうとするとお腹を満たすために高カロリーな食事になりやすく、炭水化物や油が増え、たんぱく質や鉄が不足する傾向があります。

例えば、

  • 肉を使う場合でも豚から低価格で栄養価の高い鶏ムネ肉に変える
  • 肉の量を減らしたい場合は高たんぱくな木綿豆腐などでかさ増しをする
  • 比較的価格が安定し腹持ちがいいきのこ類を積極的に摂る

などといった方法で、食費を減らすことも一つです。
極端に減らすのではなく、値段の割に栄養価の高い食材を使う、かさ増しや食材の置き換えを工夫するなどで対処してみましょう。

買い物方法を見直す

買い物に行く前に必ずチェックしてほしいのが「食材の在庫」です。
安くなっているから購入したものの、冷蔵庫などに在庫があり、消費しきれずに廃棄しては本末転倒です。

また、買い物の際に安くなっているとつい必要ないものまで買ってしまう、小さい子供がいて買い物に行くたびにジュースやお菓子をねだられて買ってしまう方はまとめ買いがおすすめです。
買い物の頻度を週に1~2回程度に抑えることで、こまごました出費を減らすことができる上に、時間の節約もできます。

ただし、食材をまとめ買いすることで食品ロスのリスクはやや高くなるので、自分が料理に使いやすい定番食品を中心に購入する、1週間の献立を決めて必要な食材だけを買うなどで対処しましょう。

冷蔵庫が小さいなどの理由でまとめ買いが難しい場合は、ネットスーパーを活用して必要なものだけ調べて購入することでも代用が可能です。
ネットスーパーを利用するときの注意点として、○○円以上で送料無料という場合に、無料にしたいがために必要性が低いものを購入することはやめましょう。

ふるさと納税を活用する

ふるさと納税とは、応援したい自治体に寄付ができる制度です。
確定申告などをすることで、寄付金のうち2,000円を超える部分については所得税の還付、住民税の控除が受けられます。

寄付したお金は使い道を指定することができ、かつ地域の名産品などのお礼品ももらえる仕組みです。
ふるさと納税について詳しくは総務省のホームページなどで確認ください。

ふるさと納税を利用するともらえるお礼品で人気なのは、いくらやカニなどの海鮮や和牛、果物など、普段ならなかなか手が出ないような食材が上位にあがっています。

ふるさと納税のお礼品を選択するときには、普段の食事で使う食材を選ぶことをおすすめします。
例えば、肉なら牛肉よりも鶏肉の方が同じ寄付金額でも量が多いので、コストパフォーマンスは高いといえます。

また、寄付金額は高くなりますが、数か月にわたって米を届けてくれるお礼品もあります。
米は購入し持って帰る場合に重くて運搬が大変なので自宅に届けてくれると負担も軽減されるのでおすすめです。


値上げの影響を受けているのは食費だけ?この機会に家計簿を見直そう

値上げの影響を受けているのは食費だけでしょうか?
この機会に家計全体を見直してどの項目が家計を圧迫しているのか明確にしてみましょう。

参考までに、総務省統計局のデータから2022年から2023年の消費支出を見比べてみます。

<表>二人以上の世帯のうち勤労者世帯 2022年9月と2023年9月の消費支出の比較

 

2022年9月

2023年9月

食費

7万9,937円

8万3,618円

住居

1万7,412円

1万6,655円

光熱・水道

2万2,060円

1万8,283円

家具・家事用品

1万3,143円

1万1,532円

被服及び履物

9,068円

7,373円

保健医療

1万3,177円

1万3,458円

交通・通信

5万15円

5万7,747円

教育

2万3,152円

2万690円

教養娯楽

2万8,129円

2万7,274円

その他の消費支出

5万7,896円

5万5,098円

消費支出

31万3,989円

31万1,728円

出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 月次報告 2022年9月/2023年9月 二人以上の世帯のうち勤労者世帯 第3-1表 世帯人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出」よりニッセンライフ作成

実は2022年9月と2023年9月を比べると、消費支出全体としては下がっているという結果になっています。
上がっている項目は食費、保険医療、交通・通信となっており、最も上がり幅が大きいのは交通・通信です。

交通・通信の内訳を見てみると、自動車の購入費用や維持費などが大きく増加しており、通信は減少しています。
負担軽減策はとられているものの、現在もガソリンの価格は高騰しているため引き続き負担が大きくなる項目だと考えられます。

自動車の費用負担を減らす方法には、自動車保険の見直しや燃費のいい車に買い替える、ディーゼル車やハイブリッド車を選ぶ、普通自動車から軽自動車に変えるなどがあります。
それでも一定額必要経費はかかるので、自動車に乗る頻度が少ない、なくても生活に大きな支障がなさそうなら思い切って自動車を手放すことも検討してみましょう。

たまにしか乗らない場合は、レンタカーやカーシェアリング、タクシーを利用する方が、自動車の維持費よりも安くなる可能性があります。
この機会に自動車の持ち方について考えてみてはいかがでしょうか。

家計の見直しは「固定費」から!

固定費とは、毎月ほぼ確実に支出される費目で、変動費と異なり、やりくりを頑張っても減らすことができないものです。
消費支出の項目だと住居や交通・通信、教育、その他に生命保険や火災保険などの保険料があります。

家計の支出を減らすには、まずはこうした固定費から見直すのが王道とされています。
その理由は、固定費は見直しの効果が大きく現れやすく、食費や日用品費などコントロールしやすい費用(変動費)と異なり、1度見直しをすると効果が持続するためです。
固定費の中でも節約を始めやすいのは住居と保険料です。

住居費は手取り収入のおおむね3割以内が理想で、超えている場合は貯蓄ができない状態に陥っていることも少なくありません。
賃貸の場合は住み替えをする、持ち家の場合は住宅ローンの借り換えを検討するといった方法で削減できる可能性があります。
ただし、引っ越し費用や借り換え手数料などのコストを吸収できるかどうか、メリットが上回っているかどうか確認するようにしましょう。

保険料については、解約をすればその分の保険料がかからなくなりますが、保障不足で何かあったときの方が問題なので、慎重に見直しをしましょう。

10年や20年前に加入したときのまま保険は見直していないという場合は、今のライフスタイルや医療事情などに保障内容があっていない可能性があります。
最近ではたばこを吸っていない、健康状態が良好だと保険料が割安になる商品も増えてきているので、さまざまな商品で比較・検討しぴったりの商品を見つけましょう。


まとめ

食費を比べてみて平均よりも高かった方は、この機会に食費や家計について向き合い、改善方法を試してみてください。
低かった方は安心というわけではなく、食費以外で出費が増えた項目はなかったか確認し、家計を維持できるよう心がけるようにしましょう。

家計の見直しがわからない、自分に合った節約・削減方法が知りたいという方は、お金のプロであるファイナンシャル・プランナーに相談することをおすすめします。

ファイナンシャル・プランナーは各家庭の収入・支出・貯蓄の3項目をヒアリングし、収支のバランスが崩れていないかなどの問題点を探し出し、改善策を提案することができます。

FPナビでは、投資・保険・不動産など幅広い金融知識を備えたファイナンシャル・プランナーに無料で相談できるだけではなく、得意な分野・相談メニューからお客さまの相談内容に合わせて選ぶことができます。

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食費や家計のことでお困りの際は、ぜひFPナビでご相談ください。

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